1の3乗根(オメガ ω)をなるべくわかりやすく解説してみる

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1の3乗根とは

私たちは多くの方程式を解けるようになりました。因数定理を知ったことによって私たちは2次方程式はもちろんのこと3次方程式、さらには4次、5次方程式など高次の方程式の解ける可能性を手に入れました。

ここでは何に注目するかというと

 

$$x^3=1$$

 

です。単純な3次方程式ですね。4次方程式や難しい3次方程式に比べたらなんてことはありません。

ですがここから出てくる答えは面白い性質を持っていることが分かっています。ですので高校数学ではこの方程式の解について少し掘り下げていきます

とは言ってもその性質はちゃんと考えれば当たり前なものばかりです。また、これから出てくる性質を使えば問題は簡単に解けますので心配はありません。

ではやってみます。まずは単純に

 

$$x^3=1$$

 

を解いてみます。これは解のひとつが \(1\) であることは当たり前にわかるので因数定理から、必ず因数分解できるはずです。ですので

 

$$x^3-1=0$$

 

を因数分解することを考えます。

 

もし知っているなら組立除法を使っても構いません。ここでは割り算を使ってやります。

 

 

これより方程式は

 

$$(x-1)(x^2+x+1)$$

 

と因数分解できました。ここから先ほど考えた

 

$$x=1$$

 

という解は当たり前に出てきますがほかの2つはどんな形なんでしょうか。

これはもちろん

 

$$x^2+x+1=0$$

 

をとけば出てきます。因数分解した意味はここにあります。そしてこの式は後で出てくるので覚えておいてください

とりあえず解を求めてみましょう。2次方程式なので解の公式で一発です。

 

$$x=\frac{-1\pm \sqrt{1-4\cdot 1 \cdot 1}}{2}=\frac{-1\pm \sqrt{3}\mathrm{i}}{2}$$

 

これは虚数解ですね。3乗して1になる数字のうち、1以外の解は上にある2なのです。まあ思いつきませんよね(笑)。

 

さて、解は求まったしこれで終わりと言いたいところですが実はこの2つの虚数解は面白い性質があります

 

その一つが、一方を2乗するともう一方になるのです。本当か怪しいので計算してみます。

 

$$\left(\frac{-1+\sqrt{3}\mathrm{i}}{2}\right)^2=\frac{1-2\sqrt{3}\mathrm{i}-3}{4}=\frac{-2-2\sqrt{3}\mathrm{i}}{4}=\frac{-1-\sqrt{3}\mathrm{i}}{2}$$

 

逆に

 

$$\left(\frac{-1-\sqrt{3}\mathrm{i}}{2}\right)^2=\frac{1+2\sqrt{3}\mathrm{i}-3}{4}=\frac{-2+2\sqrt{3}\mathrm{i}}{4}=\frac{-1+\sqrt{3}\mathrm{i}}{2}$$

 

ですのでたしかにそうなっています。ということは片方あれば十分です。なぜならどちらかを知っていればもう片方は2乗すれば出てくるのですから。

 

このような事情から虚数解の一つを \(\omega\) とおくともう片方は \(\gamma\) なんて置かなくてもよく、 \({\omega}^2\) として問題ないわけです。

よってこれから私たちは

 

$$x^3-1=0$$

 

の解は

 

$$x=1,\ ,\omega\ ,\ {\omega}^2$$

 

3つであるということにします。もちろんオメガはわかっていないわけではなく、書くのが面倒だし片方でもう片方を表せるから置いているだけです。しっかりと事情を把握しましょう。いざとなればオメガはこうだと言えるように。

 

さて、このオメガには次のような性質があります。

 

$$\omega^3=1$$

 

当たり前ですよね。だってオメガはもともと

 

$$x^3-1=0$$

 

の解ですから。こんな当たり前なことが公式になっているのです。覚える必要ないですね。

もう一つ。オメガはこんな等式も満たします。

 

$$\omega^2+\omega+1=0$$

 

これも当たり前です。だってオメガは

 

$$x^2+x+1=0$$

 

を解いた時に出てきた解なのですから。

 

もちろん \(\omega^2\) もこの式の解ですから、

 

$$(\omega^2)^2+(\omega^2)+1=0$$

 

$$\omega^4+\omega^2+1=0$$

 

これらも公式になっています。公式なんて名前負けだと思いませんか。

 

もちろん管理人は今の教科書や参考書が良くないとは思っていません。教科書には一応ちゃんと書いていますし。ですが多くの人はしっかりと見ずに今出てきた性質を公式だと疑いません。そのように誘導してしまうのは良くないと思うわけです。

 

少し話が脱線しましたが、今のように順を追っていけば全然難しいことはありませんので公式丸暗記はぜひここで終わりにしてください。

 

オメガが含まれる式を簡単にする方法

さて、オメガの性質を知ったところで、これらがどのように問題になりかを考えていきます。

まずはおさらい。オメガには今までの考察からこんな性質を持っています。

 

$$x^3-1=0$$

の解は

$$x=1,\ ,\omega\ ,\ {\omega}^2$$

であり、\(\omega\) は

$$\omega^3=1$$

$$\omega^2+\omega+1=0$$

$$(\omega^4+\omega^2+1=0)$$

を満たす。

 

 

これが意味するところは

 

  • \(\omega^3\) が出てきたら \(1\) にしてよい
  • \(\omega^2+\omega+1\) が出てきたら \(0\) にして良い

 

ということです。性質はどのように変形しても構いません。ですから2番目の性質は

 

$$\omega^2+\omega=-1$$

 

と変えることによって

 

 \(\omega^2+\omega\) は \(-1\) である

 

と考えることもできます。練習は別記事にいれていますが抑えて欲しいことは

 

\(\omega^3\) と \(\omega^2+\omega\) を作る

 

ということです。なぜならそれを作れば

 

$$\omega^3=1$$

$$\omega^2+\omega=-1$$

 

が成り立ち、どんどん式を簡単にできるからですね。今回はここまでです。

 

まとめ

高校数学で突如出てくる \(\omega\) は何も驚くべきことを学んでいるわけではありません。当たり前なことをかっこよくいうのが数学です。そこに惑わされずしっかりと中身を見てみましょう。なぜこの2つの式

 

$$\omega^3=1$$

$$\omega^2+\omega=-1$$

 

成り立つのかをしっかり理解することが大事です。

ではまた

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