前回は関数と方程式の関わりについて学習しましたがどうでしたでしょうか。ここでは2次方程式と2次関数に焦点を当てて、より詳しく内容を見ていきたいと思います。
まずおさらいです。
ある関数 \(y=f(x)\) を考えるとその関数の \(x\) 軸との交点が、関数の \(y=0\) と置いて得られる方程式の解になる。
ということを前回理解しました。少し難しく書いていますが要は、関数のグラフを書いた時の \(x\) 軸との交点がその関数\(=0\) と置いた時の方程式の解であるということです。
さて、これを2次関数についてと2次方程式について詳しく見ていきましょう。2次方程式の詳しい解説は次に回すとして、ここでは前回と被ってしまうところがあるかもしれませんがグラフと2次方程式の解の関係について学ぶことにします。
例えば2次方程式 \(x^2-2x-1=0\) について、この方程式が解を何個持つのか調べたいとしましょう。解の値はとりあえずいいので解の個数だけです。
もちろんこの2次方程式を無理やり解の公式を使ってとけば解の値も個数もわかるでしょう。しかし、私はこの時点で解の公式を示していませんし、2次方程式の詳しい解き方を教えていません。なので解の値ではなく解の個数だけを求めることにします。
何をすればいいか。もうやることは一つです。この方程式を関数にしてしまえばいいのです。要するに関数
$$y=x^2-2x-1$$
を考えるのです。これを考えれば今欲しい2次方程式の解はグラフの \(x\) 軸との交点(の \(x\) 座標)になりますよね。
ではやることは一つだけ。この関数のグラフを書きましょう。ということは・・・平方完成ですね。おそらくここまで読んでくれている人は余裕だと思いますので答えだけ書きます。
$$y=x^2-2x-1=(x-1)^2-2$$
大丈夫ですね?グラフをかくと次のようになります。
よって2次方程式 \(x^2-2x-1=0\) の解の個数は2個。解の正負も正が1個と負が1個とわかります。
言い忘れていましたが、2次方程式の解は2個以下になります。2次関数のグラフを見れば3個の共有点を持つことはあり得ませんよね。
では次の問題。\(2x^2-5x+4=0\) の解の個数を調べます。同じですよ。関数にして平方完成します。
$$y=2x^2-5x+4=2\left(x-\frac{5}{4}\right)+\frac{7}{8}$$
なのでグラフは下のようになります。
見てわかる通り、グラフは \(x\) 軸と交点を持ちません。それはすなわち2次方程式 \(2x^2-5x+4=0\) が解を持たないということです。
今回はやりませんが、頂点が \(x\) 軸と1点で交わる時(グラフが \(x\) 軸と接する時)はもちろん解は1つです。
さて今までの話を総括して少し難しい問題にチャレンジして見ましょう。それはこちらの問題です。
$$x^2-2x+k=0$$
何が違うかというと、方程式に文字 \(k\) が入っていることです。ということは \(k\)の値によってこの方程式は解が変化して、解の個数も変わってしまうと推測できます。どうしたらいいでしょうか。
では発想を逆転させて、ちょうど解の個数が変化してしまうような \(k\) の値を見つけてしまいましょう。そこで場合分けをしたらいいですね。
やることは同じです。まずは方程式を関数にしてグラフで考えられるようにします。やってみましょう。
$$y=x^2-2x+k=(x-1)^2-1+k$$
です。頂点は \((1,-1+k)\) です。あら、頂点に文字が入ってます。これの意味するところはなんでしょうか。
それは「 \(k\) の値によってグラフの場所が変化する」ということです。例えば \(k=3\) の時は頂点が \((1,2)\) になりますからグラフは \(x\) 軸と交点を持たない、すなわち解はない。また \(k=1\) の時は \((1,0)\) より、ちょうど \(x\) 軸と接するので解は1個。\(k=-1\) の時は \((1,-2)\) より解は2個です。
グラフで書くとこんな感じです。
つまり頂点の \(y\) 座標の位置考えることでこの方程式の解が何個になるのかを指定することができるわけです。具体的に
$$ 頂点のy座標>0\ \rightarrow\ 解が0個$$
$$ 頂点のy座標=0\ \rightarrow\ 解が1個$$
$$ 頂点のy座標<0\ \rightarrow\ 解が2個$$
ということです。今回の問題では
$$-1+k>0\ \rightarrow\ 解が0個 \nonumber$$
$$-1+k=0\ \rightarrow\ 解が1個\nonumber$$
$$-1+k<0\ \rightarrow\ 解が2個\nonumber$$
ということなので少し計算して
$$k>1\ \rightarrow\ 解が0個$$
$$k=1\ \rightarrow\ 解が1個$$
$$k<1\ \rightarrow\ 解が2個$$
とわかります。これがさきほど言っていた場合分けの意味です。
どうでしたでしょうか。この2次関数と2次方程式の関係は非常に今後役に立ちます。次回はこれとは別の方法で2次方程式の解について考えていきますが、ッジツをいうと覚えて欲しいのは今回やった方です。次は判別式なのですが問題を解く際には今回のグラフを使うやり方の方が圧倒的に応用が利きます。まずはグラフから。
ちゃんと理由をわかっていれば判別式とグラフを使うやり方を使い分けて、計算を楽にできると思いますので判別式についてもちゃんと説明します。
強調しておきますがグラフめちゃくちゃ大事です。忘れないでくださいね。
ではまた。
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