合成をする三角方程式・不等式の見分け方と解き方(弧度法)

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合成を使って方程式を解く

加法定理が出てきた後に私たちは三角関数の合成を学びました。

なぜ三角関数の合成を学んだかはこの記事を見ればわかるでしょう。ここで扱う問題は代表的な問題ですのでしっかりと身につけておきたいところです。

さっそく問題を解いていきましょう。まずはこの問題です。

 

\(0 \leqq \theta <2\pi\) の時

 

$$-\sin\theta +\sqrt{3}\cos\theta=\sqrt{2}$$

 

を解け。

 

さて、まず見てわかることは

 

三角関数=数字

 

単純にはならないことです。移項してみてもダメですね。私たちは例えば

 

\(\sin\theta=\frac{1}{2}\)

 

のような三角方程式は解けますが、今回の問題のように2つ出てきてしまうものは初めてです。

また \(\sin^2 \theta\) や \(\cos^2\theta\) もないので変形の余地はありません。私たちに馴染み深い

 

\(\sin^2\theta +\cos^2\theta=1\)

 

は使えなさそうです。

 

はて困りました。このままでは解けません。ですが私たちにはもう一つ武器があるではないですか。そうです合成です。つまり

 

2つの三角関数を1つにする

 

ことができるのです。そうすれば私たちの知っている

 

\(\sin\theta=\frac{1}{2}\)

 

のような形にできそうです。2つだからダメなだけで三角関数一つであればなんとかなりそうですよね。

というわけで、

 

なぜ合成を行うのか

 

をしっかりと押さえておくといろんな形が混ざっていても方針が立つようになります。

では左辺を合成しましょう。合成は

 

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で詳しく解説していますのでもし自信のない方はこちらを読んでから戻ってみてください。

 

左辺を合成するときは、係数をみて

 

\(\sqrt{(-1)^2+(\sqrt{3})^2}=\sqrt{4}=2\)

 

を計算し、くくりますね。

 

\(-\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\left(\sin\theta\cdot \left(-\frac{1}{2}\right)+\cos\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\right)\)

 

あとは

 

\(\cos\alpha=-\frac{1}{2}\)

\(\sin\alpha=\frac{\sqrt{3}}{2}\)

 

を満たす角度を考えれば

 

\(\alpha=\frac{2}{3}\pi\)

 

ですから

 

\(-\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\sin \left(\theta+\frac{2}{3}\pi\right)\)

 

と合成できます。最初は面倒だと思うかもしれませんが、慣れておいた方がいいですね。もっと簡単にできる方法もありますが、今やったやり方が一番本質的です。

さて、合成ができたらこれはなんかみたことがある形ですね。そうです、

 

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で扱った置き換えのパターンと同じではないですか。

じゃあやることは決まっています。まずは

 

\(\sin\left(\theta+\frac{2}{3}\pi\right)=\frac{\sqrt{2}}{2}\)

 

と割ってあげて、あとは \(\theta+\frac{2}{3}\pi\) を \(t\) とおけば

 

\(\sin t=\frac{\sqrt{2}}{2}\)

 

ですね。 \(t\) の範囲は必ず確認します。

 

\(0\leqq \theta <2\pi\)

 

ですから

 

\(\frac{2}{3}\pi\leqq \theta+\frac{2}{3}\pi <\frac{8}{3}\pi\)

 

\(\frac{2}{3}\pi\leqq t <\frac{8}{3}\pi\)

 

です。あとは単位円で見るだけですね。今回は\(\sin\) なので \(y\) 座標です。

 

 

もちろん角度の範囲に注意します。今回は

 

\(t=\frac{\pi}{4}\)

 

入らないですね。答えとしてはいいですが今考えている範囲(図の青い部分、スタートは\(\frac{2}{3}\pi\) )にはないので

 

\(\frac{3}{4}\pi\ ,\ \frac{9}{4}\pi\)

 

の2つを指定しなくてはいけません。これで解は

 

\(t=\frac{3}{4}\pi\ ,\ \frac{9}{4}\pi\)

 

とできます。あとは戻すだけですね。

 

\(\theta+\frac{2}{3}\pi=\frac{3}{4}\pi\ ,\ \frac{9}{4}\pi\)

 

より

 

\(\theta=\frac{\pi}{12}\ ,\ \frac{19}{12}\pi\)

 

です。合成をしてしまえばやったことがある形のはずです。できそうですよね。皆さんならできます。

合成を使って不等式を解く

 

この調子だと不等式もできそうですよね。やることが同じなので解法だけをつらつらと述べることにします。

この問題を解いてみましょう。

 

 

\(0\leqq \theta <2\pi\)の時、

 

\(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\leqq \sqrt{3}\)

 

を解け。

 

やることは同じです。合成ですね。この問題を見て、合成しか無いと思えることが大事です。

 

\(\sqrt{\sqrt{3}^2+(-1)^2}=\sqrt{4}=2\)

 

より

 

\(2\left(\sin\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\right)+\cos\theta\left(-\frac{1}{2}\right)=2\sin\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\)

 

なので

 

\(2\sin\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\leqq \sqrt{3}\)

\(\sin\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\leqq \frac{\sqrt{3}}{2}\)

 

です。不等号ですので少しやることは多そうですがひとまず置き換えます。

 

\(\sin t \leqq \frac{\sqrt{3}}{2}\)

 

もちろん範囲の確認です。

 

\(-\frac{\pi}{6}\leqq \theta-\frac{\pi}{6} <\frac{11}{6}\pi\)

 

\(-\frac{\pi}{6}\leqq t <\frac{11}{6}\pi\)

 

あとは単位円で当てはまるところを書き込んでしまいましょう。

今回も \(\sin\) ですので \(y\) 座標を見ます。

 

\(\sin t \leqq \frac{\sqrt{3}}{2}\)

 

ですので \(y\) の値が \(\frac{\sqrt{3}}{2}\) より小さいところを見ればいいですね。たくさんありそうです。

 

 

大丈夫ですね?あとは範囲に気をつけてこの赤い範囲を指定します。

 

\(-\frac{\pi}{6}\leqq t \leqq \frac{\pi}{3}\ ,\ \frac{2}{3}\pi\leqq t< \frac{11}{6}\pi\)

 

ですね。面倒ですがやはり分けなくてはなりません。

というわけで

 

\(-\frac{\pi}{6}\leqq \theta-\frac{\pi}{6} \leqq \frac{\pi}{3}\ ,\ \frac{2}{3}\pi\leqq \theta-\frac{\pi}{6}< \frac{11}{6}\pi\)

 

より

 

\(0 \leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}\ ,\ \frac{5}{6}\pi \leqq \theta <2\pi\)

 

と答えが出せました。合成以外は復習ですね。

まとめ

合成の威力が一番発揮されるのはやはり方程式と不等式でしょう。どのタイミングで使うのかをしっかりと判断できるようになることが最も重要です。色々なパターンが混ざっていても「これはこう解ける」と頭の中に思い浮かべば最高です。

ではまた

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