集合の記号とは
集合の範囲にはいくつかの記号が登場します。すでに学習した範囲の話も出てきますがこの記事内でまとめてみましょう。
一つ目は集合と要素の関係です。
集合には要素があります。ある集合 \(A\) に要素 \(x\) が入っているとき、集合の範囲では
\(A \ni x\)
という記号を使って表します。もちろん
\(x\in A\)
と書いても構いませんが、記号の向きに注意してください。必ず開いている側が集合になるようにしてくださいね。
2つ目は集合と集合の関係です。集合には次のような関係が考えられます。
要するに
「ある集合の中に別の集合がすっぽり入っている」
状況です。この関係を部分集合といい、記号 \(\subset\)を使って
\(A\subset B\)
と書きます。記号の開いている方が外側の集合、つまりより大きな集合になります。
もちろん2つの集合はこのような関係になる時もありましたね。
この場合、共通範囲と和集合を考えることができます。
この赤い部分を共通範囲といい、記号で
\(A\cap B\)
と書きます。どちらの集合にも入っている部分です。
また
の部分を和集合といい
\(A\cup B\)
と書きます。これは集合 A、B のどちらかに入っている要素、また、どちらにも入っている要素のことを指します。集合を合わせるイメージなので和集合です。
もちろん全く要素を持たない集合を考えることができます。それを空集合といい記号は \(\varnothing\)を使います。
どんなときに使うかというと、例えば
\(A=\{2,6,8,9\}\)
\(B=\{1,4,10\}\)
という2つの集合を考え、この共通範囲を考えてみてください。この時、どちらの集合にも入っている要素はありませんよね。このような時
\(A\cap B=\varnothing\)
と書いて、「共通範囲には要素がありません」と表すわけです。空集合はこんな感じで使います。
ここまでの記号と意味をまとめておきますね。
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使うときの注意
結構間違えるのが記号を使う時にどの記号を使うのかということです。
ポイントは
集合と要素を混同しないこと
です。よくある間違いは
\(x\subset A\)
のように集合と要素の関係なのに この記号 を使ってしまうことやその逆も然りです。
このミスを防ぐためにはまず
今考えているものが集合なのか、その中に入っている要素なのか
をしっかりと押さえておくことです。
そもそも
考えている対象が数字をはじめとする要素なのか、
はたまたそれらが集まった集合なのか
を把握しなければ記号を使うことはできないです。
まずはそこからです。その後にそれら要素や集合に関して記号を使うことを試みてみましょう。
まとめ
記号は便利ですが、意味がわかっていないと全く使い物にならないただの置物になってしまいます。集合では特に記号が多いので気をつけて学習を進めてください。
ではまた
コメント
私は昔から数学が好きでした。特に集合という考え方は大好きでした。あれから何年も歳月が流れました。けれども集合という考え方はひじょうに役立っていると思います。だからこの記事は興味深く読ませて頂きました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます!大変嬉しいお言葉ありがとうございます!
おっしゃる通り集合の考え方はこの分野のみならずいろいろな分野に出てきます。ベン図は集合をイメージするのに欠かせないものですし集合の概念を知っていると解きやすくなる問題がたくさんです。
ぜひこの機会に僕のサイトのみならず他の素晴らしいウェブサイトをご覧になって、数学の楽しさをさらに実感していただければ幸いです。
今後とも当サイトをよろしくお願いいたします!