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解と係数の関係 複素数の取り扱い

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今回の問題はこちら。問題自体は単純ですが、その後の処理に困る問題の一つでしょう。

 

2次方程式 \(x^2+2x+4=0\) の2つの解を \(\alpha \ ,\ \beta\) として、次の問いに答えよ。

問1:\(\frac{1}{\alpha^2}+\frac{1}{\beta^2}\) の値を求めよ。

問2:2次方程式 \(2x^2+ax+b=0\) の解の1つが \(\frac{\beta}{\alpha}\) となるように、係数 \(a\ ,\ b\) の値を定めよ。ただし、\(a\ ,\ b\) は実数とする。

 

 

この問題を見たときに何を考えていくかですが、まず2次方程式と言われているので解を求めたいと思うのが普通だと思います。ですがこういう問題で多いのが、2次方程式の解の性質を使って式の計算をするパターンです。実際にやってみるとわかるのですが、2次方程式の話を使うのは最初だけで、そのあとはひたすら計算・代入です。

問1 解と係数の関係から式の計算へ

早速見ていきましょう。問題はまず、2次方程式の解を文字で置くところから始まっています。この時点で「解を求めなくてもいいんだな」と思わなくてはなりません。もちろん求めてもいいですが何もしていないのに「置く」ということは、それなりに理由があるはずです。問題を真正面から見るのではなく、裏をかくのも大事な問題を解く力です。

ここで解を置くという重大なヒントを見逃さないようにします。おいてなくても求めるのが面倒な時は基本おいて考えるとよいです。なぜなら2次方程式には解と係数の関係という強力な武器があるからです。おさらいしておきましょう。

 

2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の2つの解を \(\alpha \ ,\ \beta\) とすると、次の関係が成り立つ。

$$\alpha +\beta=-\frac{b}{a}$$

$$\alpha\beta=\frac{c}{a}$$

 

なぜ成り立つのかが気になる人は教科書等を見直しましょう。管理人の記事が更新されたらそちらでもご確認ください(がんばります)。

これの何がすごいかというと、解がどんな形であれとにかくその解の足し算と掛け算は係数だけで決まるということです。使うと有用さがわかるので今から使っていきます。

今回の2次方程式は \(x^2+2x+4=0\) なので解と係数の関係から

$$\alpha +\beta=-\frac{2}{1}=-2$$

$$\alpha\beta=\frac{4}{1}=4$$

であります。

これを使って問1を解いていきましょう。

1は\(\frac{1}{\alpha^2}+\frac{1}{\beta^2}\)を求めよという問題ですが。もちろん解を出してそのまま代入なんてことはしないように。せっかく解と係数の関係を出したわけですからね。そのままだとよくわからないので通分します。

$$\frac{1}{\alpha^2}+\frac{1}{\beta^2}=\frac{\alpha^2+\beta^2}{\alpha^2\beta^2}$$

これを見ると分母はもう求まっているようなものです。\(\alpha\beta=4\) ですから。問題なのは分子。これはこう考えます。展開の式は覚えていますね?

$$(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$$

これの右辺を見ていると今欲しい2乗+2乗が見えますので邪魔な \(2ab\) の部分を左辺に移動してあげましょう。

$$(a+b)^2-2ab=a^2+b^2$$

この式は左の計算をすれば右の計算結果を表しますということを意味しています。

ということは今回の問題の分子は

$$\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=(-2)^2-2\times 4=-4$$

と計算できるということですね。すなわち答えは

$$\frac{1}{\alpha^2}+\frac{1}{\beta^2}=\frac{-4}{4^2}=-\frac{1}{4}$$

です。正直言って式の計算です。途中から2次方程式ほとんど関係ないです(笑)。

問2 複素数の方程式 条件を見直す

さて次の問題です。問2はわかっていることをどんどん書き出していきましょう。手がかりがあまりないので、やれることから始めます。

まず、2次方程式 \(2x^2+ax+b=0\) の解の1つが \(\frac{\beta}{\alpha}\) ということは、解を代入したらその方程式は成り立たなくてはならないのでひとつ条件を出せます。代入します。

$$2\left(\frac{\beta}{\alpha}\right)^2+a\left(\frac{\beta}{\alpha}\right)+b=0$$

$$2\beta^2+a\alpha\beta+b\alpha^2=0$$

次は、\(\alpha\ ,\ \beta\)についてです。これは \(x^2+2x+4=0\) の2つの解なので代入した式はやはり成り立ってなくてはなりません。すなわち

$$\alpha^2+2\alpha+4=0$$

$$\beta^2+2\beta+4=0$$

です。また、解と係数の関係は成り立っていますので式(3),(4)は使えます。

さてここから \(a\ ,\ b\)を出すにはどうしたらよいでしょうか。まず、\(\alpha\) もしくは \(\beta\) は使いたくないので、どちらか一方にしたいです。式(12),(13)より

$$\alpha^2=-2\alpha-4$$

$$\beta^2=-2\beta-4$$

なのでとりあえず2乗は無くせそうです。式(11)に代入すると

$$-4\beta-8+4a-2b\alpha-4b=0$$

で、解と係数の関係から \(\beta=-2-\alpha\) なのでこれも代入して

$$8+4\alpha-8+4a-2b\alpha-4b=0$$

です。ここからの式変形の方針ですが、\(\alpha\) を出しても意味はありません。ここから \(a\ ,\ b\) を求める条件式を出したいわけです。式一本しかないのに3つも文字があって厳しそうなのですが、思い出さなくてはいけないことがひとつあります。それは \(\alpha\) が複素数であろうということです。これは実際に出してみるとわかります。複素数であることがわかると何がいいかというと複素数の方程式には以下の性質があるからです。

$$a+bi=0$$

のとき(\(a\ ,\ b\) は実数、\(i\) は虚数単位)この方程式を満たすのは

$$a=0,b=0$$

である。

 

要するに実数のところと虚数単位がついているところでわけて、それぞれをゼロとしたときが方程式の答えだと言っているのです。

では問題に戻ります。今回は\(\alpha\) が複素数なので、これは上の話でいうと虚数単位がくっついているところに当てはまります。すなわち \(\alpha\) がついているところとついていないところでわければ話は進みそうです。式(17)を変形すると

$$(4-2b)\alpha+4a-4b=0$$

となります。先ほどの話から、それぞれ

$$4-2b=0$$

$$4a-4b=0$$

より答えは

$$a=2\ ,\ b=2$$

となります。

終わりに

今回の問題のポイントは解と係数の関係をうまく使うことと、複素数の取り扱いになれることです。正直なところこういう問題は軽視されがちな部分だと思います。管理人もこの分野はあまり重点的に取り組まなかった気がします。ですが実はすべての計算の基礎になるような式の計算や、変形の方針が隠されていることがしばしばです。このあたりが不安な人はこれを機会に勉強を始めてみましょう。きっとほかの分野にもつながりますよ。

ではまた。

 

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