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複素数平面(ガウス平面)で複素数を考える

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複素数平面とは

私たちは虚数単位という新しい数字を数学Ⅱで学び、それを使って数字を実数から虚数、そしてそれらを合わせた複素数まで数字を拡張しました。

数学Ⅱの範囲では計算や方程式の解などにだけ出てきた「便利な存在」でしたが、数学Ⅲでは複素数をもっと深く学んでいきます。

まず考えたいのは複素数を平面に書き込むことです。

私たちは実数の範囲で今まで関数や座標というものを考えてきましたね。

デカルト座標を用いて

 

 

のように \(x\ ,\ y\) の組み合わせを点で表すことが出来ました。

これと同じようなことを複素数でもしたいのですがどうしたらいいでしょう。

同じといっても座標を考えたいわけではなく、複素数を平面に書きたいというだけのことです。つまり複素数と点が一対一で対応するような決まりを作りたいわけです。

ここで登場するのが複素数平面(ガウス平面)です。複素数平面とは横軸実数部分縦軸虚数部分を取ったものなのですが、イメージが湧きますでしょうか。

 

 

例えば

 

\(2+3\mathrm{i}\)

 

を複素数平面上に書くと

 

 

になります。つまり複素数の実数部分を \(x\)虚数部分の \(\mathrm{i}\) を除いた部分を \(y\) とみて平面にプロットしたのです。こうすれば全ての複素数を平面に書くことが出来ます。

この時横軸を実軸、縦軸を虚軸と言います。

少し練習しましょう。

 

\(-2+\mathrm{i}\)

 

 

 

\(-2\)

 

 

 

ですね。実数は虚数部分が0なので実軸上の点になります。もちろん

 

\(3\mathrm{i}\)

 

 

 

ですね。

これは純虚数ですが、実数部分が0なので虚軸上の点になります。慣れてきましたね。

いったん広告の時間です。

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複素数平面で虚数の種々の性質を見る

さて、複素数平面を導入したのはいいですが一体何のために複素数を平面に点としておいたのでしょう。

まず考えたいのは絶対値です。複素数 \(z=a+b\mathrm{i}\) の絶対値は

 

\(\sqrt{a^2+b^2}\)

 

で与えられましたが複素数平面上ではどこに対応するのでしょうか。

まさにこの部分ですね。

 

 

つまり

 

複素数の絶対値は複素数平面上では原点から複素数を表す点までの距離

 

であるのです。どんどん複素数がイメージできてきます。

 

複素数は複素共役を考えることもできました。複素共役はなにを示しているのでしょう。

複素数 \(z\)を \(a+b\mathrm{i}\) とするとその複素共役は

 

\(\overline{z}=a-b\mathrm{i}\)

 

ですからこんな関係ですね。

 

 

つまり複素共役は複素数平面上において

 

点を実軸に対して対称移動する

 

ことと同じなのです。

複素数を平面上で考えられるメリットは今後どんどんわかってくるでしょう。ここまででも複素数をどんどん動かせることが分かりましたよね。実はこの後回転などを考えることができる点で複素数平面は非常に便利です。

まとめ

複素数平面は複素数を図形的な見方をする際に非常に有効です。実はベクトルともかなり対応するのでベクトルを忘れている人はこの機会に復習しておくといいかもしれません。ベクトルとの対応も別記事で見ていきたいと思います。

ではまた。

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