三角関数を一つにする?三角関数の合成のやり方(公式編)

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三角関数を一つにする?三角関数の合成のやり方(基本編)
合成はなぜ必要か 三角関数には2倍角や半角の公式の他に使い勝手の良いもう一つの公式があります。 公式というと覚える感が出て嫌なのですが、それは 三角関数の合成 です。 ぱっと見知らない人は何をするのかよくわからないと思いま...

 

を見てから読むことをお勧めします。公式だけを知っているのは勿体無いのでぜひ寄り道してください

三角関数の合成を楽にするやり方

三角関数の合成はしっかりやろうと思うと大変です。

加法定理をいちいち考えてあげなくてはいけませんし、角度を選ばなくては合成がうまくできませんからね。

ですので楽な方法を知りたいところです。。。はい、もちろんありますよ。数学者はすごいですね。

ここではそのやり方を順を追って説明します。なぜこれでできるのかは別記事で見ることになるでしょう。

 

最初に断っておきますが、三角関数の合成は \(\sin\) と \(\cos\) の和や差であれば係数がなんであっても原理上はできます

具体的な角度を指定できるかはその和や差の形によります。それは実際にやってみるとわかるはずです。

 

ひとまずやり方を説明しましょう。

例題として次の式を合成してみます。

 

$$\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta$$

 

まず最初に

 

係数を2乗して足してルートをとる

 

ことをします。イメージ的にはベクトルの大きさや座標上での長さを求める時と同じことなのですが、今は詳しくは立ち入らないことにしましょう。

今回の例題で具体的にやると

 

$$\sqrt{1^2+(\sqrt{3})^2}=\sqrt{1+3}=\sqrt{4}=2$$

 

です。大丈夫ですね。

次に

 

この求めた値で無理やり元の式を括り

 

ます。つまり

 

$$\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\left(\sin\theta \cdot\frac{1}{2}+\cos\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\right)$$

 

ということです。展開したら元に戻ることが確認できますね。無理やり括ることは数学の常套手段の一つです(笑)。

かっこの中はわざと \(\sin\theta\) と \(\cos\theta\) を前に出しています。その理由は次でわかるはずです。

 

さて、ここまできたら少し考えます。 \(\sin\) の加法定理を思い出すと

 

$$\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta$$

 

でしたね。ここで私たちが求めた式と見比べてみましょう。

 

$$\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\left(\sin\theta \cdot\frac{1}{2}+\cos\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\right)$$

 

$$\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta$$

 

右辺の部分を見比べます。\(\sin\alpha\) と \(\sin\theta\) 、\(\cos\alpha\) と \(\cos\theta\) は \(\alpha=\theta\) にすればおなじなので、もし

 

$$\frac{1}{2}=\cos\beta$$

$$\frac{\sqrt{3}}{2}=\sin\beta$$

 

になるような角度 \(\beta\) を求められたら私たちの変形した式は加法定理と同じ形になりますよね。もちろん「同じ角度で」です。

さて、角度わかりましたでしょうか。わかりましたね。そうです。 \(60^{\circ}\) です。

そうすると私たちの変形した式は

 

$$\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\left(\sin\theta \cdot\frac{1}{2}+\cos\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\right)=2(\sin\theta\cos60^{\circ}+\cos\theta\sin60^{\circ})$$

 

としても問題ないはずです。これを見るとまさにかっこの中は加法定理そのものですので

 

$$\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2(\sin\theta\cos60^{\circ}+\cos\theta\sin60^{\circ})=2\sin(\theta+60^{\circ})$$

 

とできます。つまり

 

$$\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\sin(\theta+60^{\circ})$$

 

と変形できたことになります。これはまさに三角関数の合成です。

 

途中で少し考える場面がありましたが、かなり楽ですよね。やることさえ押さえてしまえばある程度簡単に合成できてしまうはずです。

こんなのも

 

$$\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta$$

 

マイナスですが気にせずに、係数から

 

$$\sqrt{(\sqrt{3})^2+(-1)^2}=\sqrt{4}=2$$

 

を計算してこれで無理やり括ります。

 

$$\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta=2\left(\sin\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}+\cos\theta\cdot\left(-\frac{1}{2}\right)\right)$$

 

ポイントはマイナスがあるときは上のように掛け算に入れてしまうことです。そうしないと \(\sin\) の加法定理と比べるときに大変ですからね。

そして、

 

$$\frac{\sqrt{3}}{2}=\cos\beta$$

$$-\frac{1}{2}=\sin\beta$$

 

を満たす角度 \(\beta\) を考えれば

 

$$\beta=-30^{\circ}\ or\ 330^{\circ}$$

 

ですから(角度の絶対値が小さいほうがよく選ばれます。状況によりますが。今回は\(-30^{\circ}\) を採用します)

 

$$\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta=2\left(\sin\theta\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}+\cos\theta\cdot\left(-\frac{1}{2}\right)\right)=2(\sin\theta\cos(-30^{\circ})+\cos\theta\sin(-30^{\circ}))$$

 

とできます。これはまさに加法定理の形ですので、逆に使えば

 

$$\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta=2\sin(\theta-30^{\circ})$$

 

ですね。これで合成完了です。三角比の値さえしっかりと覚えていれば合成が機械的にできます。

意外と大事な「無理やり」合成

ここで一つ注意です。冒頭にお話しした

 

原理上は合成が必ずできる

 

の意味について説明します。このやり方を見て勘付いた人がいるかもしれませんが、合成をやるうえで必ず角度が見つかる保証はないです。私たちが知っている三角比の値なんてたかが知れていますもんね。

 

ですから綺麗に角度がわかる場合の方が珍しいです。

 

例えば

 

$$2\sin\theta+\sqrt{2}\cos\theta$$

 

なんていうのは

 

$$\sqrt{4+2}=\sqrt{6}$$

 

より

 

$$\sqrt{6}\left(\sin\theta\cdot\frac{2}{\sqrt{6}}+\cos\theta\cdot\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{6}}\right)$$

 

まではたどり着きますが、

 

$$\frac{2}{\sqrt{6}}=\cos\beta$$

$$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{6}}=\sin\beta$$

 

になるような角度は私たちは知りません。ですのでこれ以上変形はできないのですが、問題を考えるときに無理やり

 

$$\frac{2}{\sqrt{6}}=\cos\beta$$

 

$$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{6}}=\sin\beta$$

 

です!として、そんな角度が確かに存在するはずだ!と宣言してしまう場合があります。こうすると

 

$$\sqrt{6}\left(\sin\theta\cdot\frac{2}{\sqrt{6}}+\cos\theta\cdot\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{6}}\right)=\sqrt{6}(\sin\theta\cos\beta+\cos\theta\sin\beta)$$

 

より

 

 

$$2\sin\theta+\sqrt{2}\cos\theta=\sqrt{6}\sin(\theta+\beta)$$

 

ただし、角度 \(\beta\) は

$$\frac{2}{\sqrt{6}}=\cos\beta$$

$$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{6}}=\sin\beta$$

を満たす

 

として、無理やり合成することができるのです。

こんなのいいの?と思うかも知れませんが、確かにそのような角度は私たちが知らないだけで実際に「ある」ので問題を考える上では大丈夫ですし、かなり便利なことが多いです。

というわけで「原理的には必ず合成ができる」の意味はこういうことだったんですね。実はこの方法は応用問題で頻出の大事な内容ですし、どうやって作ったかがかなり重要なので自分で作れるようにしておくと良いです。

まとめ

今回は三角関数の合成の機械的な方法について学びました。長くなりましたが、できる方とできない方どちらも重要ですので何度も読み返して、自分で手を動かしてみてください。見ただけではなかなか身につかないので、この記事に書いてある問題を自力でやってみたり、問題集などを使ってもっと練習するとよいですよ。

ではまた

コメント

  1. […] 三角関数を一つにする?三角関数の合成のやり方(公式編)この記事は前記事 を見てから読むことをお勧めします。公式だけを知っているのは勿体無いのでぜひ寄り道してください。 […]

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