記事の題名が不思議な感じですが、「本当の」という意味は最後にはわかるはずです。ここでは三角方程式をしっかりと解いていきます。
使うのはやはり単位円です。単位円の考え方を使えば三角方程式はすぐに解けますので是非ここでマスターしてください。
そもそも三角方程式と
三角関数の含まれる方程式
というそのまんまの方程式です。基本的には
$$\sin\theta=\frac{\sqrt{3}}{2}$$
のような形を思い浮かべればいいでしょう。重要なのは求めるものが角度であることです。
私たちは今まである角度が与えられてそれに対応する三角比を求めてきました。
この三角方程式は言ってしまえばその逆をやります。三角比が与えられた時に、その時の角度を求めるのです。
今、はっと思いましたか?今までの逆をやるなら「単位円」使えそうですよね。
これまでは角度から座標を見ていましたが、次は座標を指定して、その角度を読み取ればいいのですね。
例えば
$$\sin\theta=\frac{1}{2}$$
を解く場合、皆さんはどう考えますか?
三角比を暗記している人なら
$$\theta=\frac{\pi}{6}$$
と言えるでしょう。ですが本当にこれだけでしょうか。
さらに
$$\sin\theta=-\frac{\sqrt{3}}{2}$$
のような問題が出てきたらすぐに出てきますか?
このように「覚えていれば解ける」三角方程式は三角関数の範囲では少ないです。ここからはしっかりと単位円をイメージできるようにすることを意識しましょう。
今回は
$$\sin\theta=-\frac{1}{2}$$
を解いてみましょう。こんな風に考えてみませんか。
今は \(\sin\) ですので \(y\) 座標に注目します。単位円の考え方では座標を指定してあげれば \(x\) 軸から測った角度の \(\cos\) 、\(\sin\) が得られるのでしたね。今回であれば
のように \(y\) 座標が \(-\frac{1}{2}\) である線を引いてしまいます。そうすれば
に表したように2つの点が単位円上で得られますよね。この点が表す角度が今欲しい
$$\sin\theta=-\frac{1}{2}$$
を満たす角度になっているのです。簡単ですね。もちろんわかりづらければ逆に、角度を指定した時の \(\sin\) が \(-\frac{1}{2}\) になるところを考えれば同じことになります。
この方法のいいところは角度の漏れがないことです。基本的にある三角比の値をとる角度は2つあります。簡単な例としては
$$\sin\frac{\pi}{6}=\frac{1}{2}\ ,\ \sin\frac{5}{6}\pi=\frac{1}{2}$$
ですものね。ですから単位円で考えればちゃんと2つの角度が対応していることがわかります。
問題に戻りましょう。角度が視覚的にでてきましたがその値は何でしょう。もちろん基本になるのは0度から90度で覚えたものです。 \(\frac{1}{2}\) になるのは \(\frac{\pi}{6}\) 、\(\frac{5}{6}\pi\)でしたから、 \(-\frac{1}{2}\) になるものは図を見てあげれば、\(x\) 軸で折り返せば同じですから、
$$\theta=\frac{7}{6}\pi\ ,\ \frac{11}{6}\pi$$
になりそうですね。実際に確かめてみるのもいいでしょう。
この単位円のイメージを常に持って三角不等式を解いてみてください。暗記ではなくしっかりと角度をイメージしながら問題を解けるはずです。
例として \(\sin\) をやりましたが \(\cos\) も同じですね。
$$\cos\theta=-\frac{\sqrt{3}}{2}$$
を解きたければ
のように縦に線を引けばいいのです。その線と単位円の交点が今欲しい角度ですので
$$\theta=\frac{5}{6}\pi\ ,\ \frac{7}{6}\pi$$
になりますね。大丈夫そうですか。問題集等を使ってこの威力を確かめてみてください。
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角度は無限?範囲に注意
さて、これで三角方程式は一件落着に見えるのですが、ちょっと待ってください。
ある三角比を表す角度って本当に2つですか?
もちろん90度など特殊な例もあります。 \(\sin\) が \(1\) になる角度は \(\frac{\pi}{2}\) です。一つですね。
ただそれにしても本当に当てはまる角度は1つとか2つなのでしょうか?
答えは違います。角度は無限に考えることができます。
なぜなら私たちは一般角というものを知っているからです。例えば \(\frac{13}{6}\pi\) なんていう角度も考えられましたよね。
この図を見て明らかな通りこれは \(\frac{\pi}{6}\) の位置とまったくおなじです。ということは裏を返せば
$$\sin\theta=\frac{1}{2}$$
を満たす角度 \(\theta\) は \(\frac{13}{6}\pi\) 度も当てはまることになります。そうなんです。こう考えると無限にあると思いませんか?
だって \(\frac{5}{6}\pi\) と \(\frac{17}{6}\pi\) も同じですし、 \(\frac{13}{6}\pi\) と \(\frac{25}{6}\pi\) も場所同じですもんね。
ですので方程式を解く際には角度の範囲に注意してください。基本的には与えられる場合が多いのですが与えられてない場合は、ある角度から何周するかを示すために
角度 \(\theta\) \(+2\pi n\)
という書かれ方をすることが多いです。これを使うと例えば先ほどの \(\frac{\pi}{6}\)、\(\frac{13}{6}\pi\) ・・・を
\(\frac{\pi}{6}+2\pi n\)
とかけますね。 \(n\) に \(0\) を入れると \(\frac{\pi}{6}\) 、 \(1\) を入れると \(\frac{13}{6}\pi\) 。2を入れるともう一周して同じ場所の \(\frac{25}{6}\pi\) ・・・と全てを表現できています。もちろんマイナスも
\(\frac{\pi}{6}-2\pi n\)
と書けばOKです。
この書き方が必要になることは稀ですが、特に最初のうちは気にしておくと三角関数の学習を進めていったときに役に立つと思いますよ。
まとめ
三角方程式を解く際には単位円をイメージすることが大事であることがわかりましたでしょうか。三角関数の範囲ではとにかく単位円を使いますし、使えないとこの先もっと苦しいです。まだ慣れていない人はここらで弧度法と一緒に練習しておくといいでしょう。
ではまた
コメント
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