条件付き確率とは
条件付き確率は確率ですが、私たちのいつも求めている確率とは少し違います。
条件付き確率と一言で表すと
特定の条件の中で考える確率
でしょうか。普通、確率を考える時にはその起こりうる全ての事象を数えますよね。ですが条件付き確率は特定の状況のみの中で事象を数えるのでそこが大きく違います。
なかなか言葉で理解するのは難しいので、問題を通してやってみましょう。
血液型がA型、B型である100人を調べると、男子64人、女子36人で、A型は男子40人、女子13人であった。次の確率を求めよ。
(1)選ばれた1人が女子の時、その人がA型である確率
(2)選ばれた1人がB型の時、その人が男子である確率
さて、これをみてすぐにわかることはいつもと考える確率が違うことです。
・・・の時、・・・の確率を求めよ、という書き方になっていますので、考える事象が制限されます。
本当であれば100人の中から1人選びます。ですから単純な確率を考えると、例えば男子である確率は
\(\frac{64}{100}\)
ですよね。ですが今回は違うのです。すでに選んだ時にその人が男女どちらか、もしくは血液型がどちらかという情報は与えられています。
(1)であれば女子であること、(2)であればB型であることがもうすでにわかっているのです。
この時の確率は明らかに100人の中から選ぶ状況とは違います。(1)の場合もう女子であることがわかっているのでその中でA型である確率を求めることになるのです。
つまり100人のうち女子は36人とわかっているので、今考える確率で考えるべき対象は36人の女子です。
この中で考えた時にA型である確率を求めなさい、と言っているのが条件付き確率なのです。
つまり
男子は放っておいて(なぜなら選んだ時にその人が女子であることがもう確定しているから)女子を選んだ時にその人がA型である確率を求める
のですね。
ですから求める確率は
\(\frac{13}{36}\)
です。女子は36人でA型の女子は13人いることがわかっているので、36人から一人選んだ時にA型である確率を考えればいいのです。
何やら難しそうに聞こえるかもしれませんが、簡単にいうと
特定の条件の中で確率を考えろ
と言っているだけなので、条件さえしっかりと抑えれば難しくはありません。
(2)も同じようにやります。条件はB型が選ばれた時、と言っているのでまずはB型の人数が必要です。
それはA型が男女合計で53人いることが問題からわかりますから、B型は
\(100-53=47\)
より47人です。この中でまずは考えます。この数字はB型の男女です。
この時B型の男子はこの中にどれくらいいるかというと、A型の男子が40人で、男子は全員で64人いるので
\(64-40=24\)
と計算すれば出てきますね。つまり今考えるべき条件付き確率は
\(\frac{24}{47}\)
となる訳です。ある条件のもとで当てはまるものを数えて確率をだす。これが条件付き確率です。
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条件付き確率を条件なしの確率から求める
さて、条件付き確率の全容がわかったところで、先ほどの求め方が少し面倒なことに気づくはずです。
私たちは基本的に確率の問題を解くときは確率の積や和を使います。これまで確率の問題をやったことがある人はおそらく心当たりがあるはず。
しかし先ほど行った条件付き確率の求め方だと特定の事象の個数とその中に含む求めたい事象の個数が必要になります。
これは今までの経験から言って不便です。今回は数えられるからいいですが、求める確率が複雑になる程このやり方はかなり効率が悪いです。
ですので先ほどの条件付き確率を条件なしで求められるものに変えてしまいます。
難しくはありません。(1)の問題であれば分母と分子を100で割ってみると
\(\frac{\frac{13}{100}}{\frac{36}{100}}\)
としてみたらどうでしょうか。これは分母は
\(\frac{36}{100}\) は100人から1人選んだときに女子である確率
\(\frac{13}{100}\) は100人から1人選んだときに女子でかつA型である確率
になっています。つまり与えられているものから求めた確率から条件付き確率を求めることが可能なのです。
つまり
Aが起こったときにBであるという条件付き確率は
\(\frac{\rm{AとBが同時に起こる確率}}{\rm{Aが起こる確率}}\)
と計算できる
ということになるわけです。なんてことはありません。Aの確率とAとBが同時に起こる確率を求めれば条件付き確率が求められるという公式です。
例えば(1)ならまず条件である100人から1人を選んだときに女子である確率を求めます。
\(\frac{36}{100}\)
こうですね。次に女子でありかつA型である確率を求めます。これはA型の女子は100人中13人なので
\(\frac{13}{100}\)
ですね。あとはこの確率で
\(\frac{\frac{13}{100}}{\frac{36}{100}}\)
とすれば答えが出てきます。逆にたどっただけですが、たしかに最初に考えたものと同じ答えが出てきました。
同じように(2)もやってみてください。式は
\(\frac{\frac{24}{100}}{\frac{47}{100}}\)
ですので答えは
\(\frac{24}{47}\)
ですね。楽々ですね。
まとめ
ここでは条件付き確率の意味とその公式について触れました。意味がわかったらどんどん公式を使ってください。そのために公式はあります。わからなくなったらまた原点に戻ってください。それでOKです。
ではまた。
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