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色々な関数の微分 (べき関数編)

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数学Ⅲの微分に足を踏み入れる

数学Ⅲの中でかなりの部分を占める微分と積分。結構な量なのでいざやろうとしてもなかなか踏み切れないのではないでしょうか。

でも実はあの膨大な量の多くは

 

いろいろな関数の微分の説明

 

に使われています。数学Ⅲの微分積分のテーマは

 

今まで習った関数の全てを微分(積分)できるようにする

 

ことです。つまり「新しいことがほとんど」というわけではないということですね。

もちろん新しいことも出てきます。ですが応用問題の多くは数学Ⅱでやったものの色々な関数バージョンです。つまり今から数学Ⅲをやるならまず数学Ⅱを復習すべきということですね。

全く新しいことをやるわけではありません。むしろ

 

「もっと微分(積分)してみよう」

 

という程度にまずは見てもらえればと思います。

少し気持ちが楽になったとは思いますが、もちろん「簡単」といってるわけではありません。数学Ⅲですからより数学らしくなってきますし大学の理学につながる重要な内容でもあります。

その一歩を踏み出していただくために少しずつ進んでいきますのでゆっくりとついてきてください。必ず理解できますし、問題も解けるようになります。

では内容に入っていきましょう。

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微分の定義を再確認 そもそも微分とは

先程色々な関数を微分するという話をしましたが、そもそも微分とはなんだったかここでもう一度確認しておきましょう。

微分とは

 

グラフのある点での接線の傾きを求めること

 

これにつきます。どんな曲線でもこれはずっと同じです。この先計算がたくさん出てきますが忘れてはいけないのは微分して何ができるかです。微分自体ができればすごいわけではありません。

またその接線を求めるということはこういう式で表せるのでした。

 

\(\displaystyle\lim_{h\to\infty}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\)

 

これが微分の定義ですね。イメージは関数上の適当な2点を取って結んだ直線の傾きを考え

 

 

点をもう片方の点に近づける

 

 

です。「片方に近づける = \(h\) を \(0\) に近づける」ですから極限をとります。これが微分の定義ですね。

 

そしてこれで得られた関数を「導関数」というのでした。導関数を求めることができればあらゆるグラフ上の点での接線の傾きをこの導関数に \(x\) を代入するだけで求めることができました。図解すると

 

導関数 → グラフ上の点の \(x\) 座標を代入 → その点での接線の傾き

こうでしたね。

これから、全ての関数の微分においてこれをやっていると思ってください。最初はこの定義から色々な関数を微分しますからしっかりと思い出しておいてくださいね。

では実際にいろんな関数を微分してみましょう。今回は数学Ⅱで行ったべき関数の微分の復習です。

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べき関数の微分

べき関数と聞いてびっくりした人も多いでしょう。そんなのやったっけ・・・と。

大丈夫。絶対やってます。数学Ⅱでやった微分がそれですから。

例えば

 

\(f(x)= 2\)

 

は微分すると

 

\(f'(x)=0\)

 

ですね。これは定数の微分ですが無理やり言うと、0次関数の微分であるとも言えます。つまり

 

0次関数の微分は である

 

と言えるのです。では一次関数の微分はどうでしたか。

 

\(f(x)=x\)

 

を微分すると?ということですね。これももちろん簡単で

 

\(f'(x)=1\)

 

でした。一次関数は微分すると です。

では2次関数は?ここからはこんなふうに覚えましたよね

 

\(f(x)=x^2\)

 

の時

 

\(f'(x)=2x\)

 

であったように、

 

肩に乗っている数字を前に落として、肩の数字は1少なくする

 

こんなイメージでしょうか。

要するに

 

\(f(x)=x^{n}\)

 

の時

 

\(f'(x)=nx^{n-1}\)

 

ですね。そうだったなと思えた人はOK。もし厳しいなら数学Ⅱの記事を参照してください。復習すればなんてことはありません。焦らず。

 

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ここで言いたいことはこの公式は 0, 1, 2, 3 ・・・次関数全てに成り立つことです。先ほど出ていた01次式も同じことができます。

 

\(f(x)=1=x^{0}\)

 

\(f(x)=x=x^{1}\)

 

こんなふうに考えればたしかに公式が成り立っていることがわかります。0乗したらどんな数字でも 1 でしたよね。

まずはここまでで不明なことがないか確認してください。いったん証明は置いておいて、皆さんが微分ができるかどうかで判断してくださいね。ここまでは復習です。

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べき関数の微分はなんでもOK

そしてさらに抑えたいのは

 

指数がなんであってもこれが成り立つ

 

ということです。先ほどは 0, 1, 2, 3 ・・・次関数全てと言っていましたが、それすらも越えることができます。

要するに

 

\(f(x)=\frac{1}{x}\)

 

なども我々はなにも考えずに微分ができます。どういうことかというと指数法則から

 

\(f(x)=x^{-1}\)

 

と考えてこれを先ほどの公式に当てはめて微分するだけです。つまり

 

\(f'(x)=(-1)x^{(-1-1)}=-x^{-2}=-\frac{1}{x^2}\)

 

これでOKなのです。教科書にはごちゃごちゃといろんなことが書いてありますがひとまずはこの公式が重要です。これさえあればべき関数の微分はなんでもできます。

例えば

 

\(f(x)=\sqrt{x}\)

 

 

\(f(x)=x^{\frac{1}{2}}\)

 

と考えて微分すると

 

\(f'(x)=\frac{1}{2}x^{(\frac{1}{2}-1)}=\frac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}=\frac{1}{2}\frac{1}{\sqrt{x}}\)

 

です。簡単ですよね。

つまり私たちは べき関数の微分であれば

 

全て指数表記にして、公式に当てはめれば微分できる

 

であるのです。この事実が非常に重要です。ひとまずこれさえ抑えておけばn次式の微分は必ずできます。

詳しい証明などは別でまとめておきます。もちろん証明も重要なので是非みて欲しいのですが、冒頭にも言った通り

 

「微分はあくまで手段」なので、その「微分したものがなにを意味するか」が重要

 

です。証明はその公式を何も考えず使って良いことの「保証」であり、それはとうの昔に頭のいい数学者が完全な証明をしたわけです。ですから私たちはそれを認めて、まずは鵜呑みにしても良いでしょう。

 

少し補足。

正確にいうと \(\frac{1}{x}\) や \(\sqrt{x}\) は \(-1\)次関数とか \(\frac{1}{2}\) 次関数 とは言いません。ですから、全部合わせて関数としては「べき関数」と呼ぶのが楽です。この記事内で「〜次関数」と「べき関数」という2つの言葉が現れたのはそのためですので気をつけてください。2つの言葉に差はありません。表しているのはどちらも同じことですが、より広く使えるのは「べき関数」でしょう。

 

というわけで、ここで抑えて欲しいことはたった一つ。

 

 

Focus

べき関数の微分であれば、全て指数表記にして、公式

 

\(f(x)=x^{n}\)

 

の時

 

\(f'(x)=nx^{n-1}\)

 

に当てはめれば微分できる。

 

 

です。

まとめ

ここではまずべき関数の微分について全てが一つの公式で計算できることを抑えてください。この先これら以外の微分を学ぶ上で、べき関数の微分を簡単にできることは学習のスピードを向上させる上で非常に重要です。まずは「微分ができる」状態にしましょう。

ではまた。

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