「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

最大公約数と最小公倍数の関係

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

公約数と最大公約数

整数が与えられたとき、その公約数とは何でしょうか。まず約数とは

ある整数を考え、その数を適当な数字で割り算し、あまりが出ない(割り切れる)とき、その割った数字のことを約数とする

と定義されています。要するにある数字を用意して、どんどん適当な数字で割って割り切れたら約数、割り切れなかったら約数でないということですね。

なので当たり前ですがある数字の自分自身は約数ですし、どんな整数でも1を約数に持ちます。

さて、次は数字を2つ考えます。それぞれの数字の約数を考えていき、共通の約数を持っている場合それを公約数といいます。

例えば12と18は

12の約数・・・1,2,3,4,6,12

18の約数・・・1,2,3,6,9,18

という約数をそれぞれ持ちますから公約数は

$$1,2,3,6$$

となります。そしてその中で最大のものを最大公約数というのです。

ここまでは難しくありませんね。ここからが高校数学です。2つの数字(公約数を考えるときは3つ以上でもOKです)の最大公約数をこの整数の分野では \(G\) で表します。ある2つの整数A,Bがあるとして、その最大公約数を\(G\)とすると、以下の式が成り立ちます。

$$A=Ga\ ,\ B=Gb$$

(ただし\(a,b\)は互いに素な整数)

式で書くと一気に抽象的になる感じがしますが、先ほどの12と18の例では

$$12=6\cdot 2\ ,\ 18=6\cdot 3$$

となっており確かになっています。

ちなみにさらっと大事なことが出てきていますのでちゃんと説明します。それは互いに素という概念です。

ある2つの数字が互いに素であるとは

 

ある2つの数字の公約数が1のみである

もしくは

ある2つの数字の最大公約数が1である

 

というときに言います。例えば2と3は互いに素な整数ですが、3と6は互いに素な整数ではありません。簡単ですね。

先ほどの式でなぜ\(a,b\)が互いに素でなくてはならないかはすぐにわかります。なぜならもし\(a,b\)が互いに素でないなら、\(G\)が最大公約数ではなくなってしまうからです。まだ公約数が残っている証拠になります。

というわけで最初の大事な式が出てきました。さらに互いに素という概念を説明しましたので必ず頭に入れておきましょう。今後嫌というほど見ることになりますし、忘れていると痛い目にあいますのでご注意を。

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公倍数と最小公倍数

倍数は簡単です。ある数字の倍数はある数字を2倍・3倍・4倍・・・とした時に得られる数字のことです。

2の倍数は

$$2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,\cdots$$

となりますね。ここでも公約数と同じように2つ以上の数字を考え、共通の倍数を考えることにしましょう。これを公倍数といいます。

例えば3と7の公倍数は

$$21,42,63,\cdots$$

となります。公倍数になった瞬間に面倒ですね。さらにこの中で一番小さい公倍数を最小公倍数と言います。上の例だと最小公倍数は21ですね。最小公倍数は整数の分野では\(L\)と書きます。

最大公約数と最小公倍数の関係

さて、ここまで公約数と公倍数についてみてきましたが、実はこの2つには大きな関係があります。それは

 

$$A=Ga\ ,\ B=Gb$$

で(\(a,b\)は互いに素、\(G\)は最大公約数)\(A,B\)の最小公倍数が\(L\)であるとき

$$L=Gab$$

である。

 

という関係です。すなわち最小公倍数は最大公約数を使ってかけるということです。

具体的にやってみると一番わかりやすいです。例えば先ほどの12と18だと

$$12=6\cdot 2\ ,\ 18=6\cdot 3$$

で最小公倍数\(L\)は36です。なので確かに

$$36=6\cdot 2\cdot 3$$

となり関係式が成り立つことがわかります。この式のイメージは

最小公倍数は自分になくて相手にあるものをかければ得られる

でしょうか。例えば今の例の12と18だと

$$12=2\times 2\times 3$$

$$18=2\times 3\times 3$$

です。自分にも相手にもある数字の掛け算が最大公約数です。この場合\(2\times 3=6\)ですね。そして、最小公倍数は相手と自分が初めて一致するときのことを指すわけですから、12の立場からすると相手には3が2個あるが、自分には一個、18の立場からすると相手には2が2個で自分には一個という状況なので結局、最大公倍数である6に2と3をかけることで最小公倍数を得られます。

少し複雑に聞こえるかもしれませんが何度かほかの数字でもやってみてください。

意外と当たり前のことを言っていますよ。

終わりに

公約数、公倍数は整数の性質の大きなテーマです。これらを通じて整数に慣れ、先人たちが見つけ出した様々な整数の性質を簡単に触れることができれば十分ではないでしょうか。日常的にも使えるかもしれない内容でもありますから、少しは将来にもつながる・・かも(笑)頑張りましょう。

ではまた。

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