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三角関数が含まれる方程式・不等式の置き換えシリーズ~その2~

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こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

この記事ではもう一つ踏み込んで三角関数が含まれる方程式・不等式を扱ってみます。

 

問題としては解きづらいものが多く、教科書などでは応用例題として取り上げられていることが多いです。ですが、三角方程式・不等式としては非常に重要ですし、三角関数の総仕上げ的な立ち位置でもあるのでしっかりと取り組みたいところです。

 

今回も例題を見ながらその見極めるポイントなどを見ていきましょう。

三角関数でも因数分解があるパターン

タイトルでネタバレになるのですが、問題はこちら。

\(0^{\circ} \leqq \theta \leqq 360^{\circ}\) の時

 

\(\sin 2\theta\geqq \cos\theta\) 

 

を解け。

 

三角関数において大事なパターンは3つです。

 

  1. 因数分解する
  2. 同じ三角関数だけにして置き換えをする
  3. 合成をする

 

これらを順に考え、当てはまるもので解けばよいです。そこで大事なのがどの方法にすればいけるかをしっかりと考えることです。

私たちにできることは

 

公式を使って違う形にする

 

ことです。ですからこの部分に公式を使ったらどんな式になるのかをしっかりとイメージすることが大事なのです。そこで出てきたものが先ほど挙げた3つのパターンにできそうかどうかを判断するのですね。

 

今回は公式が使えるとしたら \(\sin 2\theta\) の部分です。これは公式を使えば

 

\(\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta\) 

 

になります。こうしたときに何ができるか考えてみると、

 

\(2\sin\theta\cos\theta\geqq \cos\theta\)

 

\(2\sin\theta\cos\theta-\cos\theta\geqq 0\)

 

としたら因数分解ができそうです。方程式と不等式は因数分解できれば解けます。なぜなら

 

\(\cos\theta(2\sin\theta -1)\geqq 0\)

 

となり、かけてマイナスになるためには

 

\(\cos\theta\leqq 0\) かつ \(2\sin\theta -1\geqq 0\)

 

または

 

\(\cos\theta\geqq 0\) かつ \(2\sin\theta -1\leqq 0\)

 

であればいいですよね。これはそれぞれ解けるはずですね。三角関数の通常の不等式です。

 

\(\cos\theta\leqq 0\) より \(0^{\circ} \leqq \theta \leqq 90^{\circ}\) または \(270^{\circ} \leqq \theta \leqq 360^{\circ}\)

 

\(2\sin\theta -1\geqq 0\) より \(\sin\theta\geqq \frac{1}{2}\) なので \(30^{\circ}\leqq 150^{\circ}\)

 

すなわち1つ目の条件から出る答えは今出した2つの範囲のどちらにも入っている角度なので、

 

\(30^{\circ}\leqq \theta \leqq 90^{\circ}\) 

 

ですね。同様にして

 

\(150^{\circ}\leqq \theta \leqq 270{\circ}\)

 

が2つ目の条件から出てきます。この二つの条件から出た答えはどちらも不等式を満たすのでどちらも答えになりますね。

よって答えは

\(30^{\circ}\leqq \theta \leqq 90^{\circ}\) 

または

\(150^{\circ}\leqq \theta \leqq 270{\circ}\)

 

です。因数分解をした後の計算に慣れましょう。

 

 

Focus

因数分解できれば方程式・不等式は解ける

 

件から答えを出すときには共通範囲なのかどちらも答えなのか考える

 

変形を施して合成に持ち込むパターンその1

 

\(0^{\circ} \leqq \theta \leqq 360^{\circ}\) の時

 

\(-\cos 2\theta -2\sin\theta\cos\theta+1=0\) 

 

を解け。

 

次は何をすればいいでしょうか。何となく

 

\(\cos 2\theta=\cos^2\theta -sin^2\theta\)

 

とかほかの形も使いたいところですが、それをして本当に因数分解や置き換えができるかをしっかりと考えます。

これはこの変形を施してもダメですね。置き換えするにしても \(\sin\theta\cos\theta\) があるのでここがどうしようもありませんし、因数分解しようとしても数字の定数が残ってしまいます。

 

この場合、考えることは

 

\(\sin\) と \(\cos\) の足し算・引き算にできないか

 

ということです。これが出てくれば私たちは「合成」ができますね。

 

ですから今回は \(\sin\theta\cos\theta\) に注目します。これは

 

\(2\sin\theta\cos\theta=\sin 2\theta\) 

 

がありますから変形出来そうです。二倍角を逆に使うのですね。そうすれば

 

\(-\cos 2\theta -2\sin\theta\cos\theta+1=0\) 

 

より

 

\(-\cos 2\theta -sin 2\theta+1=0\) 

 

です。\(2\sin\theta\cos\theta=\sin 2\theta\) なのを忘れないように。2が先頭にあります。

 

ここまで来たら左辺の足し算部分を合成です。合成が不安な方はこちら。

 

三角関数を一つにする?三角関数の合成のやり方(公式編)
  こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。   この記事は前記事 を見てから読むことをお勧めします。公式だけを知っているのは勿体無いのでぜひ寄り道してください。...

 

 

\(-\cos 2\theta -\sin 2\theta=\sqrt{2}\sin\left(2\theta +135^{\circ}\right)\)

 

ですね。\(2\theta\) に注意です。よって

 

\(\sqrt{2}\sin\left(2\theta +135^{\circ}\right)+1=0\)

 

\(\sin\left(2\theta +135^{\circ}\right)=\frac{1}{\sqrt{2}}\)

 

ですね。ここまでくればあとは嫌なところを置き換えて解くだけです。これはさんざんやったはずです。

\(t=2\theta+135^{\circ}\) と置くと \(t\) の範囲は

 

\(135^{\circ}\leqq \theta+135^{\circ}\leqq 495^{\circ}\)

 

\(135^{\circ}\leqq t \leqq 495^{\circ}\)

 

ですので、この範囲で

 

\(\sin t=\frac{1}{\sqrt{2}}\)

 

を解けばいいですね。角度の範囲に注意して解けば

 

\(t=150^{\circ}\ ,\ 390^{\circ}\)

 

より

 

\(\theta+135^{\circ}=150^{\circ}\ ,\ 390^{\circ}\)

 

\(\theta=15^{\circ}\ ,\ 225^{\circ}\)

 

と答えが出せます。変形の後はいつもの少し難しいパターンの方程式でしたね。

 

 

Focus

\(\sin\) と \(\cos\) の和の形は一つにできる

 

合成ができる形に持っていければ角度置き換えパターンで解ける

 

変形を施して合成に持ち込むパターンその2

 

\(0^{\circ} \leqq \theta \leqq 360^{\circ}\) の時

 

\(-4\sqrt{3}\sin^2 \theta+4\sin\theta\cos\theta+2\sqrt{3}-2\geqq 0\) 

 

を解け。

 

最後です。これはどうしましょう。

「\(\sin^2\theta\) があるから\(\cos\) にできるじゃん!」って思った人はだんだん三角関数に慣れてきているのが見えて素晴らしいですがちょっと待ってください。

 

変形したら因数分解できそうですか?うまく解けそうですか?それを考えましょう。

 

少し厳しそうですね。因数分解は \(\sin^2\theta\) でも \)\cos^2\theta\) でも同じですが、数字の定数が邪魔をします。

では2倍角か?と思えた人は素晴らしい。\(\sin\theta\cos\theta\) がありますからこれは2倍角を使えそうです。

となると \(\sin^2\theta\) はどうしましょう。何か公式があったでしょうか。

 

ありましたね。半角の公式です。

 

\(\sin^2 \theta=\frac{1-\cos 2\theta}{2}\)

 

このような問題があるので上の形で覚えておくのが無難です。2乗を2倍角にできるのです。

 

これを使えば

 

\(-4\sqrt{3}\sin^2 \theta+4\sin\theta\cos\theta+2\sqrt{3}-2\geqq 0\)

\(-4\sqrt{3}\cdot \frac{1-\cos 2\theta}{2}+2\sin 2\theta+2\sqrt{3}-2\geqq 0\)

 

なので

 

\(-2\sqrt{3}+2\sqrt{3}\cos 2\theta+2\sin 2\theta+2\sqrt{3}-2\geqq 0\)

 

より

 

\(2\sin 2\theta+2\sqrt{3}\cos 2\theta\geqq 2\)

 

です。これは合成できる形ですね。ここまで持ってくればあとは解くだけです。2で割っておきましょうか。

 

\(\sin 2\theta+\sqrt{3}\cos 2\theta\geqq 1\)

 

左辺を合成して

 

\(\sin 2\theta+\sqrt{3}\cos 2\theta=2\sin\left(2\theta +60^{\circ}\right)\)

 

より

 

\(2\sin\left(2\theta +60^{\circ}\right)\geqq 1\)

 

 

\(\sin\left(2\theta +60^{\circ}\geqq \right) \frac{1}{2}\)

 

\(t=\theta+60^{\circ}\) で置き換えて範囲の確認をします。

 

\(60^{\circ}\leqq \theta+60^{\circ}\leqq 420^{\circ}\)

 

\(60^{\circ}\leqq t \leqq 420^{\circ}\)

 

あとは

\(\sin t \geqq \frac{1}{2}\)

 

を単位円を使って解きましょう。スタートが \(60^{\circ}\) なので注意です。

\(60^{\circ}\leqq t \leqq 150^{\circ}\ ,\ 390^{\circ}\leqq t \leqq 420^{\circ}\)

 

ですので

\(60^{\circ}\leqq \theta+60^{\circ} \leqq 150^{\circ}\ ,\ 390^{\circ}\leqq \theta+60^{\circ} \leqq 420^{\circ}\)

 

より

 

\(0^{\circ}\leqq \theta \leqq 90^{\circ}\ ,\ 330^{\circ}\leqq \theta \leqq 360^{\circ}\)

 

です。やはり不等式になると複雑ですがあきらめずに解いてくださいね。必ずできます。半角が出てきましたので忘れていた人は思い出してください。

 

 

Focus

\(\sin^2\theta\)、 \(\cos^2\theta\) は半角で2倍角の形にできる

 

合成に持ち込むパターンは多いのでそれぞれマスターしたい

まとめ

問題を通して変形、方程式・不等式の解き方をしっかりとマスターしてください。ここで出てきたものがすらすらできれば三角関数はおおよそ磨きがかかってきたといっていいでしょう。ですがもちろん難関大や難しい問題を解くためということでいえば絶対にできるようにしたいところでもあります。一つずつ階段を登っていきましょう。

長くなりましたがここまで読んでくださりありがとうございます。

ではまた

 

 

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