「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

指数関数・対数関数講座その2(指数から二次関数へ)

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今回の問題はこちら。

制限時間9分です。自力で解きましょう。解いてから下の解説に移ってくださいね。

 

 

 

 

 

解きましたでしょうか。では解説に移ります。

 

 

 

 

 

指数関数の典型的な問題の一つがこの

二次関数に帰着させる

タイプです。三角関数等でもあったように、置き換えによって私たちの馴染みのある二次関数にし、問題を簡単にするのが狙いです。

注意することは

置き換えた文字の範囲の確認

です。これを怠ると特に”指数関数”は落とし穴にはまるので気をつけてください。

問題の流れを見てもわかる通り、

置き換え範囲の確認グラフ or 方程式・不等式

が主なものです。最近は”範囲の確認”を暗黙の了解で問題にしなかったりしますが、書いていなくても必ず確認はするようにしましょう。

問題としては変形が最初の難関かもしれません。意識することは

底を揃えること

指数の肩をどのようにとらえるか

でしょうか。実際にやってみましょう。

まず最初の項ですがここの変形にこれから慣れて欲しいと思います。2乗の扱いが鍵です。

変形は

$$4^{x+\frac{1}{2}}=4^{\frac{1}{2}}\cdot 4^{x}=2\cdot 2^{2x}=2\cdot (2^{x})^{2}$$

とできます。常に意識するのは変形先の \(2^{x}\) です。これをなんとかして作らなくてはならないので無理やりこの形を作ります。

それ以外は肩の足し算を分けることが次のポイントでしょう。それが出てくるのは2項目です。

$$-k\cdot 2^{x+1}=-k\cdot 2^{1}\cdot 2^{x}=-2k\cdot 2^{x}$$

変形を追えているでしょうか。

注意しなくてはならないのは分けた時に掛け算になることです。

ここまでくればやること終わりです。与えられたもので置き換えれば、

$$f(x)=2\cdot (2^{x})^{2}-2k\cdot 2^{x}+\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}=2t^2-2kt+\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}$$

となり置き換えが完了です。ここまでをスラスラできるようになることが指数対数の攻略には必要ですので練習を積みましょう。

さて、置き換えたあとは文字の範囲の確認です。

今回置き換えたのは指数関数ですから、\(x\) が何であれ必ず正になります\(0\) にもなりませんので注意してください。よって

$$t>0$$

これが今回の文字の範囲になります。後々重要になるので覚えておきましょう。

次に計算するのは \(t=0\) の時に \(y\) の値を \(0\) にした時の \(k\) の値です。計算します。\(t=0\) とすれば

$$f(0)=\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}=0$$

この方程式からkの値を出すので単純な2次方程式ですね。指数のことは一旦忘れましょう。

計算すると

$$\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}=0$$

$$k^2-4k+3=0$$

$$(k-3)(k-1)=0$$

より

$$k=1\ ,\ 3$$

ですのでこれだけです。

押さえておきたいことは置き換えをしたら一旦指数のことは置いておいて、変形先の知識を存分に使うことです。

さて、二次関数が猛威を振るう(二次関数にした意味が出てくる)のはここからです。

今考えなくてはいけないのは \(f(x)=0\) になる時の \(x\) です。一見すると2次方程式で解きたくなりますが、それはかなり厳しいです。

なぜなら今考えている式は \(t\) で、\(t\) には範囲がありました。よって判別式などでやろうとするとありえない答え(適さない答え)が出てしまいます。

例えば今考えている \(t\) は正なので、負の解が出てはいけませんが、判別式でそこまで指定することはできませんね。あくまで判別式は解の個数だけを考えられるだけです。

というわけでこのような問題は実は二次関数をうまく使っていくのです。また、実はこの話、数学Ⅰ・Aの二次関数の範囲でやっているのです。

補足:一応断っておきますが、今考えている式は \(t\) です。ですがある \(t\)に関して \(x\) が一つ決まるので問題は \(t\) のままで考えて大丈夫ですね。意外と忘れてる部分だと思うので確認のために。
 

やることはただ一つ。まずはグラフを書きます。書いたあとは「グラフと \(x\)軸の交点の \(x\) 座標が今考えている方程式の解ですから、これが \(2\) 個になるようにグラフに制限を与えていきます。

もちろん考えている範囲は \(t\) がプラスの範囲ですから、交点はプラスの方でなくてはいけません。

平方完成すると、

$$f(t)=2t^2-2kt+\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}=2(t^2-kt)+\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}$$

$$=2\left(t-\frac{k}{2}\right)^{2}-\frac{1}{2}k^2+\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}$$

$$=2\left(t-\frac{k}{2}\right)^2-2k+\frac{3}{2}$$

これを満たすにはグラフが以下のようになっている必要があります。

こうなるための範囲を求めるのですが見るべきところは大きく三つです。

一つは頂点の \(y\) 座標。これは必ずになっていないといけません。\(x\) 軸と交点を持たなくてはいけないからですね。

式で書くと

$$-2k+\frac{3}{2}<0$$

です。

2つ目はです。もちろん交点の座標が正にならなくてはいけないので軸は正です。

式で書くと

$$\frac{k}{2}>0$$

ですね。

3つ目ですがこれが一番大事です。それは \(t=0\) の時の \(y\)座標です。

今回は交点の座標がどちらも正ですので、二次関数の特徴を考えると必ず正になる必要があります。

負だと

のようになってしまってどう頑張っても2つの交点をプラスに寄せることはできません。

 

補足:軸の条件は次の形を回避するために入れなくてはいけません。

\(y\) 切片がプラスであっても軸が負だと交点が2つとも負になってしまいます。

 

 

よって式は

$$f(0)=\frac{1}{2}k^2-2k+\frac{3}{2}>0$$

が追加され計3つの条件が出てきました。最後の式は先ほど方程式で解いた形と同じなので簡単に計算できるはずです。

というわけで計算すると

$$k>0$$

$$k>\frac{3}{4}$$

$$k<1\ ,\ k>3$$

の三つの解が出てくるのでこれら全てに共通する範囲は

$$\frac{3}{4}<x<1\ ,\ k>3$$

となり答えになりました。一応数直線で図示しておきますね。

結局指数関数だったのに解いたのは二次関数でしたね(笑)。

もちろん今回使った条件は問題によって違いますが大事なことは”2次方程式”だったとしてもグラフも使える」かつ 「グラフでないと解けない問題がある」ということです。

どちらを使うかは判断が難しいですが、解の個数の問題は基本的に二次関数を使うと便利です。

これで解答は終わりです。お疲れ様でした。

いったん広告の時間です。

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まとめ

今回の問題は非常に大事な「二次関数との関わり」が出てきました。二次関数はこのように指数、また対数にも顔を出し、応用問題として使われます。今回使った考え方は二次関数はもちろんのこと、指数・対数、三角関数など色々な問題で使えるものです。

グラフを使って解くやり方は難しいですが、突破すべき問題です。挑戦あるのみです!わかるまでなんども復習しましょう。

ではまた。

解答を以下に載せておきます。

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