ここまで関数のグラフについて学んできました。なぜグラフにここまでこだわるのかは、これ以降の話を聞けばなんとなく想像できるようになるのではないかなと思ってます。
ここでは2次関数ではなく、まずは簡単な1次関数を使ってイメージを膨らませていこうと思います。たぶん余裕な人も出てくるでしょう。しかし大事です。強調しておきます。
早速いきましょう。まず直線のグラフをおさらいします。関数の形は
$$y=ax+b$$
でした。\(a>0\) の時は右上がりの直線、\(a<0\) の時は右下がりの直線ですね。\(b\) は切片と呼ばれる値です。
例えば \(y=2x+3\) のグラフは次のようになります。
忘れていた人は見直しておきましょう。さて次です。
突然ですがこの方程式を解けますか?
$$2x+3=0$$
当たり前じゃないか・・・と思った人いますよね。答えは \(x=-\frac{3}{2}\) です。
ではなぜ関数の話をしていたのに、突然方程式に移ったのかわかりますか?
実は先ほど書いたグラフと密接な関係があるからです。
どういうことかというと、先ほどの関数のグラフの中に、今出した方程式の答えが隠れています。隠れているというか、その方程式の解がどこなのかが視覚的に見えます。
それは上の方程式は関数 \(y=2x+3\) の \(y\) を \(0\) にしたものであるから、グラフでいうと直線の \(x\) 軸との交点の \(x\) 座標です。
わかりましたか?ある程度当たり前にやっていたことだと思います。しかしこれは後々の全ての関数で当てはまることなのです。
今回は1次関数についてやりましたが要はこういうことですね。
「グラフの \(x\) 軸との交点はそのグラフの \(y\) を \(y=0\) にして得られる方程式の解である」
管理人がよく思うのは、形式だけを覚えてこういうところを知っていないと、後々勉強する上で困ってしまうのではないかということです。何気なくやっている全ての操作に意味があります。最初は形式的でいいんです。しかしそこで終わらずに次に繋げるためにその意味を考えることが勉強をスムーズに進める上で大事だと思います。
話が脱線しかけましたが戻りましょう。では今まで議論してきた2次関数ではどうなのでしょうか。詳しい話は次の記事に譲るとして、ここでは大まかなイメージを作ります。
その前に2次方程式を解けますでしょうか?
$$8x^2-14x+3=0$$
因数分解、解の公式などを使って解ければOKです。ちなみに上の方程式は
$$(2x-3)(4x-1)=0$$
と因数分解できるので答えは
$$x=\frac{2}{3}\ ,\ \frac{1}{4}$$
です。もう少しおさらいしましょう。2次方程式は解が上のように2個出てくるとは限りません。1個の時もあるし、はたまた1個もない時があります。
方程式の解が2つの時を「実数解を2つ持つ」、1つの時を「実数解が1つ」もしくは「重解を持つ」、1つもない時を「実数解を持たない」と言いますね。
では今までの話に戻りましょう。今考えたいのはグラフと方程式の関係です。1次関数でできたことが2次関数にも通用するのかということです。
例えば次の関数を考えてみましょう。
$$y=8x^2-14x+3$$
このグラフは次のように平方完成することで得られます。
$$y=8x^2-14x+3=8\left(x^2-\frac{7}{4}\right)+3 \nonumber$$
$$=8\left[\left(x-\frac{7}{8}\right)^2-\frac{49}{64}\right]+3 \nonumber$$
$$=8\left(x-\frac{7}{8}\right)^2-\frac{49}{8}+3 \nonumber$$
$$y=8\left(x-\frac{7}{8}\right)^2-\frac{25}{8}$$
大丈夫ですね?グラフは次のようになります。
さて。このグラフをみてわかることはなんでしょうか。
まず、このグラフから得られる方程式
$$8x^2-14x+3=0$$
が見ただけで解が2つあることがわかります。なぜかというとこのグラフは \(x\) 軸と2点で交わっているからです。2点で交わるということはそれに対応する解がないとおかしいです。
さらに解が2つとも正であることもグラフから読み取れます。ちなみにこれは先ほど解いた2次方程式ですから解は
$$x=\frac{2}{3}\ ,\ \frac{1}{4}$$
です。ちゃんと2つとも正ですね。
さて、これまで見てきた通り方程式と関数は深い関係があります。というよりは関数を考えればそれは同時にそれに対応する方程式を考えてることになります。すなわち、関数は方程式も含んでいる概念であるということです。関数をマスターすることはそれすなわち方程式もマスターできるということですね。
ここまではあくまでイメージです。数学は一般的な数式にして初めて威力を発揮します。今まで出てきた \(x\) 軸との交点の話をより詳しく、関数のどこと対応しているのかを次回以降見ていきたいと思います。
ではまた。
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