剰余の定理と因数定理を徹底的に解説

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あまりを簡単に出すには

私たちはもう整式の割り算を行うことができます。ですが正直なところあの筆算をやるのは面倒です。必要なところだけ求める方法はないのでしょうか。

例えば「あまり」を簡単に出せたら嬉しくないですか?いや嬉しいはずです。

というわけで実際に整式の割り算をせずともあまりを出す方法を説明します。それが剰余の定理です。

整式の割り算を少し思い出しましょう。整式の割られる数を \(P(x)\) 割る数を \(S(x)\) 商を\(Q(x)\)  あまりを \(R(x)\) とすると

 

$$P(x)=Q(x)\cdot S(x)+R(x)$$

 

が成り立つのでした。不安な人は普通の割り算を思い出せば大丈夫なはずです。

 

この時割る数がこんな形だったらどうでしょう。

 

$$P(x)=Q(x)\cdot (x-a)+R(x)$$

 

ただ割る数が変わっただけですが、面白いことが起きます。これに \(a\) を代入してみましょう。

 

$$P(a)=Q(x)(a-a)+R(a)=0+R(a)=R(a)$$

 

そうするとなんと右辺にはあまりしか残らないではありませんか。

この式からわかることは

 

あまりを出したければ割る数に注目すれば良い

 

ということです。その割る数がもし \(x-a\) である場合、元の整式に \(x=a\) を代入することで商の部分が消え、あまりだけが出てくるのです。これを剰余の定理と言います。

正直なところ覚えて欲しいことは

 

$$P(x)=Q(x)\cdot (x-a)+R(x)$$

 

の形です。これさえ知っていれば何を代入すればあまりが出てきそうかということが見えてきます。

例えば

 

\(x^3-4x^2-3x+6\) を \(x-5\) で割ったときのあまりを求めよ

 

のような問題の場合、まずは商とあまりを置いておいて式としては

 

$$x^3-4x^2-3x+6=Q(x)\cdot (x-5)+R(x)$$

 

が出てきます。ですから何を代入すればあまりが出てくるかを考えると

 

$$Q(x)\cdot (x-5)$$

 

0になればいいですよね。よって式全体に \(x=5\) を代入すれば

 

$$5^3-4\cdot 5^2-3\cdot 5+6=0+R(5)$$

 

$$125-100-15+6=R(5)$$

 

となり、あまりは

 

$$R(5)=16$$

 

と計算できるわけです。こんな風に商とあまりを一旦置いてあげることはこれから先も重要なテクニックですので覚えておくと良いでしょう。

 

ちなみに、\(R(5)\) と書いていますが、これはあまり意味のない表記です。なぜなら \(x-5\) で割った時点で余りは数字になるはずですから。一般的に \(x\) の式になりますが、1次式で割った場合は \(R(x)\) と置かずに、好きな文字で置いてOKです。

因数定理は剰余の定理の特別バージョン

さて、割る数を見れば整式を割った時の余りが簡単に求められることがわかりましたが、もしこのあまりが0だったらどうでしょう。

例えば整式 \(P(x)\) を \(x-a\) で割ったあまりが \(0\) すなわち

 

$$P(x)=Q(x)(x-a)$$

 

が成り立っているとしましょう。あまりがないということはある意味で右辺は左辺の因数分解の形になっているのがわかるでしょうか。

 

 

これは驚くべきことです。なぜなら逆に考えれば

 

あまりが0になるaを見つける=その整式は(x-a)で因数分解できる

 

ことがわかるからです。次数の高い整式を因数分解することは難しいことが多いですが、この性質によって何を因数にもつかをある程度簡単に調べることができるのです。

この

 

あまりが0になるaを見つける=その整式は(x-a)で因数分解できる

 

という整式の性質のことを因数定理と言います。因数定理と聞いて難しく思うかもしれませんがなんてことはありません。剰余の定理のあまりが0のバージョンのことですから。

ただし使いどころは多いです。ほとんどは整式の因数分解に使うでしょう。

例えば

 

\(x^3-x^2-17x-15\) を因数分解せよ

 

という問題は因数定理を知っているとある程度簡単にできます。何をするかというと、あまりが0になるaを探す、すなわち \(P(x)=x^3-x^2-17x-15\) と置いたとき

 

$$P(a)=0$$

 

となる \(a\) を見つけるのです。そうすれば先程の因数定理によって必ずこの整式は

 

$$x^3-x^2-17x-15=Q(x)(x-a)$$

 

の形にできます。これはまさに因数分解ですよね。

物は試し。やってみましょう。

整式を見て \(x\) になにを入れれば計算結果が \(0\) になるかを考えます。おおよそ \(1\) 、\(-1\) ぐらいから始めると良いでしょう。今回は

 

$$P(-1)=(-1)^3-(-1)^2-17(-1)-15=-1-1+17-15=0$$

 

となるのでx=-1が当てはまります。これでこの整式は因数定理から

 

$$x^3-x^2-17x-15=Q(x)(x+1)$$

 

の形にできることがわかりました。ここからわかることは

 

\((x+1)\) で割り算をすれば必ずあまりが0になる=因数分解ができる

 

なります。

あとは割り算をするだけです。やってみると

 

 

でちゃんとあまりが0になりましたね。よって

 

$$x^3-x^2-17x-15=(x^2-2x-15)(x+1)$$

 

です。これで終わりかと思いきや、多くの問題はこの後にまだ因数分解できる形が残っています。ですのでまだ因数分解できないかを確認します。

今回はまだできそうですね。2次式のところがまだできそうです。

 

$$x^3-x^2-17x-15=(x^2-2x-15)(x+1)=(x-5)(x+3)(x+1)$$

 

これで因数分解ができました。因数定理は次数の高い整式の因数分解に欠かせない存在です。

まとめ

今回は剰余の定理とその特別な場合の因数定理を学習しました。まずは剰余の定理をおさえ、整式の割り算によって出てくる式たちを使って整式を表せるように。それができればあとはなぜ因数分解に使えそうか、どのようなときに因数分解とできるのかをしっかりと理解して使うようにしましょう。

この記事に内容を人に説明できればOKでしょう。

ではまた。

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