「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

三角関数のはいった方程式、不等式の見極め方と解き方〜その2〜(弧度法・ラジアン)

スポンサーリンク

 


 

 

こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。

 

 

今回はその2です。ここでは不等式を中心に扱っていきます。その1をまだ見ていない方は以下の記事を見てから戻って来ると良いでしょう。

 

三角関数のはいった方程式・不等式の見極め方と解き方〜その1〜(弧度法・ラジアン)
  こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。   三角関数の入った方程式や不等式はこの記事 で解説しましたが、どのような方針で変形や置き換えなどをしたら良いのかということをここでは解説します...

 

では行きます。問題を解きながら解説していきますよ。

問題は

 

\(2\cos\theta +1\geqq 0\)

 

です。角度は \(0\leqq \theta < 2\pi\) とします。

不等式ですが私たちの知っている形にはなっていませんね。方程式でもあったように基本的には

 

三角関数と数字を分ける

 

ことができれば解けるはずです。

今回の場合は移項、割り算を使えば

 

$$\cos\theta \geqq -\frac{1}{2}$$

 

になりますよね。あとはこれを解くだけです。単位円で考えましょう

 

 

この赤い部分が答えになります。答えの指定の仕方に注意してくださいね。\(0\leqq \theta< 2\pi\) ですから、マイナスの角度からスタートはできません。

これらを踏まえれば答えは

 

$$0\leqq \theta\leqq \frac{2}{3}\pi\ ,\ \frac{4}{3}\pi\leqq \theta < 2\pi$$

 

です。大丈夫ですね。知ってる形まで変形できれば安心です。

 

ではこれはどうでしょう。

 

$$\sin\left(\theta -\frac{\pi}{3}\right)\leqq -\frac{1}{2}$$

 

こちらも方程式で同じようなものがありました。入れる \(\theta\) と帰ってくる三角関数の値が変わってしまうものですね。

方程式の場合はこのヘンテコな部分を置き換えましたが不等式でも同じです。

 

ですが気をつけなくてはならないのは、置き換えた後の文字の範囲が非常に重要であることです。

なぜなら不等式の場合は答えるときに角度の範囲を指定します。ですから文字の範囲がダイレクトに答えに反映されてしまうのです。

とは言ってもやることは単純で

 

  1. 置き換える
  2. 置き換えた文字の範囲を確認する
  3. その範囲の中で不等式を解く
  4. 戻す

 

というステップを踏めば必ず解けます。やってみましょう。

まずは置き換えます。文字は自分の好きな文字で構いません。よく \(t\) を使いますが別に決まってるわけではないですよ。

一応ここでは \(t\) を使いましょうか。式は

 

$$\sin t \leqq -\frac{1}{2}$$

 

になります。こうなれば解きやすくなりますね。

ですがやることはまず範囲の確認です。今回の範囲は\( 0\leqq \theta\leqq 2\pi\) ですので \(t\) の範囲を知りたければ全体から \(\frac{\pi}{3}\) 引けばいいですね。

 

$$-\frac{\pi}{3}\leqq\theta-\frac{\pi}{3}\leqq \frac{5}{3}\pi$$

 

なので

 

$$-\frac{\pi}{3}\leqq t \leqq \frac{5}{3}\pi$$

 

です。あとは解くだけですが、単位円を使いましょう。今回は \(\sin\) ですから \(y\) 座標に注目して

 

 

のように線を入れれば

 

 

です。この赤い部分に対応する角度が求める角度であることがわかりますね。

 

ですがこれで答えをそのまま書くとアウトです。なぜなら今回角度の範囲は

 

$$-\frac{\pi}{3}\leqq t \leqq \frac{5}{3}\pi$$

 

ですのでスタートは \(-\frac{\pi}{3}\) ですよね。ですから \(-\frac{\pi}{3}\) からスタートして対応する角度を言わなくてはいけません。

今回は面倒なことに2つに分けなくてはなりませんね。なぜならスタートが \(-\frac{\pi}{3}\) ですからそこはちゃんと範囲に入っていて、 \(-\frac{\pi}{6}\) までちゃんと答えになります。

 

$$-\frac{\pi}{3}\leqq t\leqq -\frac{\pi}{6}$$

 

その後 \(\frac{7}{6}\pi\) からまた答えになり、最後は \(\frac{5}{3}\pi\) までです。図で言うとこんな感じで角度を指定しているイメージですね。

 

 

これを見るとかなり最初の角度の範囲確認は重要であることがわかると思います。

というわけで最終的に

 

$$-\frac{\pi}{3}\leqq t\leqq -\frac{\pi}{6}\ ,\ \frac{7}{6}\pi\leqq t \leqq \frac{5}{3}\pi$$

 

となるので戻してあげると

 

$$-\frac{\pi}{3}\leqq \theta-\frac{\pi}{3}\leqq -\frac{\pi}{6}\ ,\ \frac{7}{6}\pi\leqq \theta -\frac{\pi}{3} \leqq \frac{5}{3}\pi$$

 

です。ここからシータを出しますが簡単なのは全てに 60度を足すことですね。

 

$$0\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{6}\ ,\ \frac{3}{2}\pi\leqq \theta \leqq 2\pi$$

 

これが答えです。

このように不等式では注意点が明らかに多くなりますが手順をしっかり踏めばできる問題になっているのであきらめないでくださいね。

まとめ

不等式になると難しさが増しますが、やっていることは基本の不等式と同じです。もし難しく感じたら基本の不等式をもう一度復習して納得してからこちらの問題をやってみましょう。

ではまた

スポンサーリンク
三角関数
スポンサーリンク
高校数学の知識庫

コメント