数列をさらに学ぶ
漸化式と聞いて難しいものだと思ってしまう人が多いのではないでしょうか。
管理人も最初に漸化式を学んだときは衝撃でした。今まで数列をやってきたのになぜか式を扱う分野になってしまったと。数列は何処へ・・・なんて思っていました。
しかしやっていくうちに
漸化式はあくまで数列を別の書き方で表しているだけである
ことに気づいたときに数列がさらに奥深いものであると思えました。式にすることで扱いやすく(私たちが使っている計算をできるように)したわけです。
ですので最初のうちは新しいことは全くありません。今までやってきたことが頭に入っていれば問題ありませんのでご安心を。
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漸化式とは
まず最初に漸化式とは何かを説明します。漸化式とは
隣り合った数列の関係を表した式
です。どう書くかというと、今まで使っていた一般項\(a_{n}\)とその次の項である\(a_{n+1}\)を使います。例えばこんな感じ
$$a_{n+1}=3a_{n}+1$$
これの意味することは
「今から考える数列というのはある項を考えたときその項は前の項を3倍して1を足すことで得る」
と言っているに過ぎないのです。例えば前の項が3であったとすると、その項は
$$3\times 3+1=10$$
とわかるということです。これを聞いて「数列が一つに決まらないのでは?」と思った人は鋭いです。その通りでこれだと数列の項は何でもよくなってしまいます。
これは初項を指定してやることで解決できます。例えば先ほどの漸化式で初項が2とわかっているとしましょう。するとその次の項(第2項)は先ほどの式から
$$3\times 2+1=7$$
とわかり、さらに第3項は
$$3\times 7+1=22$$
とわかっていくのです。要するに漸化式\(a_{n+1}=3a_{n}+1\)で初項\(a_{1}=2\)の場合、数列は
$$2\ 7\ 22\ 67\ \cdots $$
となるのですね。漸化式の意味は大丈夫でしょうか。簡単に言うと上のように並べるのが面倒なので式で書いてしまったのです。
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なぜ漸化式なのか
これはこれでいいとして何かメリットがあるとは思えませんよね。普通に書けばいいのでは?と言われればそれまでなのですが、数列の一番大事なことは何だったでしょうか。それは
一般項を求めること
です。先ほどの数列の一般項はなにか?と聞かれてもわかりません。なぜなら私たちが知っている等差、等比、階差数列のどれでもないからです。
しかしこの数列の一般項は求めることができます。漸化式の手法を使えばです。
というわけで今後はこの漸化式をより詳しく学んでいきます。よくわからない数列の一般項を求めるのがモチベーションです。
終わりに
ここまで漸化式の紹介となぜ漸化式を扱えなくてはならないのかを説明しました。ここに書いてあることは知っていれば問題を解けるわけではありませんが、知っておいて損はありません。漸化式を使う理由がわかれば問題を見たときに工夫の仕方が見えてきます。何を目標にしているかを知ればおのずとやることが見えてきます。漸化式に対するイメージが少しでも変われば幸いです。
ではまた。
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