を無限まで大きく or 小さくしたら?
関数の極限では変数を『ある値』に向かわせるという極限を考えていましたが、もちろんものすごく大きくしたり、ものすごく小さくしたりしても良いです。それが
のような形で表される無限大に飛ばす極限の意味です。
ただ、これはこれまで散々やってきました。
いったいどこで?と思う人もいるでしょう。実は数列の極限でたくさん見てきたのです。
数列の極限では常に
関数の極限でもほとんど同じですが、一つ注意は
もあるということです。変数は
そこに注意しながら極限値を考えていきましょう。
グラフで極限を見る
さて僕たちはこれまで多くの極限計算を行なってきました。
その中で重要だったのはグラフとの関わりです。
グラフを見れば極限値はすぐわかるので、基本的な関数の極限はグラフで考えるのが得策です。
例えばこんな極限はどうなるでしょうか。
これは数列の極限でもやったのですぐに
と出せますよね。
ではこれをグラフで考えるとどうなるでしょう?
のグラフを考えればよさそうですが、このグラフは
になりますね。少し変な形のグラフで、俗に言う双曲線というやつです。
これを見れば明らかな通り、
ですね。さらに
も簡単にわかります。グラフを見ればマイナスの無限大に飛ばしてもどんどん
とできるのです。このように特に無限大に飛ばす作業はグラフを使えば簡単にわかるのです。
この2つの極限
は全ての基本になります。数列の時と同じで、この2つの形を作れば不定形が避けられる形がたくさん登場しますので最後に練習することにしましょう。
いろんな関数で無限大に飛ばしてみる
では他にはどんな重要な極限計算があるのでしょうか。基本になるものがあれば、その形を作ることが問題の方針になります。
例えばこんな極限は?
なんかやった気もしますがグラフをとりあえず書くと
ですね。ここからすぐに
がわかります。これもやはり極限値は
で表される極限は全て
逆数のグラフと言われているものたちを
というわけで数列でよくあった
を作るというのは関数の極限でも使えます。ただ使えるのはあくまでも無限大に極限をとるときだけなので注意してくださいね。
計算練習①
さて、基本方針が分かったところで、それらを使った問題をやってみましょう。2問だけです。まずはこの問題。
計算練習②
次の問題は先ほどのポイントが色濃く出る問題です。注意してやってみてください。
もちろん
パッと見るとやはり目に入るのは
となり、極限を取ると
となってしまいます。これは
何がいけなかったか。この前の問題でポイントにあげた
ことを忘れているからです。僕たちは分母が
というわけで気分を新たに、
となるので極限を取れば
です。答えが発散していますが、不定形ではないのでもちろんこれが答えです。間違ってもこれから何かをしようとは思わないように。あくまで不定形を避けるのが僕たちの仕事です。
まとめ
ここでやったことは数列の極限でやったこととあまり変わりません。ですが、大きく違うところはグラフでのイメージができるということ。単純に計算した後に実際のグラフではどうなってるのか、また、計算結果からどのようなグラフになっているかをイメージできると素晴らしいですね。
ではまた。
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