「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

解の判別と判別式

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

今回は2次方程式の解の判別についてみていきます。正直なところ前回の2次方程式と2次関数の記事が大事なんですけど、もう一つの方法として計算だけで2次方程式の解の個数を知ることができるので押さえておきましょう。

まず2次方程式の解の公式を導出しておきます。多分中学校の時に習ったと思うのですが、なんでそうなるのかを知らない人が多分多数いると思うので一応やっておきますよ。

まず一般的な2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) を考えます。ここからどうするかというと、実は左側を平方完成します。やります。

$$ax^2+bx+c=0$$

$$a\left(x^2+\frac{b}{a}\right)+c=0$$

$$a\left[\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2}{4a^2}\right]+c=0$$

$$a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2}{4a}+c=0$$

今私たちは \(x=\) の形にしたいので邪魔なものは右に寄せておきます。

$$a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2}{4a}-c$$

右辺を通分しておきましょう。

$$a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2-4ac}{4a}$$

左辺の2乗を外したいので \(a\) で割ってから平方根を取りましょう。

$$x+\frac{b}{2a}=\pm\sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}}$$

\(\sqrt{4a^2}=\pm 2a\)なので

$$x+\frac{b}{2a}=\pm\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$

であり\(x=\) の形にすると

$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$

となり解の公式が導出できました。

さて、この形を見ると実は解の個数がどこで決まっているかがわかります。

それはこの \(b^2-4ac\) という部分です。どういうことかというと例えば\(b^2-4ac=3\) である場合解は何個出てくるでしょうか。もちろん解は2つです。だって\(\pm\sqrt{3}\) が出てきますから、2種類の解が得られるからです。ではもし\(b^2-4ac=0\) だった場合どうでしょうか。解の形は

$$x=\frac{b}{2a}$$

となります。ん?解が1つしか考えられませんね。じゃあ \(b^2-4ac=-3\) ではどうでしょうか。\(\sqrt{-3}\) ってなんでしょう。そんな数字私たちは知りません。これはよくわからない答えが出てきてしまうので解はなしです(本当は虚数を使えば解の表現はできます。ですが基本的に実数だけを扱うので虚数が出てきたら放棄になります)。

つまりこういうことです。

$$b^2-4ac>0\ \rightarrow\ 解が2個$$

$$b^2-4ac=0\ \rightarrow\ 解が1個$$

$$b^2-4ac<0\ \rightarrow\ 解が0個$$

となりますね。これを判別式と呼び \(D=b^2-4ac\) で表すことで、

$$D>0\ \rightarrow\ 解が2個$$

$$D=0\ \rightarrow\ 解が1個$$

$$D<0\ \rightarrow\ 解が0個$$

学校で習った人はみたことがある形になりましたよね。実は解の公式のルートの中身が判別式 \(D\) の正体です。

これで判別式なんて覚えなくても解の公式さえわかれば大丈夫です。

実際に一問やってみましょう。\(3x^2-2x+1=0\) は解を何個持つか調べます。判別式を使います。判別式を計算すると

$$D=(-2)^2-4\cdot 3\cdot 1=-8<0$$

なので解の個数は0個です。

では最後に2次関数と繋げておきましょう。例えば\(y=3x^2-2x+1\) は \(x\) 軸と交点を持つか持たないかを調べることにします。

前回の記事でもあったように、グラフと \(x\) 軸との交点は方程式にした時の解になるので、この問題は

$$3x^2-2x+1=0\ が解を何個持つか$$

と言い換えることもできます。大丈夫でしょうか。2次関数と2次方程式がしっかりマッチしていれば理解できるはず。

ということは判別式を使って解の個数だけ求めればいいので判別式を計算します。これは先ほどと同じなので解は0個。すなわちグラフは交点を持たないことになります。

 

ここまでみてきた通り、同じ問題でもアプローチの仕方が複数あります。難しい問題ほど、どうやったら解けるかを考えなくてはなりません。この問題はこう解くという風に覚えているのならもう一つステップを踏みましょう。今までやってきた2次関数と2次方程式の繋がりはかなり大事な事項です。ぜひマスターしてください。

次回以降は2次不等式を解いていきます。

ではまた。

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