「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

数学における領域と不等式 不等式の表す領域の図示

スポンサーリンク

 


 

 

こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

この記事のトピックは「領域と不等式の関係と書き方」です。

 

 

そもそも領域って何?

図形と方程式の範囲で最後に出てくるのがこの「領域」の分野です。

ここで考えている「領域」というものは一体何なのかをまずは理解するところから始めましょう。

数学における領域とは

 

 

ある \(x\)、\(y\) の不等式を満たす \((x,y)\) という組を全て集めた集合

 

 

です。言葉で書くと難しそうに聞こえるのですが、簡単な例でこの意味を確認してみたいと思います。

例えばこんな不等式があったとしましょう。

 

\(y>x+3\)

 

この不等式を満たす \((x,y)\) という組は無数にあります。

例えば \((1,5)\) とか \((4,20)\) とか。いっぱいありますよね。

 

ではこの無数にある不等式を満たす組を「座標平面」で表したらどこを示しているのでしょうか。

いっぱいある中でいくつか点を打ってみましょう。

 

 

もちろん整数の点だけではないので今点を打ったあたりは全て埋め尽くされますね。

ではギリギリは果たしてどこなのかというのが問題になってきます。

それは

 

\(y>x+3\)

 

が成り立つギリギリですが、ちょうど成り立たないところは

 

\(y=x+3\)

 

を満たす座標ですね。これはまさしく直線ですが、この直線上にある点はちょうどギリギリ不等式を満たしません。ですから

 

 

このように 「\(y=x+3\) 上の点はダメ」「それよりも上側の点は先ほどの不等式を満たす」という格好になります。大丈夫でしょうか。

ですから先ほどの不等式を満たす点の集合は

 

 

この斜線部分にある点全てになりますね。もちろん直線上は満たしませんからそこは除きます

これが数学における不等式の表す領域です。難しいことはしていません。不等式を満たす点を考えて、それらはどこにいるのかを図示する。これが領域になるわけです。

いったん広告の時間です。

スポンサーリンク

直線が境界線上の領域

さて、領域とはどんなものかがわかったところで、いろんな不等式の領域を見ていきましょう。

最初は最初の例にも出しましたが、直線が関わる領域です。

先ほどの問題 \(y>x+3\) がなぜあのように図示できたかというと

 

\(y=x+3\)

 

がわかっていたからですね。つまり直線の形が見えれば、その直線がちょうど不等式を満たすか、はたまた満たさないかを分ける境界線になっていることがわかるのです。

例えば

 

例題\(y<2x+3\) の表す領域を図示せよ

 

こんな問題が出てきたらどう考えるかというと、まず \(y=2x+3\) を書きます。

 

 

そうするとこの直線がちょうど不等式を満たすか満たさないかの境目であることがわかるでしょう。

次に不等式を満たす点たちはどこにいるのかを考えます。例えば \((1,2)\) という点は不等式を満たしますね。

つまり

 

 

ここにある点は不等式を満たします。ということは明らかに、この不等式が表す領域は

 

 

この部分になりそうですね。

「ギリギリが直線上で、それよりも \(y\) が小さくなる場所が欲しい領域」という観点でも簡単に分かります。

つまり不等式が直線の式の形にできる場合はこのようにして領域を図示することが可能なわけです。

先ほど考えた「ギリギリが直線上で、それよりも \(y\) が小さくなる場所が欲しい領域」というやり方に基づけば、こんな風に公式化することもできます。

 

 

 

直線 \(y=mx+k\) を \(l\) とすると

 

不等式 \(y>mx+k\) の表す領域は 直線 \(l\) の上側

不等式 \(y<mx+k\) の表す領域は 直線 \(l\) の下側

 

である

 

 

不等式を見て直線の形が見えた時は不等号の向きだけを考えればすぐにわかるのですね。

 

\(y\) の方が大きければ上、 \(y\) の方が小さければ下という具合です。

 

 

いったん広告の時間です。

スポンサーリンク

円が境界線の領域

さて、次はというとこんな不等式を考えてみましょう。

 

例題\(x^2+y^2>9\) の表す領域を図示せよ

 

これは見た目が円の方程式になっています。この不等式が表す領域はどこなのでしょうか。

これもやはりギリギリから考えてみましょうか。ちょうど

 

\(x^2+y^2=9\)

 

が成り立つのは原点が中心で半径 \(3\) の円ですから

 

 

ここですね。では不等式が表すのは・・・?

例えば \((4,5)\) という点は不等式を満たします。ですから

 

 

ここはOKというわけです。半径よりも \(x^2+y^2\) が大きいということはつまり

 

円の外側の点は全てこの不等式を満たす

 

ということになりますね。ですので \(x^2+y^2>9\) が表す領域は

 

 

となるのです。イメージできましたでしょうか。ということは

 

\(x^2+y^2 \leqq 9\)

 

はもちろん

 

 

この部分になります。今回は不等号が \(\leqq\) となっているので円上も領域に入ることに気をつけましょう。もちろん中心が原点になくても考え方は同じです。

 

\((x-2)^2+(y-3)^2 \leqq 9\)

 

 

 

ですね。

まとめると

 

円 \((x-a)^2+(y-b)^2 = r^2\) を \(C\) とした時

 

不等式 \((x-a)^2+(y-b)^2 > r^2\) を表す領域は円 \(C\) の外部

不等式 \((x-a)^2+(y-b)^2 < r^2\) を表す領域は円 \(C\) の内部

です。

いったん広告の時間です。

スポンサーリンク

問題をやってイメージを掴む

ではここまでの話のまとめとしていろんな問題を解いてみましょう。基本的には自分の知っている形にして、求める領域がどこなのかを見極めるだけです。

問題1

例題\(2x-y+5\geqq 0\) の表す領域を図示せよ

これはひと目変な感じですが、変形すればすぐに直線の式と同じにできることがわかります。

 

\(y\leqq 2x+5\)

 

ですね。今回は \(y\) の方が小さいと言っているので、直線の下側が求める領域です。境界線上も含みますね。

 

 

答えの書き方としてはこんな風に書くとかっこいいと思います。

 

\(2x-y+5\geqq 0\) の表す不等式は下図の斜線部部である。ただし境界線を含む。

 

境界線上はどうなのかをしっかりと書くようにすると良いですよ。

どんどんいきましょう。

問題2

例題\((x+2)^2+(y-1)^2 \leqq 3\) の表す領域を図示せよ

これは説明でも出てきたような形ですね。円であることは明らかですのであとは内側か外側かを考えるだけです。

今回は半径のほうが大きいと言っているので・・・「内側」ですね。ですので

 

\((x+2)^2+(y-1)^2 \leqq 3\) の表す領域は下図の斜線部分である。ただし境界線を含む

 

 

こうなりますね。できましたでしょうか。

問題3

最後は少し意地悪な問題を一つ

例題\(x^2+y^2+2x-8\geqq 0\) の表す領域を図示せよ

ん?みたことない形ですね。これはお手上げでしょうか・・・

いいえ、形を見てみてください。これ、円の一般系ではないですか?つまり不等式の左辺は円の標準形にできるはずです。

 

\begin{eqnarray}x^2+y^2+2x-8&\geqq& 0\\[5pt]x^2+2x+y^2-8 &\geqq& 0\\[5pt](x+1)^2-1+y^2-8 &\geqq& 0\\[5pt](x+1)^2+y^2 &\geqq& 9\end{eqnarray}

 

ちゃんと円の式になりました。ここまで来ればやることは同じです。今回は半径のほうが小さく左辺の方が大きいので・・・「外側」ですね。

答えは

 

\(x^2+y^2+2x-8\geqq 0\) の表す領域は下図の斜線部分である。ただし境界線を含む

 

 

ですね。できましたでしょうか。

まとめ

不等式の表す領域は一度わかってしまえば機械的にできてしまいます。公式を自分自身で確認して「なるほど!」と理解できれば、あとはどちらかなと考えるだけですね。ここまでの直線や円の式を理解できていれば新しいことは多くないはずです。がんばりましょう!

ではまた。

スポンサーリンク
図形と方程式
スポンサーリンク
高校数学の知識庫

コメント