置き換えって結局なに?
数学では頻繁に「置き換え」をして問題を解きますが、なぜそんなに置き換えを好むのでしょうか。
必ずと言っていいほど学校で教わるこの「置き換え」。でも本当は必要ないことを知っていて使ってますか?
置き換えはあくまで
私たちにとって見えやすい表記にしている
にすぎません。式の本質は全く変わらないことを皆さんは意識しているでしょうか。
”置き換えをすれば解けるからそうしている”
ではより高いステップに到達することはできないでしょう。
よってここではその「置き換え」をすることによって何が嬉しいのか、そしてそこでの注意点を今一度確認したいと思います。
いったん広告の時間です。
置き換えは見え方を変えているだけ
置き換えが頻繁に出てくるのは関数の分野でしょう。ここでは関数について取り扱っていきます。
私たちにとって馴染み深い関数はなんでしょう。人によって違うと思いますが、高校数学で初めて扱う関数は
二次関数
ですね。二次関数について分野一つを使ってやるぐらいですからとても重要なことは確かです。管理人の別の記事でも「まずは二次関数ができるようになるところから!」と強調しています。
さて、二次関数は私たちにとって考えやすい関数なのですが、例えば指数・対数関数や、三角関数はどうでしょうか。正直なところ計算も複雑ですし、難しいですよね。
その指数・対数・三角関数の分野で出てくるのが例えば次のような関数です。
$$y=\sin^2\theta +2\sin\theta +3$$
これは三角関数ですが、何に見えますでしょうか。三角関数ですか?そうですね。でもこれはただ単に三角関数であるとみてはいけません。実は三角関数の\(\sin\theta\)を変数にした二次関数なのです。
もちろん変化するのは\(\theta\)ですが、それに伴って\(\sin\theta\)も変化しますよね。ということはこれは”変数”が\(\sin\theta\)と見ることができるわけです。
そうすると先ほどは三角関数だと思った上の式も見え方が変わって来ます。
要するに\(\sin\theta\)がいつもの関数の\(x\)だと思うと、二次関数に見えますよね。
これが「置き換え」な訳です。式を変形しているのではなく、ただ単に見え方を変える。そのために「文字で置く」わけです。
先ほどの例だと\(t=\sin\theta\)(文字はなんでもOK)とおけば
$$y=t^2+2t+3$$
となりまさに二次関数となりました。元は三角関数でしたが、見方を変えて置き換えてあげたところ二次関数であることが明確にわかるようになるのですね。
ですが置き換えたこの「文字」は元は\(\sin\theta\)なわけですから、明らかにいつも使っている\(x\)のように自由ではないです。
\(\sin\theta\)は\(0 \leq \theta \leq 2\pi\)であれば\(-1\)から\(1\)まで変化します。それ以上、以下は取れないわけです。ということは先ほどの式
$$y=t^2+2t+3$$
の\(t\)は同じように制限を受けます。\(t=\sin\theta\)ですから。
ということは二次関数として最初の式をみてもいいけれど、その\(t\)には\(-1 \leq t \leq 1\)の制限をつけて考えなくてはならないことがわかります。
置き換えをするとみやすくなりますが、必ず範囲の確認という注意をしなくてはならないことがわかります。
まとめ
というわけで
置き換えたらその文字の範囲の確認
を徹底してくださいと念押しをしておきます。置き換えて文字の範囲の確認をしたら、その置き換えた後の式だけをみてあげればいいのです。
ではまた。
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