場合の数を数える
皆さんは次のような問題を解くときどのように考えますか。
例えば小学生なら、問題の意味が理解できれば
のように一つ一つの可能性を当たっていくようなやり方を取るでしょう。ですがこれはかなり根気のいる作業ですね。今回の問題のパターン数ぐらいだとなんてことはないかもしれませんが、テストではあまりやりたくない方法です。
もう少し簡単にこのパターンの数を数えられないでしょうか。
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樹形図で場合の数を数える
ここで出てくるのが樹形図です。
樹形図はこの「パターン数」すなわち「場合の数」を数える一つの手段です。
例えば今回の場合は
のようにしていくと全てのパターンを数えられそうですね。
一番左に座る人は3人のうち誰かなので3パターン考えられます。それが樹形図では一番左に縦に並べられています。
次に、例えば A さんが一番左だった場合その隣に座れるのは A さんを除く 2人ですね。それが枝分かれして 2人のパターンが書かれています。それが 2列目に対応するわけですね。そうすれば一番左が Bさん・・・の時も同じように考えられます。
もうわかりましたね。このようにして一番右まで考えれば樹形図の完成です。そして一番右にあるパターンの数(枝の数)が今回求めたい場合の数になります。
なぜなら例えば一番上の枝は
\(\rm{ABC}\)
の席順を表し、その下は
\(\rm{ACB}\)
を表すというように、これで全てのパターンが得られていることがわかるでしょう。
というわけで答えは
\(6\) 通り
になります。
どうでしょうか。これでどんな場合の数も数えられそうですか?
たしかに樹形図を書けばできるものは多いでしょうし、闇雲に数えるよりもよっぽど素晴らしいですね。
ですが、これから考えていく問題は今回問題でやったようなものを何度も行い、やっと答えが出せるものがあったり、複雑になったりと難しくなっていきます。
その時にこのような「単純な」場合の数はさっと計算していきたいところです。
それを可能にしたのが 記号 \(\rm{P}\) で表す順列の考え方ですね。
記号の詳細や使い方は別記事に任せますが、ここでは順列をどのように考えればいいかを樹形図を用いて考えてみましょう。
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順列を計算で求めてみる
今回の問題だと、最終的に答えが6通りと出てきましたが、これは樹形図を書かずに求めることは可能でしょうか。
こう考えてみましょう。一番左の椅子には3人のうち誰かが座れます。そのそれぞれのパターンに関してその隣の椅子には2人の中の誰かが座れます。
ここまでの場合の数は式で書くと
\(3\times 2\)
ですね。その次は残りの1人だけなのでパターンは1通りです。
\(3\times 2\times 1\)
ですよね。これは樹形図でいうと
のように理解できます。実はこれが順列の考え方です。つまり
樹形図の考え方を式で計算したもの
と考えることができます。これをさらにうまく使ったのが順列の記号 \(\rm{P}\) です。
内容は別記事でのお楽しみです。ひとまずここでは次のことを理解しましょう。
樹形図は場合の数を数える一つの手段
樹形図の考え方を式で書いたものが順列の式
まとめ
重要なことは順列の式を使えば場合の数を解けると思わないことです。公式は万能ではありません。この場合の数を数えたいからこの公式を使うという意識を持っておくと場合の数と確率の範囲は先が明るいでしょう。
ではまた
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