2倍角、半角の公式は加法定理から(弧度法)

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公式を作る意味とは

加法定理が三角関数の後半部の中心であることはそこからいろいろな公式を得られることからわかります。

今回はその代表的な例である2倍角、半角の公式をマスターしましょう。

最初に形を示します。2倍角、半角の公式は次のような公式です。

 

 

2倍角の公式

$$\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta$$

$$\cos 2\theta=\cos^2\theta -\sin^2\theta$$

 

 

半角の公式

$$\sin^2\frac{\theta}{2}=\frac{1-\cos\theta}{2}$$

$$\cos^2\frac{\theta}{2}=\frac{1+\cos\theta}{2}$$

 

 

これをいきなり覚えなさいとは言いません。まず見て欲しいのは「なにができるか」です。

左辺は全ての公式において、ある角度 \(\theta\) の2倍、1/2が書かれています。そして右辺ではある角度 \(\theta\) の \(\sin\) 、\(\cos\) が書かれていますね。

これはすなわち

 

ある角度 \(\theta\) の2倍、1/2倍の角度の三角関数は元の角度 \(\theta\) があれば計算できる

 

ということです。例えば \(\sin\frac{\pi}{3}\) を計算しようと思ったら、もちろん私たちは

 

$$\sin\frac{\pi}{3}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

と覚えているのですが、実は \(\sin\frac{\pi}{3}\) は \(\sin\frac{\pi}{6}\) と \(\cos\frac{\pi}{6}\) だけで計算できます。

なぜかというと、この2倍角の公式があるからです。

 

$$\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta$$

 

これに当てはめれば

 

$$\sin\left(2\times \frac{\pi}{6}\right)=2\times\sin\frac{\pi}{6}\cos\frac{\pi}{6}=2\times\frac{1}{2}\times\frac{\sqrt{3}}{2}=2\times \frac{\sqrt{3}}{4}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

より

 

$$\sin\frac{\pi}{3}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

となり、\(\sin\frac{\pi}{6}\) と \(\cos\frac{\pi}{6}\) だけで \(\sin\frac{\pi}{3}\) を計算できました。

 

同じようなことが半角の公式でもできます。例えば \(\cos\frac{\pi}{2}\) を計算で出そうと思えば、半角の公式

 

$$\cos^2\frac{\theta}{2}=\frac{1+\cos\theta}{2}$$

 

を利用すれば

 

$$\cos^2\frac{\pi}{2}=\frac{1+\cos\pi}{2}=\frac{1-1}{2}=0$$

 

より

 

$$\cos^2 \frac{\pi}{2}=0$$

 

なので

 

$$\cos\frac{\pi}{2}=0$$

 

と計算できますので、覚えた値と一致しますよね。

 

ですが、この使い方を見ても正直なところ使い勝手が良いように思えません。たしかに計算で出せる三角関数の値の幅は広がりますが、結局知ってる三角関数の値を出しているだけにも見えます。

 

しかし、例えばこんなのはどうでしょう。 \(\sin \frac{\pi}{12}\) を出したいときです。私たちは \(\sin\frac{\pi}{12}\) なんて覚えてませんが、半角の公式を使うことでこの値を出すことができます

なぜなら公式によると

 

$$\sin^2\frac{\frac{\pi}{6}}{2}=\frac{1-\cos\frac{\pi}{6}}{2}$$

 

とできるからです。これを計算すれば

 

$$\sin^2 \frac{\pi}{12}=\frac{1-\frac{\sqrt{3}}{2}}{2}=\frac{\frac{2-\sqrt{3}}{2}}{2}=\frac{2-\sqrt{3}}{4}$$

 

となりますね。少し面倒ですが2重根号を外す作業があります。

 

$$\frac{2-\sqrt{3}}{4}=\frac{4-2\sqrt{3}}{8}$$

 

と分母分子に2をかければできるので

 

$$\frac{(\sqrt{3}-1)^2}{8}$$

 

とできます。2重根号を外すためです。よって

 

$$\sin\frac{\pi}{12}=\frac{\sqrt{3}-1}{\sqrt{8}}=\frac{\sqrt{3}-1}{2\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}$$

 

となり、 \(\sin\frac{\pi}{!2}\) を計算で出すことができました。\(\cos\frac{\pi}{12}\) も同じようにやれば

 

$$\cos\frac{\pi}{12}=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}$$

 

と出せます。ぜひ自分でやってみてください。

さらにこれを2倍角の公式に当てはめれば \(\sin\frac{\pi}{6}\) を

 

$$\sin\frac{\pi}{6}=2\sin\frac{\pi}{12}\cos\frac{\pi}{12}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}\times\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}=\frac{\sqrt{6}^2-\sqrt{2}^2}{16}=\frac{4}{16}=\frac{1}{2}$$

 

と計算できます。つまり

 

うまく使えば私たちが覚えていない(正確に出せない)三角関数の値を計算で出せる

 

ことになります。

もちろん三角関数の問題をやっていく上で変形などに使うことがしばしばありますが、現実的な使い方は今述べたものでしょう。

というわけで2倍角や半角の公式が使えそうでありことがわかったところで覚えることにしましょう。

2倍角・半角は作れる?

さて、覚えるといっても最初は大変ですね。4つも公式がありますから。

使っていけば自然と覚えてしまうと思いますが、とっさに使わなければいけない時に思い出せなかったり間違って覚えてしまっているとかなり辛いです。せっかく使い方をわかっているのにそこで間違えると全てが水の泡ですからね。

ここでは覚えるというよりも作ることを念頭に考えていきます。実は2倍角・半角の公式は加法定理から順番に作れてしまうのです。

やってみましょう。加法定理は

 

$$\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta$$

$$\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta$$

 

でしたね。ここで、 \(\alpha\) と \(\beta\) を \(\theta\) にしてみます。同じ \(\theta\) です。すると

 

$$\sin(\theta+\theta)=\sin\theta\cos\theta+\cos\theta\sin\theta$$

$$\cos(\theta+\theta)=\cos\theta\cos\theta-\sin\theta\sin\theta$$

 

 

となります。これを計算するとそれぞれ

 

$$\sin(\theta+\theta)=\sin\theta\cos\theta+\cos\theta\sin\theta=2\sin\theta\cos\theta$$

$$\cos(\theta+\theta)=\cos\theta\cos\theta-\sin\theta\sin\theta=\cos^2\theta-\sin^2\theta$$

 

となります。もちろん左辺は

 

$$\sin(\theta+\theta)=\sin2\theta$$

 

$$\cos(\theta+\theta)=\cos2\theta$$

 

ですからこれはまさに2倍角ですよね。

というわけで

 

$$\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta$$

$$\cos 2\theta=\cos^2\theta -\sin^2\theta$$

 

が出てきました。また、実はこの \(\cos\) の2倍角の公式は \(\sin\)だけ、 \(\cos\) だけにすることができます

なぜなら

 

$$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$$

 

を私たちは知っているからです。これを使えば

 

$$\sin^2\theta=1-\cos^2\theta$$

 

$$\cos^2\theta=1-\sin^2\theta$$

 

ですので

 

$$\cos2\theta=\cos^2\theta-\sin^2\theta=1-\sin^2\theta-\sin^2\theta=1-2\sin^2\theta$$

$$\cos2\theta=\cos^2\theta-\sin^2\theta=\cos^2\theta-(1-\cos^2\theta)=\cos^2\theta-1+\cos^2\theta=2\cos^2\theta-1$$

 

とできてしまいます。これらも \(\cos\) の2倍角の公式です。公式とはいうものの、ただ変形しただけなので全く覚える必要はありません。使えば覚えてくると思いますが。

 

では新しく出てきた2つの式を \(\sin^2\theta=\) と \(\cos^2\theta=\) にしてみます。

 

$$\sin^2\theta=\frac{1-\cos2\theta}{2}$$

$$\cos^2\theta=\frac{1+\cos2\theta}{2}$$

 

移項して2で割っただけです。これ実は半角の公式と全く同じです。左辺と右辺の角度の関係がちゃんと半角になっていて式が全く同じです。

 

実は実用上は今出した半角の公式の形が優れています。まあ、見た目の問題だけなんですけど。

というわけで2倍角と半角をまとめますよ。

 

2倍角の公式

$$\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta$$

$$\cos 2\theta=\cos^2\theta -\sin^2\theta$$

$$\cos 2\theta=1-2\sin^2\theta$$

$$\cos 2\theta=2\cos^2\theta-1$$

半角の公式①

$$\sin^2\frac{\theta}{2}=\frac{1-\cos\theta}{2}$$

$$\cos^2\frac{\theta}{2}=\frac{1+\cos\theta}{2}$$

半角の公式②

$$\sin^2\theta=\frac{1-\cos2\theta}{2}$$

$$\cos^2\theta=\frac{1+\cos2\theta}{2}$$

半角の公式①と②は見た目が違うだけで全く同じ式ですので注意です。

 

 

同時に「どう作ったか」をまとめますよ

 

 

2倍角の公式

  • 加法定理の \(\alpha\) と \(\beta\) を \(\theta\) に変える
  • \(\cos\) の2倍角は \(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) を使えば \(\sin\) のみ、\(\cos\) のみにできる

半角の公式

  • \(\cos\) の2倍角を \(\sin^2\theta=\) 、\(\cos^2\theta=\) の形にする

 

今回はこれで終わりです。三角関数もあと少しです。

まとめ

2倍角と半角は応用上ものすごく重要ですがその作り方がまずは重要です。なぜ2倍角や半角が使い所が多いのか、どのような使い道があるかはこれからさらにわかるでしょう。

三角関数も大詰めです。頑張りましょう。

ではまた

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