「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

論理の問題 仮定を立てることに慣れる

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今回の問題はこちら

 

3人の女神が口論している。最も美しい女神はただ一人であるとする。

アテナ「最も美しいのはアフロディテではない」

アフロディテ「最も美しいのはヘラではない」

ヘラ「私が最も美しい」

最も美しい女神のみが真実を述べている。この時、3人の女神のうち最も美しいのは誰か。

 

この問題は高校数学をやってきた人にとっては変な問題に見えるかもしれません。

ですが、数学的な思考が必要とされるこのような問題は非常に大事な問題ですし、今後このような問題が増えていくことも予想されますのでしっかりと解きたいところです。

まずこの問題で見ている力ですが、それは

仮定を立てて検証する力

です。問題をじっと眺めていても問題は解けませんが、特にこのような論理の問題は自分の中で仮定を作らないと前提が多すぎて検証することができません。

科学の世界ではいつもそうですが、解決したい問題において、変化する事象が多すぎると検証できません。

例えば化学の実験を思い出せばすぐに理解できるでしょう。実験では検証したい変化させるところ以外はすべて同じ条件にしないといけません。

数学の論理でも同じです。何か一つを決めることでほかの要素が決まり、検証ができるようになるのです。

今回の問題は最も美しい女神のみが真実を言っているという前提があります。ですがもっとも美しい女神が誰かわからないので、3人の言動を検証することがそもそもできません。

ですので今回は仮定として、どの女神が最も美しいのかを仮定するのです。そうすることで3人の言動が正しいのか、間違っているのかを検証することができます。

では解いていきましょう。まずはアテナが最も美しい女神であると仮定します。

問題によると最も美しい女神のみが真実を述べるはずです。検証してみましょう。

アテナは、今回の仮定ではアテナが最も美しいので真実を言っています。

アフロディテはアテナが最も美しいのでヘラは最も美しくなく、真実を言っています。

ヘラはアテナが最も美しいにも関わらず自分が最も美しいと言っているので嘘を言っています。

すなわちアテナが最も美しいとすると、

アテナ→真実を言っている

アフロディテ→真実を言っている

ヘラ→を言っている

 

ということになります。さて、これは問題の条件に合うでしょうか。

条件は「最も美しい女神のみが真実を述べる」です。

アテナが最も美しいと仮定した場合、アテナとアフロディテの2人が真実を述べてしまっています。これは問題の条件に合いませんね。

というわけでアテナが最も美しいという仮定は間違っていたことになり、アテナが最も美しいというのは間違いとなるのです。

要領をつかめましたでしょうか。仮定を立てることで、それぞれ3人の言動を検証することができますね。

同じ要領で残り2つのパターンをやってみましょう。その結果を下に示します。

アフロディテが最も美しいとすると

アテナ→を言っている

アフロディテ→真実を言っている

ヘラ→を言っている

 

となり、ヘラが最も美しいとすると、

アテナ→真実を言っている

アフロディテ→を言っている

ヘラ→真実を言っている

 

となりますね。というわけで問題の条件と合うのは

アフロディテが最も美しい

とした場合ですので、これが答えになります。いかがでしょうか。

いったん広告の時間です。

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まとめ

今回の問題は数学の論理についてでした。この問題は解き方をわかってしまえばすぐできますが、どこから手をつけていくかがわからないとなかなか解きづらい問題です。数学では論理の形態としてこのような仮定を立てて進めていくもの(背理法などもそれにあたります)をマスターすることが必須です。論理の破綻は仮定の間違いに落ち着きますのでそれをうまく使って問題を解いていきます。一度では身につかないのでこのような問題を通して徐々に慣れていくことが大事です。

ではまた。

 

 

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