分数式を簡単にしてみる
ここではいくつかの問題を通して分数式の計算に慣れていただきます。
問題はこちら。
解くときには方針を必ず思い返してください。
- 分数に分数が入っているときは割り算にしてなおす
- 因数分解ができる場合してから考える
- 分子の次数が分母の次数よりも大きい場合は整式の割り算を使うときが多い
ではやってみましょう。
問題1から始めます。
まずは次数に注目します。これは分子と分母で次数が同じなので割り算を考えるより先に因数分解を考えましょう。
分子分母それぞれで因数分解できるかを見てみます。できそうですか?
できますね。
$$x^2-2x-15=(x-5)(x+3)$$
$$x^2+2x-3=(x+3)(x-1)$$
よって
$$\frac{x^2-2x-15}{x^2+2x-3}=\frac{(x-5)(x+3)}{(x+3)(x-1)}=\frac{x-5}{x-1}$$
となります。因数分解をすると約分できる例でした。
問題2に移りましょう。
問題2は因数分解したいところですが3次式ですね。分母と分子に着目すれば分子のほうが次数が大きくなっていることが分かるので、割り算をすればうまくいくはずです。
筆算をしてしまいましょう。大丈夫ですね。
ここまで来たらあとはこの結果を考えるだけです。
この結果からわかることは
$$x^3-7x^2+13x-12=(x-5)(x^2-2x+3)+3$$
ということです。商、あまりの関係がわかっていれば簡単ですね。
これを問題に当てはめれば、
$$\frac{x^3-7x^2+13x-12}{x^2-2x+3}=\frac{(x-5)(x^2-2x+3)+3}{x^2-2x+3}$$
です。あとは二つに分けてしまえば、
$$\frac{(x-5)(x^2-2x+3)+3}{x^2-2x+3}=x-5+\frac{3}{x^2-2x+3}$$
となります。割り算をした場合はこのように分数式を次数が下がった二つの式でかける形になります。
では最後に問題3を解いていきましょう。
3は分数に分数なのでまずは形を整えます。
もちろん分数は割り算に直せるので、
$$\frac{\frac{1}{x^2+4x-5}}{\frac{2}{x-1}}=\frac{1}{x^2+4x-5}\div \frac{2}{x-1}$$
より
$$\frac{1}{x^2+4x-5}\div \frac{2}{x-1}=\frac{1}{x^2+4x-5}\times \frac{x-1}{2}$$
です。よってこれは
$$\frac{x-1}{2(x^2+4x-5)}$$
を計算することと同じですね。ここまでくればあとはやることは同じ。
次数はOKなので、因数分解を考えます。
$$x^2+4x-5=(x+5)(x-1)$$
ですので、
$$\frac{x-1}{2(x^2+4x-5)}=\frac{x-1}{2(x+5)(x-1)}=\frac{1}{2x+10}$$
となります。分数に分数も怖くないですね。
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まとめ
分数式は必ず方針を頭に入れて”何をやるか”を考えてから取り組むようにしましょう。そうするだけで問題をやった成果は2倍にも3倍にもなります。じっくり考えることを忘れずに。
ではまた。
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