今回の問題はこちら。
制限時間11分です。自力で解きましょう。解いてから下の解説に移ってくださいね。
解きましたでしょうか。では解説に移ります。
ベクトルの講座のスタートです。ベクトルはとにかく
変形
によってある程度のところまで答えを出せてしまいます。それをこの講座でしっかりと身に着けてもらった上で、図形的な問題に対するアプローチを押さえていただきます。
どの問題も基本はただ一つ。それをこちらの記事で解説しているのでしっかりと読んでから問題に取り組むとよいでしょう。その中で公式を使っていくのでまだわかっていないと思う人はこちらを参照してください。
これらとこれから話していく4つ目の基本方針を使えば面白いように問題を進めることができます。
「ベクトルはもしかして簡単?」
と思っていただければ幸いです。では解説のスタートです。
まずは下準備です。センター試験の問題では基本のベクトルは普通問題文に書いてあります。なぜならベクトルを求める問題は全て基本のベクトルで書かれているはずですからね。問題文の解答欄に出てくるベクトルが基本のベクトルです。
今回は \(\vec{OA}\) と \(\vec{OB}\) ですね。これらを使って全てのベクトルを表していきます。
その前に図をちゃんと確認しておきましょう。こんな感じでしょうか。
まずは \(\vec{OC}\) です。これは定数倍の関係にあるので一発です。OBとOCは3:2の関係なので
$$\vec{OC}=\frac{2}{3}\vec{OB}$$
であります。次の \(\vec{OD}\) も内分の公式を知っている人はすぐに出せますね。三角形OABで見てあげれば
$$\vec{OD}=\frac{1}{5}\vec{OA}+\frac{4}{5}\vec{OB}$$
で表せます。少し早いなと思った人は前述した記事を参照してください。
さて、ここからがベクトルの壁です。多くの人は準備はできるけどこのように条件を羅列されると突如できなくなるのです。
ですがセンター試験はある意味で条件をすでに示してくれているとも言えます。
どういうことかというと、問題文を見ると
$$\vec{OE}=t\vec{OD}$$
というように記号を使ってもうベクトルの形の条件を書いてくれているのです。私たちはこれを深く考える必要はなく、これを使って”基本概念”通り基本のベクトルを使って欲しいベクトルを表すのです。
今欲しいのはOEベクトルですが、これは条件として
$$\vec{OE}=t\vec{OD}$$
が出ています。基本のベクトルを使うにはただ代入すれば事足りますよね。こんな風に。
$$\vec{OE}=t\vec{OD}=\frac{1}{5}t\vec{OA}+\frac{4}{5}t\vec{OB}$$
実はこれをやるだけなのです。つらつらと日本語を書いていますがやることはこれだけ。
では2つ目の条件はというと、まさに前述した内分の公式ではありませんか。
\(AE:EC=s:1-s\)ですので
図としては次のようになります。
三角形OACについて
$$\vec{OE}=(1-s)\vec{OA}+s\vec{OC}$$
あとは基本のベクトルに直して
$$\vec{OE}=(1-s)\vec{OA}+s\vec{OC}=(1-s)\vec{OA}+\frac{2}{3}\vec{OB}$$
これを見てわかる通りベクトルでやって欲しいことはいたってシンプルなのです。あとは比べるだけですね。
$$1-s=\frac{1}{5}t$$
$$\frac{2}{3}s=\frac{4}{5}t$$
から
$$t=\frac{5}{7}\ ,\ s=\frac{6}{7}$$
となるので最終的に \(\vec{OE}\) は
$$\vec{OE}=\frac{1}{7}\vec{OA}+\fraC{4}{7}\vec{OB}$$
となります。ここまでを確実にできるようにすることが重要です。
今回はここまでとします。お疲れさまでした。
いったん広告の時間です。
まとめ
センター試験のベクトルの攻略法を今回から示していきます。基本概念と公式2つがあれば解けてしまう問題の例を挙げましたが、これがすべての基本問題となります。何度も繰り返して自力でできるまで、納得できるまでやりましょう。
問題の続きは次回で示します。ベクトルで出した比を使って三角形の面積を出していく問題になります。ベクトルというよりかは図形の問題です。
ではまた。
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