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ド・モルガンの法則 ベン図を用いて理解を深める

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

ド・モルガンの法則とは

集合に関する定理の中でも重要な公式がド・モルガンの公式です。

2つの集合 AB を考えた時、その2つの集合には次の関係が成り立ちます。

 

 

Focus

ド・モルガンの法則

 

\(\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}\)

 

\(\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}\)

 

 

 

記号は大丈夫ですね。\(「\cap」\ ,\ 「\cup」\)は「かつ」、「または」の記号です。

集合の上についている横棒も大丈夫ですね。例えば \(\overline{A}\) は「集合 に入らない数字の集合」という意味で補集合を表すのでした。

この公式が言っているのは

 

「かつ」を「または」に

 

もしくは

 

「または」を「かつ」に

 

することができると言っています。そのようなイメージを持つとこの先使い勝手が非常に良くなるでしょう。

公式といってもやはり鵜呑みにして使うのは怖いので、本当に成り立つのかどうか実際の集合で考えてみましょう。

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ド・モルガンの法則は本当に成り立つのか

1 から 10までの整数の全体集合を考え、2の倍数の集合を A3の倍数の集合を Bとします。

つまり

 

\(A=\{2\ ,\ 4\ ,\ 6\ ,\ 8\ ,\ 10\}\)

\(B=\{3\ ,\ 6\ ,\ 9\}\)

 

です。この時集合 A、B の補集合はそれぞれ

 

\(\overline{A}=\{1\ ,\ 3\ ,\ 5\ ,\ 7\ ,\ 9\}\)

\(\overline{B}=\{1\ ,\ 2\ ,\ 4\ ,\ 5\ ,\ 7\ ,\ 8\ ,\ 10\}\)

 

ですね。では早速、ド・モルガンの法則に出てくる集合の関係を考えてみます。

 

まずは1つ目の式から。\(\overline{A\cap B}\)\(\overline{A}\cup \overline{B}\) をそれぞれ求めてみます。

もちろん \(A\cap B\) は

 

\(A\cap B=\{6\}\)

 

ですからその補集合 \(\overline{A\cap B}\) 

 

\(\overline{A\cap B}=\{1\ ,\ 2\ ,\ 3\ ,\ 4\ ,\ 5\ ,\ 7\ ,\ 8\ ,\ 9\ ,\ 10\}\)

 

ですね。要するに 6 以外です。また \(\overline{A}\cup \overline{B}\) は先ほど求めておいたそれぞれの補集合を見れば

 

\(\overline{A}\cup \overline{B}=\{1\ ,\ 2\ ,\ 3\ ,\ 4\ ,\ 5\ ,\ 7\ ,\ 8\ ,\ 9\ ,\ 10\}\)

 

ですからたしかに

 

\(\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}\)

 

ですね。なるほど、ド・モルガンの法則はあっていそうです。

 

もう一つも確認します。\(\overline{A\cup B}\) 

 

\(A\cup B=\{2\ ,\ 3\ ,\ 4\ ,\ 6\ ,\ 8\ ,\ 9\ ,\ 10\}\)

 

から

 

\(\overline{A\cup B}=\{1\ ,\ 5\ ,\ 7\}\)

 

です。また、\(\overline{A}\cap \overline{B}\) は最初にやったものと同様に

 

\(\overline{A}\cap \overline{B}=\{1\ ,\ 5\ ,\ 7\}\)

 

ですからたしかにこれも

 

\(\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}\)

 

になっています。ド・モルガンの法則は正しそうですね。

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ベン図でドモルガンの法則を理解する

ドモルガンの法則が2つの集合に対して成り立ちそうなことはわかりましたが、一つ確認しただけではもちろん数学的に証明したことにはなりません

そこで必ず2つの集合に対してド・モルガンの法則が成り立つことをベン図を使って考えてみましょう。

 

もうわかっている人も多いと思いますが、記号とベン図をもう一度対応させておきます。例えば \(\overline{A}\) は

 

 

の表す部分です。また \(A\cup B\) は

 

 

ここですね。\(A\cap B\) は

 

 

この部分です。大丈夫ですね。

 

ではこの流れでド・モルガンの法則に出てくる式をベン図に表してみます。まず

 

\(\overline{A\cap B}\)

 

 

が示すのは

 

\(\overline{A\cap B}\)

 

ですよね。これは大丈夫なはず。では

 

\(\overline{A}\cup\overline{B}\)

 

はどうでしょうか。少し考えずらいですが、A以外とB以外を合わせたところと考えるとよいです。つまり

 

\(\overline{A}\)

 

\(\overline{B}\)

 

の二つの部分を合わせると「中心だけどちらにも入ってこない」ので

 

\(\overline{A} \cup \overline{B}\)

 

ですね。ベン図を見ると確かに同じ図になりました。つまりド・モルガンの法則はベン図で視覚的に見ても正しいことがわかります。

同じようにもう一つもやってみると、

 

\(\overline{A\cup B}\)

 

はもちろん

 

\(\overline{A\cup B}\)

 

です。

 

\(\overline{A}\cap\overline{B}\)

 

は先ほど考えたのと同じように今度は、「どちらにも入ってる部分」を見てあげればいいのでやはり、

 

\(\overline{A} \cap \overline{B}\)

 

となるのでやはり2番目の式もしっかりと成り立っていることがわかりますね。

ベン図を使うとドモルガンの法則を視覚化できるので、法則と合わせてイメージを膨らませましょう。

まとめ

ドモルガンの法則は記号がたくさん出てきて覚えずらいですが、ベン図と組み合わせればかなりスッキリしたのではないでしょうか。へんな公式に思えるかもしれませんが集合に関する重要な公式なのでしっかりとマスターしましょう。

ではまた

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