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三角関数のはいった方程式・不等式の見極め方と解き方〜その1〜

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

三角関数の入った方程式や不等式はこの記事

 

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で解説しましたが、どのような方針で変形や置き換えなどをしたら良いのかということをここでは解説します。

 

どんな分野でもそうですが、数学は

 

自分の知っている、「解ける形」に変形する

 

ことを目指します。なぜなら私たちは基本にしている概念という武器しか持っていないからです。

なぜ一見解けなさそうな問題が解けるかというと、その問題を変形、置き換えを使って自分の基本概念が通用する形にしているからです。

 

ですから

 

問題を解く=自分の知っている知識へ導く

 

というイメージを持っておくと良いでしょう。三角方程式、不等式においては特にです。

では問題を見ながらどういう方針を立てていくかを一緒に考えていきましょう。

 

まずはこの問題。

 

$$2\sin\theta=-\sqrt{3}$$

 

いつもと違う、すなわち私たちが解ける形との違いを確認します。

大きく違うところは \(\sin\) の前に数字があることですね。これはなんとかしないといけません。

ですがこれに関しては問題はありません。\(\sin\) の前に数字があるのが嫌なら、方程式ですから割ってしまえばいいですね。

 

$$\sin\theta=-\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

こうなると私たちの知っている形です。これなら解けるはず。角度の範囲は \(0^{\circ} \leqq \theta \leqq 360^{\circ}\) としましょう。すると

 

$$\theta=240^{\circ}\ ,\ 300^{\circ}$$

 

ですね。もちろん単位円をイメージして解きますよ。

 

ではお次。これはどうでしょう。

 

$$\sin(\theta -30^{\circ})=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

違いを確認します。今回は角度部分がヘンテコな形になってますね。私たちが考える \(\theta\) の部分から角度が引かれています。

まずはこの意味について考えてみましょうか。例えば私たちが \(\theta\) に \(60^{\circ}\) を代入したら

 

$$\sin(60^{\circ}-30^{\circ}=\sin 30^{\circ}=\frac{1}{2}$$

 

となるので帰ってくる答えは \(\frac{1}{2}\) です。

つまり今求めたい \(\theta\) は、そのまま入れて \(\sin\) が \(\frac{\sqrt{3}}{2}\) になる角度ではなく \(\theta\) から \(\30^{\circ}\) 引いた角度を \(\sin\) に入れたとき \(\frac{\sqrt{3}}{2}\)  になる、そんな角度です。

 

うーん、正直考えずらいです笑。

そんなこといちいち考えるより 一度 \(\sin\) が \(\frac{\sqrt{3}}{2}\) になる角度を考えて、それに30度足した方が早いですよね?これは全く同じことをしているはずです。

 

ここ大事です。理解できるまでなんども反芻してください。自分なりに理解できましたか?

 

それを数式でやるとなるとこんな風にすればいいです。まず、角度部分を考えるのが嫌なので置き換えてしまいます。たとえば \(t\) とかに。

そうすると

 

$$\sin t=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

となり見栄えが良くなります。これをまずは解くのです。とにかく何も考えずにこれを解きます。もちろん置き換えたら範囲の確認はしなくてはいけません。ありえない角度を出さないようにするためですね。

今回は角度の範囲を \(0^{\circ} \leqq \theta \leqq 360^{\circ}\) にしましょう。そうすると

 

$$-30^{\circ}\leqq \theta -30^{\circ}\leqq 330^{\circ}$$

 

より

 

$$-30^{\circ}\leqq t \leqq 330^{\circ}$$

 

になりますね。

本音を言うと、ここで範囲を確認しなくても出て来た答えがもとの \(\theta\) の範囲に入っていなければ答えとして外せばいいだけなのであまりやる意味を感じないかもしれません。

ですが不等式を解くときにはかなり重要になってくるので是非少しやって慣れておいてください。

では範囲を確認したところで解きます。置き換えた式は簡単ですね。単位円をここでは書きませんがかならず意識してくださいね。

 

$$t=60^{\circ}\ ,\ 120^{\circ}$$

 

この答えがちゃんと出て来ましたね。この答えは置き換えた文字の範囲に入っているのでOKです。

そして最後に置き換えた文字を戻してほしいシータに直します。

 

$$\theta-30^{\circ}=60^{\circ}\ ,\ 120^{\circ}$$

 

これで答えが

 

$$\theta=90^{\circ}\ ,\ 150^{\circ}$$

 

と出て来ます。もちろんこの答えは問題に代入すれば

 

$$\sin(90^{\circ}-30)=\sin60^{\circ}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

$$\sin(150^{\circ}-30)=\sin120^{\circ}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

 

になるのでちゃんと問題に当てはまりますね。

こんな風に三角関数では角度部分を置き換える方法をこれでもかと使うので練習は欠かせません。

今回はここまで。その2では不等式を詳しく扱います。

いったん広告の時間です。

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まとめ

三角方程式は基本の形が解ければそれに近づけていくだけです。解ける人がどんな方針で解いているのかがわかると一気に先が見えるようになります。とにかくわかる形に近づけることを意識してみてください。

ではまた

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