不等式で意識すべきこと
不等号は中学の範囲でも出てきていた
数・式のどちらが大きいのか(または小さいのか)
を示す演算子です。\(<,>,\le,\ge\)で表しますね。これが入っている式を不等式というのでした。不等式に文字が入っていて、それについて不等式を変形することを不等式を解くといいますね。例えば
$$2x>3$$
は
$$x>\frac{3}{2}$$
と計算できるわけです。この不等式を解く際に気をつけなければいけないのは、マイナスの符号を持った数字を扱うときです。
$$-2x>3$$
はもちろん
$$x>-\frac{3}{2}$$
ではありません。
$$x<-\frac{3}{2}$$
ですよね。マイナスで割ると不等号が逆になります。不等式の問題ではまずこれがわかっていないと問題のミスにつながります。
マイナスで割るということは相手側にマイナスを押し付けることになるので、大小関係がひっくり返ります。それを反映してるのです。
ここまでは難しくありませんね。大丈夫でしょうか。では次は文字定数が入っている場合を考えてみます。
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文字定数があるときは場合分けがある?
先ほど不等式が出てきた場合は符号に気をつけましょうという注意をしました。それが色濃く表れるのが文字定数が入った不等式です。
例えば次の様な問題はどう解けるでしょうか。
\(a\)を0でない定数とする。このとき
$$2ax+5>6$$
を解け。
普通に解こうとするとここまではいけるはずです。
$$ax>\frac{1}{2}$$
移項して2で割りました。ここからが問題です。はて、この\(a\)はどうしたら良いでしょうか。
\(a\neq 0\)であることはわかっているので割ることはできそうです。方程式等で文字で割る時には注意しましょうといっているのは0で割ることを数学は許さないからです。
割れることはいいとして割ったら不等号はどうなるでしょうか。結論から言うと「わからない」です。なので「場合分け」をします。
符号がわからないなら、このときはこうと言ってしまえばいいのですね。今回の場合、\(a\)で割ることになるので、もし\(a\)がプラスであれば不等号はそのまま、マイナスなら不等号を逆にしなくてはなりません。
よって
と書かなければならないのです。\(a\)で割るだけなのにこの手間は辛いところですがしょうがないです・・・。
この例からも分かる通り、文字で割る時には最新の注意を払う必要があります。不等式の問題だけでなく、そのほか全ての数学の問題で意識しておかなくてはなりません。高校数学をやっていく上で文字と縁は切れませんので割り切って、「うまく」付き合っていきましょう。
終わりに
不等式はここだけでなく色々な分野で出てきます。方程式と同様に数学をやっていく上で欠かせないものですのでしっかりとマスターしましょう。とにかく機械的でなく、文字や不等号の向きなどに意識を向けて不等式に当たってみてください。その心がけだけでミスは少しづつなくなっていきます。
ではまた。
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