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関数と極限の「知っておくとお得」な重要応用問題(随時更新中)

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この記事では極限の問題をやる上で「テクニック」として知っておいた方が良いものを厳選しています。

「初見じゃなかなか思いつかないだろうな」という問題を一度やっておくことで知識の幅が広がりますし、さらにそれを使った応用問題などにも対応できるようになります。

 

なるべく詳しく解説しているので気軽に参照してください!定期テスト対策にもぜひ!

マイナス無限大に向かう極限は置き換えでわかりやすく

例題\(\displaystyle\lim_{x\to -\infty}(\sqrt{x^{2}+x}+x)\)

この問題の嫌なところは極限を「\(-\infty\)」というようにマイナス無限大に取ることですね。通常はプラスの無限大に取るので何かしら起きそうな予感がします。

とりあえず不定形かどうか確認するために代入してみましょう。

 

\begin{eqnarray}
\lim_{x\to -\infty}(\sqrt{x^{2}+x}+x)&=&\sqrt{(-\infty)^{2}-\infty}-\infty)\\
&=&\sqrt{\infty -\infty}-\infty
\end{eqnarray}

 

無限大同士の差が出てきてしまっていますので不定形ですね。このままだとダメです。

 

ではこれまでのセオリーとして

 

「ルートが出てきたら有利化」

 

が私たちにはありますから、それを使って変形してみましょうか。変形は簡単ですね。

 

\begin{eqnarray}\lim_{x\to -\infty}(\sqrt{x^{2}+x}+x)&=&\lim_{x\to -\infty}\frac{(\sqrt{x^{2}+x}+x)(\sqrt{x^{2}+x}-x)}{\sqrt{x^{2}+x}-x}\\&=&\lim_{x\to -\infty}\frac{x^{2}+x-x^{2}}{\sqrt{x^{2}+x}-x}\\&=&\lim_{x\to -\infty}\frac{x}{\sqrt{x^{2}+x}-x}\\&=&\lim_{x\to -\infty}\frac{1}{\sqrt{1+\frac{1}{x}}-1}\\&=&\frac{1}{\sqrt{1+0}-1}\\&=&\frac{1}{1-1}\end{eqnarray}

 

途中

\(\displaystyle\lim_{x\to -\infty}\frac{1}{x}=0\)

を使いました。もちろん

 

 

をイメージしましたよ。この辺りの知識については

関数の極限計算をしてみる〜その1〜(因数分解・有理化編)
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ここで詳しく説明していますので、この式変形がわからなかった人はこちらを先に見ることをおすすめします。

さて、見て分かる通りこれも不定形です。何が問題になっているかいうとやはり

 

マイナス無限大に飛ばす

 

ということでしょう。マイナスの無限大に飛ばすことで今回の問題は何がいけないかというと計算してわかりましたが、

 

分母に \(0\) ができてしまう

 

ことが災いしています。二乗部分はどちらにしても正なので一乗の項(つまり1次の項)が悪さをしているのです。

ではどうすれば良いか。それは

 

置き換え

 

です。これまでやってきた置き換えと何ら変わりないですが、注意しなくてはいけないことが一つ。

 

文字を置き換えると「取る極限」も変わることがある

 

ということです。例えば

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(-x+5)\)

 

という極限の\(-x\) を \(t\) と置いてみましょう。そうすると

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(t+5)\)

 

となりますが、もちろん極限を取るところも \(t\) を用いて表さないといけませんよね。

今 \(-x\) を \(t\) と置いているので、 \(x\rightarrow 2\) の時、\(t\) はというと

 

\(t\rightarrow -2\) 

 

となりますよね。\(-x\) が \(t\) なので。ですから置き換えた後の極限は

 

\(\displaystyle\lim_{t\to -2}(t+5)\)

 

となるわけです。もちろん答えは置き換えても置き換えなくても変わらず \(3\) です。

この置き換えを使えば、 \(x=-t\) としてあげる事で \(t\rightarrow \infty\) とできそうです。

つまり

 

\(\displaystyle\lim_{x\to -\infty}(\sqrt{x^{2}+x}+x)=\lim_{t\to \infty}(\sqrt{(-t)^{2}-t}-t)=\lim_{t\to \infty}(\sqrt{t^{2}-t}-t)\)

 

ですね。これならうまくいきそうな気がしますのでもう一度有利化からやってみましょう。

\begin{eqnarray}\lim_{t\to \infty}(\sqrt{t^{2}-t}-t)&=&\lim_{t\to \infty}\frac{(\sqrt{t^{2}-t}-t)(\sqrt{t^{2}-t}-t)}{\sqrt{x^{2}-t}+t}\\&=&\lim_{t\to \infty}\frac{t^{2}-t-t^{2}}{\sqrt{t^{2}-t}+t}\\&=&\lim_{t\to \infty}\frac{-t}{\sqrt{t^{2}-t}+t}\\&=&\lim_{t\to \infty}\frac{-1}{\sqrt{1-\frac{1}{t}}+1}\\&=&\frac{-1}{\sqrt{1-0}+1}\\&=&-\frac{1}{2}\end{eqnarray}

 

しっかりと不定形にならずに答えを出せました。このように「置き換え」をする事で計算できるようになる問題もあるので特に「\(\displaystyle-\infty\)」の時には注意しましょう。

 

 

「置き換え」が有効な問題がある。置き換える場合は「取る極限」も変わることがあるので注意。

 

等式が成り立つように定数を求める

 

例題

次の等式が成り立つように、定数 \(a\), \(b\) の値を定めよ。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}\frac{a\sqrt{x}+b}{x-2}=-1\)

よく応用問題として出てくるこの問題ですが、解き方が決まっている問題でもあるので出てきたらさくっと解きたいところです。

考え方としては

この極限が成り立つとはどういうことなのか

がわかればあとは計算だけです。

実はこのように一見不定形になるにもかかわらず極限値がある時、一般に次のことが成り立ちます。

 

関数 \(f(x)\), \(g(x)\) と一定の値 \(\alpha\) について、もし \(\displaystyle\lim_{x\to a}\frac{f(x)}{g(x)}=\alpha\) である時

 

\(\displaystyle \lim_{x\to a}g(x)=0\) ならば \(\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=0\) である

 

つまりどういうことかというと

 

分母が \(0\) になって一見不定形なのに極限値がある場合、分子の極限は \(0\) じゃなきゃいけない

 

ということです。ほんとかよ!って思う人もいるでしょうが、これは簡単に示すことができます。今回の問題でやってみましょう。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}\frac{a\sqrt{x}+b}{x-2}=-1\)

 

という式が成り立つことがわかっているのでこの式は使えるはず。じゃあ

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(a\sqrt{x}+b)\)

 

この極限はどうなりますか?というのが知りたいわけですが、これは

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(a\sqrt{x}+b)=\lim_{x\to 2}\frac{a\sqrt{x}+b}{x-2}\times (x-2)\)

 

とかけますよね。単純に分母に無理やり \(x-2\) をつけて、それを打ち消すために \(x-2\) をかけました。

 

こうすると一項目がまさに私たちが知っている条件式なので極限をとってしまえば

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}\frac{a\sqrt{x}+b}{x-2}\times (x-2)=-1\times 0=0\)

 

で結局

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(a\sqrt{x}+b)=0\)

 

となるわけです。これはまさに先ほど確認した分子の極限が \(0\) になることに対応しています。

これが分かると一個条件式が出てきたことになります。実際に計算すれば

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(a\sqrt{x}+b)=\sqrt{2}a+b=0\)

\(\therefore b=-\sqrt{2}a\)

 

ですね。これがわかればあとは実際にセオリー通りに極限計算をしていくだけです。

 

\begin{eqnarray}\lim_{x\to 2}\frac{a\sqrt{x}+b}{x-2}&=&\lim_{x\to 2}\frac{a\sqrt{x}-\sqrt{2}a}{x-2}\\&=&\lim_{x\to 2}\frac{a(\sqrt{x}-\sqrt{2})}{x-2}\\&=&\lim_{x\to 2}\frac{a(\sqrt{x}-\sqrt{2})(\sqrt{x}+\sqrt{2})}{(x-2)(\sqrt{x}+\sqrt{2})}\\&=&\lim_{x\to 2}\frac{a(x-2)}{(x-2)(\sqrt{x}+\sqrt{2})}\\&=&\lim_{x\to 2}\frac{a}{\sqrt{2}+\sqrt{2}}\\&=&\frac{a}{2\sqrt{2}}\end{eqnarray}

 

で、これが \(-1\) であるのが条件なので

 

\(\displaystyle \frac{a}{2\sqrt{2}}=-1\)

\(\displaystyle \therefore a=-2\sqrt{2}\)

 

もちろん \(b=-\sqrt{2}a\) なので

 

\(\displaystyle \therefore b=-4\)

 

これで答えが出せました。理屈さえ分かってしまえばあとは計算なので出てきたらスラスラとできるようにしておきましょう。

 

 

定数を求める問題は分子に注目して、条件を一つ作る。

 

 

まとめ

この応用問題の解説は随時更新中です。特に教科書レベルの応用問題はどんどん解説を書いていきたいと思っていますし、入試に出るようなちょっとトリッキーな問題も掲載していきます。一緒に極限マスターになりましょう!

ではまた。

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