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二次曲線を学ぶ 放物線編

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二次関数は二次曲線のひとつ

「二次曲線」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますでしょうか。

二次と書いてあるのでやはり二次式を思い浮かべるでしょう。広く言うとそのイメージも間違っていませんが定義自体は違います。

実際の二次曲線の定義は高校数学においてはあまり取り上げられません。高校数学で扱う二次曲線を考える上で定義から出発するとかなりややこしいのです。

知りたい人は二次曲線でググれば詳細は出てきますので是非調べてみてくださいね。

というと不親切な気がするので私なりに解説する記事を近々出そうと思います。気になる方はぜひに。

 

さて本題に行きましょう。高校で扱う二次曲線は次の3つです。

 

Focus

・放物線

・楕円

・双曲線

 

 

この3つに共通しているのは

 

焦点がある

 

ということです。焦点が何かは後々わかりますので全ての共通点をひとまず抑えてください。

では最初の放物線について考えていきましょう。

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放物線の基礎事項

放物線の定義は実は少し複雑です。実は私たちが使ってきた「二次関数」も放物線ですが最初はそう見えないはず。この記事の途中で馴染みのある形が出てきます。

最初は放物線の定義から放物線の式を出してみます。

まず焦点という点を考えます。今回は簡単のために \(x\) 軸上にとりましょう。 その座標を \((p,0)\) とします。

さらに準線という線を取ります。これは \(y\) 軸に平行

 

\(l : x=-p\)

 

ととります。例えばこんな感じです。

 

 

そして次の条件で点 \(\mathrm{P}(x,y)\) をとっていきます。

 

 

Focus焦点と準線からの距離が等しい点を放物線上の点 \(P\) とする

 

 

この条件で出てくる \(x\) と \(y\) の関係を求めれば、それはそのまま点 \(\mathrm{P}\) の軌跡となるのでしたね。つまりこの条件で出てくる関数が得られるわけです。

やってみましょう。ちょっと図を書いてイメージをしてみます。例えばこんな点が取れます。

 

 

焦点と点 \(\mathrm{P}\) の距離は大丈夫でしょう。もちろんどこに \(\mathrm{P}\) があっても

 

\(\sqrt{(x-p)^2+y^2}\)

 

ですね。ですが準線と点 \(\mathrm{P}\) の距離は大丈夫でしょうか。

線と点の距離は先ほどの図にあるように点から直線に垂線を引いた時の長さでしたね。

今は\(x\) と \(l\) の関係で距離を求める式が変わってしまいそうです。

つまり

 

 

\(x-(-p)\)

 

と、ありえないとは思いますが、

 

\(-p-x\)

 

このような状況では、たしかに計算方法が変わってしまいます。常に

 

値の大きい座標から小さい座標を引けば良い

 

のでした。ですがこのモヤモヤを一気に表してくれるのが絶対値です。

 

\(|x+p|\)

 

とかけばどちらの状態もかけます。もし絶対値の中身がマイナスなら

 

\(|x+p|=-(x+p)=-x-p=-p-x\)

 

と計算することになるので、たしかに2つ目の図で表される式になってくれます。

というわけで長くなりましたが結局条件式は

 

\(\sqrt{(x-p)^2+y^2}=|x+p|\)

 

になります。あとは両辺を二乗して整理するだけです。

 

\(\sqrt{(x-p)^2+y^2}^2=|x+p|^2\)

 

絶対値の二乗は絶対値を外して良いので、\(|x-p|^2=(x-p)^2\) として

 

\((x-p)^2+y^2=(x+p)^2\)

 

\(x^2-2px+p^2+y^2=x^2+2px+p^2\)

 

整理すれば

 

\(-4px+y^2=0\)

 

通常は \(-4px\) を移項して

 

\(y^2=4px\) 

 

と書きます。これが放物線の公式です。これで表される式はこんな図になります。

 

 

私たちがいつも使っていた放物線ではありませんね。横倒しになってしまっています。これは焦点を \(x\) 軸に取ったからです。

 \(y\) 軸にとってやってみると、やることは先ほどと同じなのでサクッとやりますが

 

 

より

 

\(\sqrt{x^2+(y-p)^2}=|y+p|^2\)

 

を計算して

 

\(x^2-4py=0\)

 

より

 

\(y=\frac{1}{4p}x^2\)

 

となります。これはたしかにいつも使っていた \(y=ax^2\) と同じですね。私たちの使っていた式の \(a\) は \(\frac{1}{4p}\) のことだったのです。

 

 

もっというと、先ほどの出てきた式の \(x\) と \(y\) の立場を入れ替えれば

 

\(x^2=4py\) 

 

より

 

\(y=\frac{1}{4p}x^2\)

 

となり、同じになります。こっちの方が簡単ですね。

ですので一般的に放物線と言われたら

 

\(y^2=4px\)

 

と思い浮かべることにします。焦点が \(y\) 軸にあるなら \(x\) と \(y\) を入れ替えて

 

\(x^2=4py\)

 

から

 

\(y=\frac{1}{4p}x^2\)

 

とすればいいのですからね。

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放物線の式と図のイメージを一致させる

重要なのは図と式を一致させることです。

例えば

 

\(y^2=8px\)

 

と言われたら私たちはどのような図をイメージすればいいかというと

焦点は

 

\(4p=8\)

 

より

 

\(p=2\)

 

ですから、焦点と準線がすぐにわかって

 

\((2,0)\ ,\ x=-2\)

 

です。よってグラフは

 

 

になるのです。

では

 

\(x^2=\frac{1}{2}y\)

 

の場合はどうか。これは私たちの一般的な形と違うので、まずはそこからです。

 

\(y^2=4px\)

 

が一般的な式でしたが、 \(x\) と \(y\) の立場を入れ替えれば

 

\(x^2=4py\)

 

になり、結局

 

\(4p=\frac{1}{2}\)

 

\(p=\frac{1}{8}\)

 

で準備は完了です。

ただし気をつけなければいけないのは、今 \(x\) と \(y\) の立場を入れ替えたことです。そうすると先ほど確認した通り、焦点が \(y\) 軸に来ることになるので

焦点と準線は

 

\(\left(0,\frac{1}{8}\right)\ ,\ y=-\frac{1}{8}\)

 

となるのでグラフは

 

 

になります。

式とグラフを常に意識しながら見ていきましょう。

まとめ

放物線についてはまずはここまで。いつも使っていた放物線の拡張になるので少し難しく感じるかもしれませんが、焦点で放物線の全ての形が決まることに慣れていきましょう。

ではまた。

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