積分とは
積分とは一言で言えば
微分の逆
です。「微分の逆」と言われてピンと来る人はなかなかいないと思いますので、例を示します。
例えば
\(x^2\) の微分は \(2x\)
でしたがこれを逆に捉えることによって
\(2x\) の積分は \(x^2\)
と言います。つまり逆というのは
微分したものを元に戻す操作
といってもいいでしょう。本質的な積分の意味は後々わかることになるので、まずは色々な式を積分できるようにしていきます。
例えば
\(x^2\)
を積分するとなにになるでしょうか。考えなくてはならないのは「どんな式を微分したら上記の式になるか」ですね。
\(x^2\) は2乗が出てくるので微分したら2乗になるものを考える
つまり元の式は3乗であることが予想できます。では
\(x^2\) を積分したら \(x^3\)
かというと少し違いますね。右の式を微分した時係数として3が出てきてしまいます。
これはこんな風にしたらいいですね。
\(\frac{1}{3}x^3\)
こうすれば微分したときに出てきた 3 が約分されてちゃんと \(x^2\) になりますね。
つまり
\(x^2\) を積分したら \(\frac{1}{3}x^3\) である
ということです。積分が何かわかってきましたか。
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積分の記号をおさえる
さて、積分をできるようになりましたが毎回
・・・を積分すると・・・
と書くのは面倒です。数学ですからやはり積分を表す記号が欲しいですね。
もちろんあります。それはインテグラルと呼ばれるこの記号です。
\(\int\)
どう使うかというと「積分する対象を記号の隣に書き、後ろに \(dx\) をつける」です。
例えば最初にやった \(2x\) の積分なら
\(\int 2x dx\)
と書きます。後ろの \(dx\) は「\(x\) で積分する」という意味があります。いらないような気もしますが重要性は後からわかってくるでしょう。
先ほど実際に行った積分を記号を使って表すとこんな感じです。
\(\int 2x dx=x^2\)
\(\int x^2 dx=\frac{1}{3}x^3\)
ただ記号を使うようにしただけでやることは変わりません。びっくりしないように。
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積分は無限に考えられる?積分定数の意味
さて、ここまで話してきて何か腑に落ちないというには人は自分の勘を信じて良いでしょう。
勘ではなくしっかり考えて「これは何かおかしい」と言える人は強者ですね。どんどんその意識を鍛えていってください。
もちろんなんのことやらという人もいるでしょう。というかそれが普通です。わざと言ってきませんでしたから。
では答え合せをします。何かというと
積分は何通りでも考えられる
です。ですから先ほどの積分は実は不完全です。
どういうことか。最初にやった積分を思い出しましょう。 \(x^2\) を積分したければ微分して \(x^2\) になるものを考えるのでしたね。
ですから
\(\int x^2 dx=\frac{1}{3}x^3\)
と書きました。なにも悪いことはないように見えます。ですがこれだけですか?
\(\frac{1}{3}x^3+1\)
も微分したら式になりますよね。
そうです。実は「定数」は微分したらなくなってしまうので積分は一通りに決まらないのです。
\(\int x^2 dx=\frac{1}{3}x^3+1\)
もあってますし
\(\int x^2 dx=\frac{1}{3}x^3-3\)
もあってます。どんな積分も定数がわからないという性質があるのです。
こういう事情から積分するときには
定数はなんでもいいからとりあえず \(C\) という記号で書いておくことにしよう
と決めたわけです。この定数 \(C\) を積分定数と言います。
ですから
\(\int x^2 dx\)
は
\(\int x^2 dx=\frac{1}{3}x^3+C\)
と書いて始めて完全に積分できたことになるのです。
なんとなくちゃんと解いた気になりませんがしょうがないのです。この「積分した値が1つに決まらないような積分」を
不定積分
と言います。私たちが考えていた積分は不定積分だったんですね。
ということは1つに決まる積分もあるということですね。もちろんですあります。それは今後のお楽しみ。
というわけで積分するときには積分定数を忘れずにつけてくださいね。
\(\int x^2 dx=\frac{1}{3}x^3+C\)
のように。
まとめ
積分に入りました。微分の逆というイメージを最初は持つと計算は楽でしょう。後々積分が別の概念となり、微分の逆というイメージを超えて実用的になっていきます。その時はすぐくるでしょう。
ではまた。
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