確率とは
確率はもともとカジノや賭け事を有利に進める、もしくは最終的に続けていくと勝てるのかそれとも負けてしまうのかを考えるために確立した概念です。
最近は私たちの身の回りに多くの確率の概念を用いた機器や考え方があり、日常的に皆さんも確率という言葉を聞くのではないでしょうか。使っている人も多いはずです。
そもそも確率はどのようにして考え出されるのでしょうか。例えばサイコロを1回振って2の目が出る確率は
\(\frac{1}{6}\)
と答えると思います。これは果たして何を計算しているのでしょうか。
サイコロは目が6つあります。6つあるので目の出方は6通りです。そのうち2が出るという事象は全体の6通りの中の1つですね。
このような時確率を次にように考えるわけです。
(全ての事象のうち求めたい事象の起こる場合の数)\(\div\) (全ての事象)
つまり今起こりうるすべての事象を考えて、そのうち今確率を計算したい事象がどれくらいの割合であるのかをみているのです。それが確率です。
つまるところ
\(\frac{求める事象の場合の数}{全事象}\)
を計算すればすべてことはすみます。確率のすべてはこれなのです。
ですから例えば
を解いてみましょう。
樹形図で考えれば全ての考えられる事象は
ですね。もちろん1回目で目の出方は6通りで、それぞれに対してさらに2回目の目の出方が6通りなので
\(6\times 6=36\) 通り
と計算してもOKです。ひとまず全事象は36通りとわかりました。
ではそのうち1、2回目のどちらも偶数である事象は何通りあるでしょう。
同じように考えれば良さそうですね。1回目で偶数が出る事象は2、4、6が出る3通り。それぞれに対してまた2回目で偶数が出るのも3通り。ということは
\(3\times 3=9\) 通り
だけ場合の数があります。もちろん樹形図で見てもOKです。ちょっと大変ですが、全ての事象のうちどちらも偶数のパターンを数えればいいですね。
どちらにしてもこれで求めたい確率が
\(\frac{9}{36}=\frac{1}{4}\)
と計算できるわけです。これが基本の確率の考え方です。
確率は
全事象の場合の数 と 求めたい確率の事象の場合の数
の割合である
いったん広告の時間です。
確率の積とは
ですがこれはこんな風に考えることもできます。
1回目で偶数が出る確率をまず計算してしまいます。そうすると偶数は6つの目のうち3つなので
\(\frac{3}{6}=\frac{1}{2}\)
ですよね。2回目も同様です。では2回とも偶数が出る確率はどう計算すればいいでしょうか。
1回目で偶数が出てさらに2回目でも偶数が出るということは先ほどの事象の考え方と同じように確率も
\(\frac{1}{2}\times \frac{1}{2}=\frac{1}{4}\)
と計算できそうです。続けて投げていますものね。これは先ほどだした答えと同じになります。
つまりある事象が起きてさらにその上で別の事象が起こる時確率の出し方は2通りあります。
その起こりうる全ての事象を考え、その中の対応する事象を数えて
求めたい確率の事象の場合の数 \(\div\) 全事象
で出す。
もしくは
それぞれの事象の確率を計算して掛け算する
この2番目の考え方が確率の積です。つまり
連続してある事象が起こる時はそれぞれの事象をあらかじめ計算して後で掛け算して計算しても良い
のです。これが確率の積の考え方です。
いったん広告の時間です。
確率の和は何が違う?
確率はかけるだけでなく和を求める時もあります。積を計算する時と何が違うのでしょう。
例えばこんな問題をやってみましょうか。
多くの人はこう考えるはずです。最初に偶数でそのあと奇数が出る、もしくは最初に奇数でそのあと偶数が出るパターンがあると。
この「パターンわけ」をした際には和が使われます。
やってみますね。
まずは、最初に偶数が出てそのあと奇数が出る確率を求めてみます。全ての事象はもちろん36通りです。そのうち最初に偶数なので3通り、そのあと奇数なので奇数も3通り。結局9通りです。
ですから確率は
\(\frac{9}{36}=\frac{1}{4}\)
ですね。では次のパターンに行きます。
これも考え方は全く同じですね。式も変わりませんから最初に奇数でそのあと偶数がでるパターンの確率は
\(\frac{9}{36}=\frac{1}{4}\)
です。
それぞれのパターンはどちらも今回の問題を満たします。ちゃんと一回ずつ偶数と奇数が出ていますから。このような時確率は合わせなくてはいけません。どちらも当てはまるのだから確率は合わせるのです。
ですから最終的な答えは
\(\frac{1}{4}+\frac{1}{4}=\frac{2}{4}=\frac{1}{2}\)
と計算します。これが確率の和です。つまり
パターンわけした時はそれぞれで出した答えを足さなくてはならない
ことをおさえてください。
和を使う?積を使う?
先ほどの問題をもう一度考えます。パターンに分けたあと、全事象を考えなくても確率の積を使ってもいいですよね。
最初のパターンは偶数のあと奇数ですからそれぞれの確率は \(\frac{1}{2}\) ですので
\(\frac{1}{2}\times\frac{1}{2}=\frac{1}{4}\)
と計算できます。この時は積です。なぜならある事象のあとに続けて起こらなくてはならないからです。
また奇数の後偶数というパターンも同様にして
\(\frac{1}{2}\times\frac{1}{2}=\frac{1}{4}\)
ですね。これも同じです。そして最終的に出す時は
\(\frac{1}{4}+\frac{1}{4}=\frac{2}{4}=\frac{1}{2}\)
で和を取るわけです。パターンで分けたのでどちらも求めるべき答えですからね。
これが和と積の違いです。それぞれパターンに分けて出てきた確率は絶対に同時に起こりません。
最初に偶数が出て奇数が出るのと最初に奇数が出て偶数が出るなんて同時に起こり得ないですね。サイコロがわけわかんない形なら話は別ですが。
このように、絶対に同時に起こらない事象のことを排反事象と言います。排反事象であることが和をとれる条件です。
なんにせよまずは確率の和と積の違いをしっかりと捉えることが先決ですね。
パターンわけした後 → 和を取る
事象が起きてさらに事象が起こる → 積を取る
まとめ
確率の基本は全事象と求める事象の比で求める方法です。ですが場合によっては一回の事象の確率を求めて積を取る場合もあります。場合わけした時には和を取ります。確率はこの2つの差をしっかりと把握することが重要です。
ではまた
コメント
偶数の目が2回出る確率の掛け算
✖️1/3×1/3
○1/2×1/2
コメントありがとうございます!
ご指摘いただいた部分を訂正させていただきました。自分で探し出すのはなかなか大変なので、コメント本当に助かります。ありがとうございます!
引き続き当サイトをよろしくお願いいたします!!
da Vinch
基礎の復習のために活用させていただいておりました。
些細な誤記ですが、学習者がここで躓くと勿体無いなと思い指摘させていただきましたー!(自分が一番躓きかけたお恥ずかしながら)
大変ありがたいお言葉ありがとうございます!
少しでも復習の役に立てば幸いです!
今後もお気づきの点がありましたら遠慮なくコメントいただければと思います!
引き続き当サイトをよろしくお願いいたします!!
da Vinch
“このように、絶対に同時に起こらない事象のことを独立試行と言います。”と記述されているのですが、同時に起こらない”事象”は、排反事象のことではないでしょうか?そもそも、事象と試行とでは意味も違いますので。間違っていたらすいません!
こちら返信が遅れてしまい申し訳ありません!管理人のda Vinchです!
こちらご指摘いただいた通りです!修正させていただきました!!
このようなご指摘非常に助かります。正確な情報発信ができるよう頑張って参りますので今後とも当サイトをよろしくお願いいたします!!
da Vinch