今日の問題はこちら
問題自体は非常にシンプルです。なので \(P_{n}\) は簡単に出せるはず。\(n\) が入っていますが気にせずに式を立ててみましょう。
袋の中には \(n\) 個の玉が入っているので全ての取り出し方は
$${}_{n}C_{5}=\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}$$
通り。赤玉を \(3\) 個、白玉を \(2\) 個を取り出せばいいので \(n-7\) 個の赤玉から \(3\)、\(7\) 個の白玉から \(2\) 個より
$${}_{n-7}C_{3}=\frac{(n-7)(n-8)(n-9)}{3\cdot 2\cdot 1}$$
$${}_{7}C_{2}=\frac{7\cdot 6}{2\cdot 1}$$
であるから求める確率は
$$P_{n}=\frac{{}_{n-7}C_{3}\cdot{}_{7}C_{2}}{{}_{n}C_{5}}=\frac{\frac{(n-7)(n-8)(n-9)}{3\cdot 2\cdot 1}\times \frac{7\cdot 6}{2\cdot 1}}{\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}}$$
計算すると
$$P_{n}=\frac{420(n-7)(n-8)(n-9)}{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}$$
である。ここまでは大丈夫?ですね。
本番はここからです。今問題になっているのはこの \(P_{n}\) の最大値、すなわち確率の最大値です。表式をみてもらえればわかる通り、これの最大値をグラフなどで出そうとしても無理です。まあ無理です。なので少し工夫が必要ですね。
その考え方は
「隣同士の確率を比較する」
です。どういうことかというと、今回の問題の確率はもちろん \(n\)によって変動しますから、例えば \(P_{7}\) と \(P_{8}\) の確率は値が異なり、大小関係があります。なので、それぞれ隣同士の確率の大小は下のどちらかになるはずです。
$$P_{n+1}>P_{n}$$
$$P_{n+1}<P_{n}$$
すなわち
$$\frac{P_{n+1}}{P_{n}}>1$$
なら \(n\) の値が大きい方の確率が大きい、
$$\frac{P_{n+1}}{P_{n}}<1$$
なら \(n\) の値が小さい方の確率が大きい
ということになります。もちろん確率が一緒になるところもあるかもしれませんがそれはイコールで結ばれる時なのでわかりまよね?
ここまできたらやることは単純です。式(8)もしくは式(9)から得られる整数 \(n\) がちょうど確率の大小が切り替わる瞬間ですから、まずはその値を求めて周辺の確率の大小を確認すれば、確率が最大になる \(n\) の値がもとまるでしょう。
そのためにはまず \(\frac{P_{n+1}}{P_{n}}\) が必要ですから求めておきます。\(P_{n+1}\) とは先ほど求めた \(P_{n}\) の \(n\) を \(n+1\) に変えたものですから
$$P_{n+1}=\frac{420(n-6)(n-7)(n-8)}{(n+1)n(n-1)(n-2)(n-3)}$$
より
$$\frac{P_{n+1}}{P_{n}}=\frac{\frac{420(n-6)(n-7)(n-8)}{(n+1)n(n-1)(n-2)(n-3)}}{\frac{420(n-7)(n-8)(n-9)}{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}}=\frac{(n-6)(n-4)}{(n+1)(n-9)}$$
であるから式(8)より
$$\frac{(n-6)(n-4)}{(n+1)(n-9)}>1$$
すなわち
$$n<\frac{33}{2}=16.5$$
である。式(9)を用いると不等号が逆になり
$$n>\frac{33}{2}=16.5$$
となる。ということは \(n\) は整数だから \(n=17\) の時に大小が変化していそうなことがわかりますね。つまり \(n=17\) の時は式(9)を満たすので
$$P_{18}<P_{17}$$
であり \(n=16\) の時は式(8)を満たすので
$$P_{17}>P_{16}$$
となることが調べられます。ということはつまり
$$P_{1}<P_{2}<P_{3}<P_{4}<\cdot\cdot\cdot<P_{16}<P_{17}>P_{18}>P_{19}>P_{20}\cdot\cdot\cdot$$
ですね。よって確率が最大になる時の \(n\) は \(n=17\) であると答えが出せるわけです。
いったん広告の時間です。
まとめ
この問題は確率の中でも比較的難しい部類に入る問題でしょう。確率に文字が入ってきて嫌ですし、最大値ってなんだ・・・となってしまいがちです。ただ、やり方がわかっているとすぐに計算できてしまう問題でもあります。確率を学んだらぜひこの問題に取り組んで、出てきても「知ってる知ってる!」とドヤ顔できるようになりましょうね。
ではまた。
コメント