問題を解いてみよう
今回は問題を通して1の3乗根であるオメガ(\(\omega\) )について理解を深めましょう。
解説記事はこちら
にあるのでぜひご覧ください。
では問題です。
解説記事にも載せていますが、とにかく使っていきたいのはこの公式二つです。
$$\omega^3=1$$
$$\omega^2+\omega+1=0$$
使う場面はこれからわかりますが、1番目の式は
3乗が出てきたら1にせよ
ということを指し示しています。ですが、もちろん3乗だけではありません。6乗だって、
$$\omega^6=(\omega^3)^2$$
とできますので、
$$\omega^6=(\omega^3)^2=1^2=1$$
と計算できます。すなわち3乗の形を作ることができるならそれは「必ず」さらに簡単にできるのです。これで大きな累乗が出てきても大丈夫そうです。
2番目の式は3乗で簡単にできない場合に使う公式であると押さえましょう。この形に近いものが出てきたときには必ず疑ってください。定数倍されていても気づけるように。
とまあ簡単に解説しましたが、実践に勝る理論なしです。実際に計算してみましょう。
皆さん解き終わってから解説を見てくださいね。間違ってもOKです。今話してきたことを少しでも実践してみましょう。解説を見たときの効率が何倍にも上がります。悩むことも大事です。
では1番から行きましょう。これは累乗が大きい(18乗)なので3乗を作って簡単にします。
18乗だとラッキーです。3乗から作れますね。
$$\omega^{18}=(\omega^3)^6=1^6=1$$
できましたか?3乗が6個かけられれば18乗になりますよね。この計算に慣れることが先決です。
お次は2番。2番はやばそうです。展開した人がいたらちょっと待ってください。10乗なんてやったら日が暮れてしまいます(冗談です)。中の形をじっと見てください。何か見覚えがありますね。
そう
$$\omega^2+\omega+1=0$$
この式です。この式は \(1\) を移項すれば
$$\omega^2+\omega=-1$$
になります。この形にした公式も必ず頭に入れておきましょう。左辺の形が出てきたらすぐさま \(-1\) にしてよいのですから。
というわけで、展開せずとも計算できそうですね。
$$(\omega^2+\omega)^{10}=(-1)^{10}=1$$
ほら、意外と簡単じゃないですか?パズルみたいに思えるといいですね。
3番はどうでしょう。ちょっと嫌な感じですが、簡単にできるところはしてしまいます。
4乗は
$$\omega^4=\omega\cdot \omega^3$$
とできるので、
$$\omega^4=\omega\cdot \omega^3=\omega$$
となり、実は \(\omega\) を同じです。ですから与えられた式は
$$\omega^4+2\omega^3+2\omega^2+\omega=\omega+2+2\omega^2+\omega=2\omega^2+2\omega+2$$
まで変形出来ます。さてここからどうしましょうか。
見えた人は「あ、公式使えそう」と気づくでしょう。そうです。\(2\) でくくると
$$2\omega^2+2\omega+2=2(\omega^2+\omega+1)$$
となるのでもうおしまいです。公式から
$$2\omega^2+2\omega+2=2(\omega^2+\omega+1)=0$$
ですね。少し難しくなりましたが、公式をしっかりと頭に浮かべてその形を目指せばできるはずです。
最後は4番。これも累乗が大きいのでなるべく小さくします。3乗の性質を使いますよ。
$$(\omega)^{50}+(\omega^{30})+\omega=\omega^2\cdot (\omega^3){16}+(\omega^3)^{10}+\omega$$
よって
$$(\omega)^{50}+(\omega^{30})+\omega=\omega^2\cdot (\omega^3){16}+(\omega^3)^{10}+\omega=\omega^2+1+\omega$$
見た瞬間によかったと思えますね。公式の形です。よって
$$(\omega)^{50}+(\omega^{30})+\omega=\omega^2\cdot (\omega^3){16}+(\omega^3)^{10}+\omega=\omega^2+1+\omega=0$$
です。できましたか?
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まとめ
オメガの計算は最初にやることが決まっています。それさえ守れば必ず突破口が見えてくるはずです。公式は難しいものではないですが、別記事で書いた通り、忘れてしまった場合は自分で考えて作れるようにしておくのがベストです。性質をしっかりと確認して問題をたくさん解くことでより深い理解につながります。
ではまた。
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