組み合わせとは
組み合わせは順列と混同されがちですが、その内容は大きく違います。それは
並べるのか並べないのか
という違いです。どういうことかというと、例えば
5人から3人を選ぶ
のと
5人から3人を選んで並べる
ことは場合の数が明らかに違いますね。なぜなら選ぶ場合は5人の人をA,B,C,D,E さんとした時、3人を
A C D
のように選んだらこの選び方で1通りです。選べばその選んだものの中で何かを数えることはしません。
ですが並べるまでいくと話は違います。同じ選び方の中で
\(3!=3\cdot 2\cdot 1=6\) 通り
だけ並べ方が増えます。3個を並べる並べ方は3!ですものね。例えば
C D A 、 D C A などなど
のようにACDの中で並べ方まで考えると明らかにそのパターン数は増えます。
ですから「並べる」まで含めると場合の数はこの A C D のパターンだけで6通りになるわけです。
「選んで並べる」場合は順列の公式を私たちは知っていますから
\(_{5}\rm{P}_{3}=5\cdot 4\cdot 3=60\) 通り
でしたがこれを逆に考えれば「選ぶ」場合を求められそうではないですか?
「選ぶ」のみの場合は先ほど見たとおり一つ一つのパターンで場合の数が6倍多いので並べた場合の数を1/6すれば良さそうですので
\(\frac{5\cdot 4\cdot 3}{6}\) 通り
と計算できますね。つまり5人から3人を「選ぶ」場合の数は
\(\frac{60}{6}=10\) 通り
となるわけです。
いったん広告の時間です。
組み合わせの公式を考える
この考え方を使うと
\(n\) 個の中から \(r\) 個を選ぶ場合の数は
\(\frac{_{n}\rm{P}_{r}}{r!}\)
と書けそうですよね。先ほどの例だと
\(\frac{_{5}\rm{P}_{3}}{3!}=\frac{5\cdot 4\cdot 3}{3\cdot 2\cdot 1}=\frac{60}{6}=10\)
という計算になり、確かに同じになります。
これを別の記号で書いてあげようと数学者は考えたのです。そこで Combination の C を使って
\(_{n}\rm{C}_{r}=\frac{_{n}\rm{P}_{r}}{r!}\)
と定義してしまったわけですね。これだけで出されるとわけがわかりませんが、今までの話を理解できていればなぜこんな公式になるのかわかるでしょう。
この公式の意味はつまり
一旦並び替えで考えて、並び替えで増えた分で割ろう
ですね。確かに一から選ぶだけを考えるのは結構大変そうですし、順列を学んだのだから使っていくのが自然でしょう。
というわけでこれで私たちは
選ぶのみの場合の数
ですら考えることができるようになりました。もしそのような場合の数を求めたい場合は難しく考えずに公式を使えばいいのです。
使うときのコツとしては例えば5人から2人を選ぶ場合、
分数の分子は5からスタートして、選ぶ人数である2つ分だけ 5から1ずつ減らしてかける
分母は選ぶ人数である2から1ずつ減らして、1になるまでかける
ですかね。つまり
\(_{5}\rm{C}_{2}=\frac{5\cdot 4}{2\cdot 1}=\frac{20}{2}=10\) 通り
と計算できます。
注意して欲しいのは何度も言うようですが別にこれらの公式は万能ではありません。問題を一気に解いてくれる魔法の式だと思ったら大間違いです。
あくまでも手段です。
並び替えや選ぶという考え方で数えられるときに公式を使う
もしくは
そのように考えられるように見方を変えて公式を使う
というのが本当のところです。逆に一つ一つの問題をどのように考えてどこで公式に頼るのかがわかれば場合の数や確率はできます。
この記事を読んでくださった人には場合の数と確率の問題はできるといって欲しいので。
まとめ
選ぶという状況での場合の数は応用範囲がとても広く、使いどころはこれからたくさんあります。まずは公式の形を覚えて、言われた時に使えるようにしておきましょうね。
ではまた
コメント
中ほどに記載の
nCr=nCr/r!
ですが、正しくは
nCr=nPr/r!
と思います。
コメントありがとうございます!
こちら該当箇所を修正させていただきました!
ご指摘非常に助かります!!
これからも当サイトをご愛好いただけると幸いです!
よろしくお願いいたします!
da Vinch