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ベクトルにおける三角形の面積の公式の導出とコツ

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ベクトルで三角形の面積を考える

ベクトルの問題を解いていて三角形の面積を求めさせられる場面がいくつかあります。

その時に皆さんはどのようにして解いているでしょうか。

ベクトルにも実は三角形の面積を求める公式があります。教科書などには発展内容として載っているものもありますが、管理人としては知っておいて損はないと思うのでここで取り上げます。

ベクトルにおいて大事な「量」は

内積

です。ベクトルでいうところの掛け算ですが、ベクトルの問題ではよく求めさせられますよね。

この内積が入った三角形の面積を求める公式があります。それがこれです。

図のような三角形ABCの面積は

$$三角形ABC=\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2-(\vec{AB}\cdot\vec{AC})^2}$$

で求めることができる。与えられた長さと角度を使えば

$$三角形ABC=\frac{1}{2}\sqrt{a^2b^2-(ab\cos\theta)^2}$$

見た目はすごく複雑そうですが単純に

”ベクトルの大きさとその内積さえわかっていれば面積を求めることができます”

と言っているにすぎません。この公式を知っていればベクトルで三角形の面積を求めることができます。

さて、この公式を使えばことは足りるのですが、この公式はいったい何なのでしょうか。

実はこの公式はいたって普通の三角形の面積の公式です。そう

(底辺)\(\times\) (高さ)\(\times\) \(\frac{1}{2}\)

です。三角比では

$$\frac{1}{2}ab\sin\theta$$

でした。今回出てきた三角形の面積もこの式をベクトルで書くとどうなるかを考えただけです。それを導出して理解を深めていきたいと思います。

この図において三角形の面積は先ほども確認しましたが、

$$\frac{1}{2}ab\sin\theta$$

ですね。ではまず長さをベクトルで表記します。当たり前のことを書きますよ。

$$a=|\vec{AB}|\ \ \ b=|\vec{AC}|$$

ただ、ベクトルで書いただけです。では次。内積を計算します。

$$\vec{AB}\cdot\vec{AC}=|\vec{AB}||\vec{AC}|\cos\theta$$

ですね。ここから \(\cos\theta\) がわかりますね。

$$\cos\theta=\frac{\vec{AB}\cdot\vec{AC}}{|\vec{AB}||\vec{AC}|}$$

ただ上の式を変形しただけです。ここまで来たら \(\cos\theta\) を \(\sin\theta\) にしたくなりますよね。してみます。

$$\sin^2\theta +\cos^2\theta=1$$

より

$$\sin\theta=\sqrt{1-\cos^2\theta}$$

なので

$$\sin\theta=\sqrt{1-\frac{(\vec{AB}\cdot\vec{AC})^2}{|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2}}$$

です。難しい計算はしていません。頑張って追いましょう。これを一番最初の面積の公式に代入すると、

$$\frac{1}{2}|\vec{AB}||\vec{AC}|\sqrt{1-\frac{(\vec{AB}\cdot\vec{AC})^2}{|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2}}$$

\(|\vec{AB}||\vec{AC}|\) の部分をルートの中に無理やり入れると、

$$\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2-|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2\times\frac{(\vec{AB}\cdot\vec{AC})^2}{|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2}}$$

より

$$三角形OAB=\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{AB}|^2|\vec{AC}|^2-(\vec{AB}\cdot\vec{AC})^2}$$

ほら、私たちの知っている三角形の面積の公式から出せましたよね。

三角形の面積の公式はたくさんあるように思いますがすべて同じ公式で違った見方をしているだけ

 

というわけで使いたい人は公式を覚えてほしいのですが、作り方をしっかりと追って頭に刻み込んでください。それがいざというときの武器になります。

いったん広告の時間です。

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まとめ

ベクトルにおける三角形の面積の公式は知っていると時間短縮になりますが間違えて覚えてる人も多い&忘れてしまいがちな公式でもあります。

一度自分で作ってみることで符号やどこに何が来るのかを頭に入れることができるので間違いは減ります。何も考えないで公式を「暗記」しないで「考えて暗記」をしてみましょう。

ではまた。

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