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階差数列の考え方

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

さて、今回は階差数列について考えていきます。まず階差数列とは何かというと
 
「隣り合った項同士の差」の数列
 
です。
 
例えばこんな感じです。もし次のような数列
 
6 11 18 27 38…
 
があった場合、階差数列を考えると、
 
5 7 9 11…
 
です。
 
そしてこの階差数列が私たちの知っている数列(等差数列or等比数列)なら『元の数列の一般項』がわかるのです。

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なぜ階差数列を考えるのか

なぜかを説明します。ある数列を考え、それを初項からa1a2 …で表すとしましょう。先ほど説明した階差数列を取るとこのようになります。
 
bn は階差数列を表す記号です。
 
要するにわかりやすく書くと
 
ということです。
 
しかし、元の数列は初項から次のように変形することができます。
 
 
すこしトリッキーですがそれぞれ右辺を計算すると元に戻ることが確かめられますね。
 
ここに書いてある通り、今欲しい第 n 項は以下のように書くことができます。
 
an=a1+b1+b2+bn1
 
 
この右辺2項目以降はまさに先ほど説明した階差数列のn1 番目までの和です。よって、欲しい数列の一般項は階差数列の和を使って
 
an=a1+k=1n1bk
 
と求めることができるわけです。
 
先ほど
 
階差数列が等差数列か等比数列なら元の数列の一般項が求められる
 
といったのは、私たちはそれらの数列の和は前回までに学習したからですね。
 
少し細かい話ですが、この階差数列から元の数列の一般項を求める式は、n=1では意味を持ちません。なぜなら「シグマの和をとる上限がn1」だからです。もしn=1を入れると
 
a1=a1+k=10bk
 
となり意味の分からない和がうまれてしまいます。なので階差数列の式を使うときは
n2
 
という条件付きで使用し、後でその一般項から得られる初項が元の数列の初項と一致しているかを確かめます。
 
まとめると
 
 
元の数列の一般項をan、初項をa1、階差数列をbnとするとn2の下で
an=a1+k=1n1bk
が成り立つ。

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ちょっと例題

物は試し。例題を通して実際に求めてみましょう。

 
例えば次の数列の一般項を求めてみます。
 
6 11 18 27 38…
 
見た目はよくわからない数列ですが階差数列を取ってみると見たことのある数列が浮かび上がってきますね。
 
5 7 9 11…
 
これはまさしく初項5、公差2の等差数列です。等差数列の一般項は
 
bn=5+(n1)2=2n+3
 
と計算できます。もちろんbnと書いたのは、あくまでこの一般項は階差数列のものだからですね。
 
よって階差数列の式に代入すると欲しい数列の一般項は、n2のとき
 
an=a1+k=1n12k+3=6+2k=1n1k+3k=1n11
=6+212(n1)n+3(n1)=6+n2n+3n3=n2+2n+3
 
と計算できるわけです。シグマ記号一番最後がn1であることに十分注意してください!!
 
そして最後に、今求めた一般項がもともとの数列の初項を導き出せることを確認します。要するに求めたanからa1を計算するだけです。
 
a1=12+21+3=6
 
より確かに元の数列を完全に表しています。これで計算は終了です。
 

終わりに

ここまで、階差数列について学習しました。これで私たちが扱える数列がまたひとつ増えたわけです。変な数列が出てきてもとりあえず階差数列をとれば見えてくるものがあるかもしれません。あきらめずに何度も繰り返し練習してくださいね。

ここまでで挙げた3つの数列はとても重要です。正直に言って必ず知っておかなければいけない数列ですので、頑張って覚えましょう。

ではまた。

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