グラフを書くには
私たちは二次関数のグラフを書くことはできます。ですが、3次関数や4次関数などの「高次関数」のグラフを書くすべを持っていません。
この微分の範囲ではこのような高次の関数を書けるようにするのが大きな目標の一つでもあります。
高次関数のグラフを書く、と言っていますが一体どうすればいいのでしょうか。
ここまで勉強をしている人は増減表を見たことがあるでしょう。私の記事ではこの記事で2次関数について増減表を考えてみました。
ですので3次関数でも同じように「極値」を求め、「導関数」を求めることができれば、増減表が作れ流ので大まかな形はわかりそうな気がします。
というわけでまずは3次関数について増減表を書くところからスタートしてみましょう。
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3次関数のグラフを書く
例えば次のような3次関数を考えてみます。
$$f(x)=-x^3+6x^2-9x+2$$
まずは極値を求めるために関数を微分します。
傾きが0になるところが極値=関数の増減が切り替わる瞬間
でしたね。よって導関数を求め、それが0になるような\(x\)の値を求めます。まずは微分すると
$$f'(x)=-3x^2+12x-9$$
ですから、\(=0\)とおけば
$$-3x^2+12x-9=0$$
となります。もちろんこれは2次方程式ですので簡単に解けますね。解くと
$$-3x^2+12x-9=-3(x^2-4x+3)=-3(x-1)(x-3)=0$$
となります。すなわち、
$$x=1\ ,\ 3$$
となります。今、方程式を解くときにわざわざくくりながらやったのは、導関数のプラスマイナスがわかりやすいようにするためです。
というわけで、増減表を書いてみましょう。増減表は導関数が0になる\(x\)の値があるだけで書けますね。
一番下に出ている値はもちろん元の関数に\(x=1\ ,\ 3\)を代入すれば得られます。やってみると
$$f(1)=-1+6-9+2=-2$$
$$f(3)=-27+54-27+2=2$$
です。次は\(f'(x)\)の符号ですが、\(x\)が1より小さいときは、先ほど導関数は
$$f'(x)=-3x^2+12x-9=-3(x-1)(x-3)$$
と変形できることを知りましたので、1より大きいときは\(f'(x)\)がマイナス、1と3の間の時はプラス、3より大きいところはマイナスであることが分かります。2次関数の知識があれば、グラフをイメージすればすぐにわかります。
わかりづらい人は適当な値を代入してみてもいいです。例えば\(x=0\)にすれば導関数は
$$f'(0)=-9<0$$
ですから、確かにマイナスですね。
あとはプラスマイナスに合わせて矢印を書くだけです。右上がりか右下がりかは導関数=傾きの値で決まるのでした。
というわけで増減表が完成しましたね。これを基にどんなグラフになるのかを考えていきましょう。
まず傾きが0になるところが2か所あります。\(x=1\)と\(x=3\)です。グラフはまず\(x\)が1より小さいところから1のところまで右下がりです。そして1を超えると\(x=3\)になるまでグラフは右上がりです。そして3を超えるとグラフはまた右下がりに戻ります。
今のことをグラフで表せばいいのです。あくまで曲線になりますのでカクカクとした図にはしないでくださいね。
やってみるとこんな感じになるでしょうか。
書いておきたいことは
1.極値の座標(増減が切り替わるところ)
2.\(y\)軸との交点
です。これは必ず書いておくことをお勧めします。
さて、3次関数を微分を使って書いてみましたが、概形が見えましたね。3次関数は一般的に
極値が2つある関数
です。もちろんそうでない3次関数もありますが。
ここからは3次関数といわれてもびっくりせずにグラフを書くことができますね。2次関数でもグラフが大事でしたが、微分の範囲でもものすごく大事ですので自分で書けるようにしましょう。まずは増減表から。
じゃあ4次関数はどうなるのか・・・ということですがそれは練習の時に考えましょう。でも、もう予想できますね?
終わりに
微分の強力さがわかるグラフの作成を今回は行いました。増減表が書けるようになることがここでのポイントですので、必ず自力で書けるようにしておきましょう。
ではまた。
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