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群数列の解法とその考え方その1

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

ここでは群数列について考えていきます。大多数が群数列について間違った捉え方をしていると管理人は考えています。
 
みなさんは群数列の何が複雑なのかを分かっているでしょうか。数列自体が難しいわけではありません。難しく感じてしまう原因は
 
群に分けているときに元の数列を一緒に考えてしまう
 
からだと思っています。群数列の問題は実際に解けるようになるとわかりますが
 
元の数列はなんでもいい
 
のです。それが私たちにとってなじみ深い等差数列でも、よくわからない複雑な数列でも、です。そのことを最初に強調しておきます。例としてこの後数列を書きますが、見てほしいところは群をどう扱っているかです。

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群数列で見るべきポイント

例えば次の数列を考え、それをある一定の規則に従って群に分けたとします。
 
$$1\ |\ 4\ 7\ 10\ |\ 13\ 16\ 19\ 22\ 25\ |\ 28\ 31\ 34\ 37\ 40\ 43\ 46\ |\ \cdots $$
 
群に分けなかった場合この数列はなんでしょう。これは一目瞭然のはず。初項1、公差3の等差数列ですね。なので一般項を一応求めておくと
 
$$a_{n}=1+(n-1)\cdot 3=3n-2$$
 
です。一応といったのはこの後ほとんど出てこないからです(笑)。それが群数列の最初のポイントです。使うのはあくまでの群の規則性ですので元の数列の規則性など見なくていいのです。
 
では次です。ここからが本番ですね。上の数列は仕切りがつけられており群というものに分けられています。ではその群の規則性を見いだせるでしょうか。
 
じっと見ると、最初の群は項が1個、2番目の群(第2群と呼びます)は項が3つ、第3群は項が5つと2個ずつ増えているのがわかります。
 
要するにこれは
 
群に分けたときの項数が規則性を持っている
 
ということになります。その規則性は今回の場合「等差数列」的なのです。
 
もちろん元の数列の等差数列とは一切関係ないので気を付けてください。
 
準備として次のように図を描くとわかりやすいです。
 
まず考えることは
 
任意の群の一番最後の項が最初から数えて何番目なのか
 
です。
 
例えば上の数列で3群の最後の項は25ですが、これは最初から数えて何番目でしょうか。実際に数えれば9番目ということが簡単にわかりますね。では少し別の考え方をしてみます。
 
群で見ると25は第3群に入っており、その最初から数えた位置は、その前までにある項の項数で決まりますよね。要するにそれぞれの群に入ってる項数で考えれば25は
 
$$1+3+5=9$$
 
番目にいることが計算でわかるわけです。なので第4群の一番最後の項である46は
 
$$1+3+5+7=16$$
 
番目にいることがわかるのです。
 
さてこれをもっと一般的にします。要するにある適当な群を指定したときに、その群の最後の項が最初から数えて何番目なのかを簡単に求められるようにしておきたいのです。
 
適当な第n群を見たときにその最後の項は最初から数えて何番目でしょうか。
 
 
 
群の項数は2ずつ増えていましたから適当な第n群の項数は\(2n-1\)で表せるはずです。初項が1で公差が2ですから。
 
今までの考え方を応用すると、第n群の最後の数字は
 
$$1+3+5+7+\cdots +2n-3+2n-1$$
 
で計算できるはずです。これはまさに等差数列の和の形なので初項1、公差2、項数は群の個数と同じなはずなのでn個ですから
 
$$1+3+5+7+\cdots +(2n-3)+(2n-1)=\frac{1}{2}n(1+2n-1)=n^2$$
 
となるわけです。これは先ほどやった例と合いますね。第3群の最後の項は9番目でしたがこの一般式でも群を表す3を代入すれば9番目という結果が出てきます。
 
よって第n群の最後の項は最初から数えて\(n^2\)番目となることが確認できました。このnは群のnです。
 
ではその最後の項は具体的に何でしょうか。第3群の最後の項は9番目でその項は25でした。
 
ここで基本に立ち返ります。数列は一般項があればある適当な場所の項は計算できるのでした。
 
例えば今の場合9番目の数字は元の数列の一般項が\(a_{n}=3n-2\)で与えられているので
 
$$a_{9}=3\cdot 9-2=25$$
 
と計算でき確かに25が出てきました。
 
ということは第n群の最後の「項」がなんであるかは、\(n^2\)番目と分かっているので
 
$$a_{n^2}=3\cdot n^2-2=3n^2-2$$
 
となることがわかりますね。かならず具体例と照らし合わせながら理解していってください。特に記号のnに注意です。何を表しているnなのかを追ってください。
 
まとめると
 
 
ここまで調べることができました。ここに出ているnはすべて群のnですから注意してくださいね。
 
今回はここまで。次回はこのやり方を問題に適用してみます。
 

終わりに

群数列どうでしたでしょうか。一発で理解するのは相当難しいです。なので必ずどのように群数列を見ていくのかを頭に入れながら解説を見てください。何度も納得するまで見てください。これを自分自身でできるようになれば解けない群数列の問題はありません。断言します。それぐらい大事な考え方なのです。基本がそのまま応用になります。繰り返しあるのみ!

ではまた。

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