ここでは前回軽く触れた定義域についてもう少し考えていきたいと思います。
それでは始めましょう。
定義域とは関数において変数の範囲を示すものでした。
変数とは基本的に僕たち自身が変化させる量です。いつも使ってる関数でいうと \(x\) ですね。定義域が決まると、その関数に従って \(y\) の範囲も定まります。これを値域というのでした。
では、定義域を決めるとは何を表しているのでしょうか。定義域が決まれば値域が決まる。これは今確認した通りです。それ以外にどんなイメージを持てば良いのでしょうか。
それは、僕なりの考え方ですが、
「関数に制限をつける。そして僕たちが今考えるべき関数を得る」
ことに等しいと思っています。
説明します。
これから先、高校数学において、関数を扱っていく上で大事なのはその具体的な形すなわちグラフです。高校の範囲ではグラフがうまく使えるかどうかでいろんな問題に対応できるかどうかが決まると言っても言い過ぎではありません。それぐらいグラフは大事なのです。
ではなぜ定義域とグラフが関係あるのかというと、定義域が決まると値域が決まる、すなわちグラフの形に制限をつけることになるのです。
定義域がないとグラフは直線なら直線、放物線なら放物線になります。全ての変数について考える訳ですから、どこかでストップなんてことはない訳です。
しかし定義域があると話は違います。どこか途中で途切れることになるので今まで描いてきたような、どこまでも続く綺麗なグラフには到底なりません。
例えば \(y=x^2+x-2\) のグラフを考えてみます。これを座標平面に書くと下の図の点線のようになります。
ですが定義域として \(-1<x<2\) を与えるとグラフは上の図の黒線のようになるのです。最初に考えた点線のグラフの一部分だけが残っている状態ですね。これが「関数に制限をつけ、今考えるべきグラフを得る」の意味です。
さて、グラフは今後かけるようにしていくので良いとして、こんなの当たり前じゃないか!!と思った人はその通りです。当たり前なんです。ですがこれが当たり前にならないと今後の関数の勉強に支障が出ます。なのであえて説明しました。もしここまでの説明で不安に思うところがある人は戻って再確認してきましょう。わかるまで何度も繰り返してみてください。
また、この「定義域を考えてグラフの一部を書くことができる能力」は必ず身につけます。これができると今後の最大・最小の問題や、いろんな問題の見通しがよくなります。また種々の応用問題では、まずグラフを描くところからスタートすることが多いので瞬時にグラフをかけることが大事です。
なので今後の目標は当面の間「2次関数のグラフを定義域も含めて正確に素早く書く」ことが目標です。そのために次回以降、平行移動などの概念を学びます。
少しずつ目標が定まってきましたね。ここまでの話をもう少し学びたい人はいますか?もし2次関数をまだ習っていないのなら、参考書の1次関数が出てくるところで練習して慣れておくといいです。2次関数を学び終わっているのなら、イメージが掴めればOKです。
ここまではかなり抽象的な話が多かったので理解がなかなか深まらないとは思います。一度全体をさっとやって戻ってくると、より一層この記事の意味がわかるのではないかと思います。よくわからなくても、なんとなくでも今は大丈夫。とりあえず次に進みましょう。
ではまた。
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