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二項定理を簡単に覚える! 定数項・係数の求め方

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

二項定理について

二項定理と聞いてなんだっけと思う人は多いと思いますし、この記事を見てくださっている人はその1人なのではないでしょうか。

そもそも二項定理とはなんなのかを知り、さらに二項定理の導出を踏まえて使い方を学んでいきましょう。

二項定理とはなにか

まず二項定理とは何かを説明しましょう。二項定理とは簡単に言えば

 

展開の公式の一般系

 

です。一般系と言われると難しく感じるかもしれませんが、言いたいことは展開の公式がこれ一つで全部わかるということです。

ここでは二項定理に移る前にまずは私たちの知っている展開の公式からおさらいします。

馴染み深い展開の公式といえばこの公式でしょう。

 

$$(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$$

 

そうです二乗の展開公式です。この公式はもちろん分配法則を使えば簡単に示せます。

 

$$(a+b)^2=(a+b)(a+b)=a^2+ab+ba+b^2=a^2+2ab+b^2$$

 

大丈夫ですね。また私たちは三乗の展開式も学習しました。

 

$$(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$$

 

この式は覚えるのに苦労した人も多いでしょう。この記事

 

展開の公式の導出と覚え方
  こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。   展開の公式 展開の公式は中学の時点でやっていますが、ここでもう一度導出と確認をしておきましょう。 今後は何も言われずとも当...

 

で少し解説しているのでもし興味があれば参照してください。

ここまではある意味”覚えてね”という公式でした。ではこれはどうですか?

 

$$(a+b)^4$$

 

4乗の展開式なんて習っていませんよね。これがすぐにでてくる人はすごいです。ただ多くの人はこんな風に計算するのではないでしょうか。

 

$$(a+b)^4=(a+b)^2\cdot (a+b)^2=(a^2+2ab+b^2)(a^2+2ab+b^2)=a^4+4a^3b+6a^2b^2+4ab^3+b^4$$

 

こうすれば一応計算できますが、これをいちいち問題ごとにやっていたら時間がかかるし面倒です。

4乗ならまだいいですが、こんなのはどうですか。

 

$$(a+b)^{10}$$

 

正直10乗なんてやってられないですよね。こういう時にある程度簡単に計算できたら嬉しいです。それを公式で解決しようというのが二項定理の始まりです。

要するに

 

$$(a+b)^n$$

 

どういう結果になるかがすぐ(もちろん少し計算は必要です)にわかればいいわけですね。

さて、あなたならどうしますか。どうすればこの累乗の計算をうまくできるでしょうか。大昔の数学者は考えました。頭のいい方法です。ですが私たちにもちゃんと理解できますのでご安心を。

二項定理を導出する

では公式を作りましょう。

といってもどうしたら良いでしょうか。もちろん一個一個確認するなんてやり方はできませんのでうまい方法を考えなくてはなりません。

まず一番最初に考えた2乗の展開から考えてみます。これを一個一個分配法則で項を出してみましょう。

 

$$(a+b)^2=(a+b)(a+b)=a^2+ab+ba+b^2$$

 

この真ん中にある \( ab\) が2つあるので式としては

 

$$a^2+2ab+b^2$$

 

が出来上がりました。ですがこれを分配法則をするところで考えてみます。これらの項はどうやって作られるかというと

 

 

と考えることも可能です。それぞれの組からどちらの文字を取るのかということと項の文字の数が一致していますよね。

\(a\) を取るのか \(b\) を取るのかをそれぞれの項で決めればある一つの項ができます。

ただこれでは少ないので3乗で確認してみます。

3乗は

 

$$(a+b)(a+b)(a+b)$$

 

とできます。例えば全ての \((a+b)\) から \(a\) を取れば \(a^3\) の項ができます。これはもちろん一つしか作れません。ですが \(aab\) の組み合わせは何個かありそうですよね。

左・真ん中・右の順に \(a\ a\ b\) ととってもいいですが \(b\ a\ a\ \) ととっても良さそうです。この組み合わせ方は何通りあるでしょうか。

これは \(a\) を取ってくるところを決めればいいので3個の \((a+b)\) から \(a\) を取るところを決める決め方

 

$$_{3}\mathrm{C}_{2}$$

 

で計算できます。計算結果は \(3\) なので項として

 

$$3a^2b$$

 

がでてくるのです。こう考えると3乗の展開式の各項が全てわかります。

 

$$(a+b)^3={}_3 \mathrm{C}_3 a^3+{}_3 \mathrm{C}_2 a^2b+{}_3 \mathrm{C}_1 ab^2+{}_3 \mathrm{C}_0 b^3$$

$$=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$$

 

これで3乗の展開式を計算することができましたね。こう考えると何乗でも展開式をかけると思いませんか?

例えば5乗の展開式を考えると

 

$${}_5 \mathrm{C}_5 a^5 +{}_5 \mathrm{C}_4 a^4b +{}_5 \mathrm{C}_3 a^3b^2 +{}_5 \mathrm{C}_2 a^2b^3 +{}_5 \mathrm{C}_1 ab^4 +{}_5 \mathrm{C}_0 b^5$$

 

と計算すればいいですね。今回は5つの取れる場所があります。

これで

 

$$(a+b)^5=a^5+5a^4b+10a^3b^2+10a^2b^3+5ab^4+b^5$$

 

と計算できてしまいます。これを一般的に書いたものが二項定理なのです。

二項定理は覚えなくても良い?

ここまで二項定理の説明をしてきましたが、正直なところ公式を覚えるよりどうやれば項が計算できるかを知っておいたほうが絶対に良いです。

なぜなら5乗の展開式をそのまま使うことはほとんどありませんし、項の作り方さえ分かっていればいつでも公式を作れるからです。

その例としてよくある問題を一つ挙げておきます。

 

 

\((2x-3y)^5\) の \(x^2y^3\) の項の係数は何か

 

 

 

これは今までの話が理解できていれば解くことができる問題です。少し考えてやってみてください。

考えてみましたか?では解答に移ります。

 

まず最初に考えるべきことは \(x^2y^3\) はどのようにすれば得られるかを考えます。5乗ですから取れる場所は5個。そこから \(x^2y^3\) を得るには \(2x\)2\(-3y\) を3取ってくればいいです。

ここで注意なのがマイナスも含めて考えることです。私たちはあくまで式を作るときに \((a+b)\) で考えていましたので \(a\) には \(2x\) 、\(b\) には \(-3y\) が対応します。

 

戻りましょう。ではその選び方は何通りあるでしょうか。

これはもちろん \(2x\) を5個の中から2つ取れば全ての組み合わせになりますので係数には \({}_5 \mathrm{C}_2\) がつきますね。

もちろんこれが答えではありません。なぜなら選ぶ文字にも係数が付いているからです。要するにこういうことですね。

 

$${}_5 \mathrm{C}_2 (2x)^2(-3y)^3$$

 

この式の係数が今欲しい \(x^2y^3\) の係数になります。計算すると

 

$${}_5 \mathrm{C}_2(2x)^2(-3y)^3=10\times 2^2 \times (-3)^3 x^2y^3=-1080x^2y^3$$

 

で、\(-1080\) です。

展開式を全て書かなくても良いことがわかりますね。

まとめ

二項定理は難しい公式に見えますがその原理は実は単純です。この原理をしっかり理解できるかが使いこなせる鍵です。自分で納得できるまで読んで自分のものにしましょう。

ではまた

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