三角関数が含まれる方程式・不等式の置き換えシリーズ~その1~(弧度法)

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このシリーズは通常の三角関数の方程式・不等式ではなく、置き換えや公式による変形が必要な問題を扱います。

三角関数は特に公式による変形が多く、その方向性も様々なので、何をしたらいいのかわからなくなる問題に出会うことが多くなると思います。このシリーズがそんな人の処方箋になれば幸いです。

今回はシリーズ第一回目なので、まずは単純な置き換えタイプの方程式・不等式を扱いましょう。

もちろん簡単だからさらっと飛ばしてもいいわけではありません。言ってしまえば~その1~で扱う内容はこれから先に出会う変形が必要なタイプの基本になりますのでじっくり学習しましょう。

単純な置き換えタイプ~方程式~

今回の問題はこちら

 

\(0\leqq\theta< 2\pi\) の時、

 

$$2\cos^2\theta-\sin\theta-1=0$$

 

を解け。

 

今までと違うところはやはり \(\cos^2\theta\) が出てくるところですね。三角関数の2乗が出てくるともはや今までの問題とは訳が違います。三角関数=数字にできませんね。

ですので指数・対数でもあったような置き換えを行います。三角関数でのポイントは必ず

 

\(\sin\) 、\(\cos\) どちらかに揃える

 

ことです。置き換えを行いたいのに \(\sin\) と \(\cos\) が混ざっているとダメですね。ですから変形をしなくては行けない場面が多いです。基本的には

 

$$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$$

 

を使うことが多いですが、今後は今まで学習したものを積極的に使っていく場面が多くなりますので頭に入れておきましょう。

ひとまず一番最初の目標は

 

置き換えをするために \(\sin\) 、\(\cos\) どちらかに揃える

 

です。

今回は揃っていないのでまずは \(\cos^2\theta\) を変形します。 \(\sin\theta\) はどうしようもありませんからね。

 

$$\cos^2\theta=1-\sin^2\theta$$

 

より

 

$$2(1-\sin^2\theta)-\sin\theta-1=0$$

$$2-2\sin^2\theta-\sin\theta-1=0$$

 

計算して、マイナスをかければ

 

$$2\sin^2\theta+\sin\theta-1=0$$

 

と変形できます。ここまできたら置き換えです。もちろん

 

$$\sin\theta=t$$

 

と置いてあげれば

 

$$2t^2+t-1=0$$

 

ですね。ここで注意はやはり置き換えた文字の確認です。今回は角度が

 

$$0\leqq\theta< 2\pi$$

 

ですので

 

$$-1\leqq t\leqq 1$$

 

となりますね。\(\sin\) は \(0\leqq\theta < 2\pi\) で \(-1\) から \(1\) まで動きます。

 

もちろんこれが当たり前ではありませんので気をつけてください。もし角度の範囲が

 

$$0\leqq\theta< \frac{\pi}{2}$$

 

なら \(\sin\) の範囲は

 

$$0\leqq \sin\theta < 1$$

 

になりますので文字 \(t\) の範囲も変わります。

 

さて置き換えをして範囲を確認したのであとは解くだけです。2次方程式なので余裕ですね。

 

$$2t^2+t-1=(2t-1)(t+1)=0$$

 

より

 

$$t=\frac{1}{2}\ ,\ -1$$

 

です。 \(t\) の範囲に入っていないものは除きますよ。今回はありませんね。よかったです。あとは \(t\) を \(\sin\theta\) に戻してあげれば

 

$$\sin\theta=\frac{1}{2}\ ,\ \sin\theta=-1$$

 

ですのでこれなら解ける形の三角関数の方程式です。単位円を考えてあげれば、

 

$$\theta=\frac{\pi}{6}\ ,\ \frac{5}{6}\pi\ ,\ \frac{3}{2}\pi$$

 

と出てきます。置き換えまで終わればあとはやったことがある形なので安心ですね。

 

単純な置き換えタイプ~不等式~

では不等式はどうでしょう。

 

\(0\leqq \theta\leqq \frac{5}{6}\pi\) の時

 

$$2\sin^2\theta-4<5\cos\theta$$

 

を解け。

 

 

角度の範囲が少し違うので注意します。

まずは揃えるところからです。基本的に2乗などが出てきたら置き換えをしなくては解けないのでそのつもりで問題を見ると良いでしょう。

今回は

 

$$\sin^2\theta=1-\cos^2\theta$$

 

より

$$2(1-\cos^2\theta)-4<5\cos\theta$$

 

計算して

 

$$2-2\cos^2\theta-4<5\cos\theta$$

 

左に移項しましょうか。

 

$$-2\cos^2\theta-5\cos\theta-2<0$$

 

先頭にマイナスがあるのが嫌なので不等号に気を付けて

 

$$2\cos^2\theta+5\cos\theta+2>0$$

 

です。係数はあまり気にしなくて良いです。ここまでくればあとは置き換えです。 \(\cos\theta=t\) とおけば

 

$$2t^2+5t+2>0$$

 

になりますが、この \(t\) の範囲には十分に注意ですね。今回の角度の範囲は

 

$$0\leqq \theta\leqq \frac{5}{6}\pi$$

 

ですから

 

 

となります。置き換えた文字は \(\cos\) なので \(x\) 座標を見れば

 

$$-\frac{\sqrt{3}}{2}\leqq \cos\theta \leqq 1$$

 

の範囲を動けますね。気をつけなくてはならないのは三角関数では

 

角度の範囲の最大と最小がそのまま三角関数の範囲にはならない

 

ことでしょう。ここでミスをしてしまうことが多いと思いますのでしっかり単位円を書いて間違えないようにしてください。

これで \(t\) の範囲も

 

$$-\frac{\sqrt{3}}{2}\leqq t \leqq 1$$

 

とわかったところであとは解くだけですね。まずは二次不等式を解きましょう。

 

$$2t^2+5t+2>0$$

 

より

 

$$(2t+1)(t+2)>0$$

 

で、これを解くと

 

$$t<-2\ ,\ t>-\frac{1}{2}$$

 

ですね。もちろんこれは答えではないです。先ほど考えた \(t\) の範囲とこの答えのどちらも入っているところが答えです。共通範囲っていうやつですね。

よって

 

$$-\frac{1}{2}< t \leqq 1$$

 

が答えです。わかりづらければ数直線を書いてみてください。境目がわかりづらいと思いますがしっかり考えてみてくださいね。

 

ここまで来たらあとは不等式を解くだけです。といっても

 

$$-\frac{1}{2}<\cos\theta<1$$

 

を解くのですが、わかりづらければ

 

$$-\frac{1}{2}<\cos\theta\ ,\ \cos\theta<1$$

 

と2つに分けてどちらの範囲にも入っている角度の範囲を指定すればよいです。どちらにせよ

 

$$0\leqq \theta\leqq \frac{2}{3}\pi$$

 

が答えになります。不等式は少し面倒なところがありますね。特に最後の答えを出すところで不等式の問題をたくさんやってきたかが問われます。

 

見極めポイントと注意点は

  • 基本の形かどうかを確認する
  • 三角関数が揃っていない(\(\sin \,\ \cos\) が混ざっている)場合は片方に揃える
  • 置き換えた後の文字の範囲を必ず確認する

です。ぜひ意識してみてください。

まとめ

シリーズ第一回目は置き換えタイプの方程式・不等式を扱いました。この内容はこれからやるすべての基礎になりますのでじっくりと取り組んでみてください。特に不等式はこんがらがるところが多いので、ゆっくりとそのやり方を追ってみてくださいね。次の記事もぜひご覧ください。

 

ではまた

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