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三角不等式の解き方をじっくり解説してみる(弧度法・ラジアン)

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

三角方程式を学んだら次は三角不等式です。三角不等式になると一気に難易度が上がるように思う人もいると思いますが、単位円をしっかりと考えれば必ず答えにたどり着きます。

もちろん方程式よりも複雑になることが多いですが、座標と三角関数がちゃんと結びついていれば難しくありませんので頑張ってついてきてください。

三角不等式は三角方程式から

三角不等式とは何かというと三角比が入っている不等式のことです。そのまんまですがこれが意外と厄介なんですね。

例題を解きながら意味を理解していきましょう。

 

$$\sin\theta>\frac{1}{2}$$

 

を解くことにします。これはどういうことを言っているかというと

 

この不等式を満たす角度の範囲はなんですか

 

ということです。求めるものがわからないと答えは出せませんのでまずはここを理解するところからです。例えばどんな角度を挙げられますか?

 \(\frac{\pi}{4}\) はどうでしょう? \(\frac{\pi}{4}\) の時は

 

$$\sin\frac{\pi}{4}=\frac{\sqrt{2}}{2}$$

 

ですのでこの不等式を満たしますね。ですが \(\frac{7}{6}\pi\) とかになると

 

$$\sin\frac{7}{6}\pi=-\frac{1}{2}$$

 

となりだめですね。このように角度を変えていくと三角比の値も変わっていきますが、

 

どの角度の範囲であれば不等式を満たすのか

 

と考えなくてはならないわけです。もちろんすべての角度を調べることは不可能ですので、何とかうまく範囲を調べなくてはいけません。

 

ここで登場するのが単位円の考え方です。また登場ですがもう慣れましたか?

 

どうするかというと、\(\sin\) は単位円で考えたときには \(y\) 座標でしたから、\(\sin\) で考えずに、\(y\) 座標だけを見てあげることにするのです。

要するに

 

\(y\) 座標が \(\frac{1}{2}\) よりも大きくなるところを探す

 

のです。「求める」のではなく「見つける」のです。こんな感じで。

 

 

図の点を付けたところは今回の不等式を満たす場所ですよね。なぜならその点の \(y\) 座標が \(\frac{1}{2}\) よりも大きいですから。

ではもっと言うと?この部分ではありませんか?

 

 

赤く塗ったところはすべて \(\y\) 座標が \(\frac{1}{2}\) よりも大きいことが分かるでしょうか。ということはこの部分に対応する角度はすべて今回の不等式を満たすことになりますよね。

要するに

 

\(\frac{\pi}{6}\) から \(\frac{5}{6}\pi\) まで

すなわち

 

$$\frac{\pi}{6}< \theta< \frac{5}{6}\pi$$

 

ですよね。これが不等式の答えになるわけです。なんか騙された感じがしますがやってることは全く問題ありません。

 

これはもちろん \(\cos\) で考えても同じです。\(\cos\) の場合は \(x\) 座標になるので注意してくださいね。

 

問題をやってみます。

 

$$\cos\theta<\frac{1}{2}$$

 

を解くことにします。先ほどと同じように少し値を入れて考えてみましょう。

 

例えば

 

$$\cos\frac{\pi}{4}=\frac{\sqrt{2}}{2}$$

 

ですから、 \(\frac{\pi}{4}\) はダメですね。

 

$$\cos\frac{5}{6}\pi=-\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

ですが、これはOKです。マイナスなのでちゃんと不等式を満たします。ということは \(\frac{5}{6}\pi\) は答えに入っていますね。少しイメージができましたか?

 

\(\cos\) の場合も単位円で見てみましょうか。

 

 

今回は \(\frac{1}{2}\) よりも \(x\) 座標が小さいところを選べばいいんですね。

すなわち

 

 

ここですかね。今回は結構広めです。かなり多くの角度がこの不等式を満たすのですね。角度は

 

$$\frac{\pi}{3}< \theta< \frac{5}{3}\pi$$

 

になりそうですね。意外とやることは単純ですよね。単位円の知識と三角比がマッチしていればこんなにもシンプルなのです。

 

やることをまとめますと

 

  1. 単位円に不等式に当てはまるような点を何点かうってみる
  2. ギリギリはどこかをしっかりと確認して、点ではなく「この範囲」と印をつける
  3. その「範囲」に対応する角度を調べる
  4. 答える

 

この手順で解けてしまいます。もちろんその間には三角方程式や単位円の知識が必要なので必ずそちらを取り組んでからにしてくださいね。イメージが重要です。

 

まとめ

三角関数って意外と簡単と思えたときが頑張り時です。そこでもうひと踏ん張りすればさらに高みを目指せます。三角不等式は特に皆さんがてこずるところです。おそらく原因は単位円の知識不足だと思います。単位円と三角比が結びついたとき、三角関数の見え方が変わるでしょう。

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