「高校数学の知識庫」を今より10倍活用する方法

無限級数の計算練習〜その1〜

スポンサーリンク

無限級数に新しいことはない?

ここまで無限数列・無限級数と学んできました。ここでひとまずまとめとして計算の練習をしてみましょう。

というのも無限級数は

 

数列の和 + 極限

 

であります。ですから、実は求められている知識は数学Bの数列の知識と、最初にやった数列の極限の知識です。

もちろんこの記事

無限級数の性質と便利な公式 〜その1〜
無限級数同士を足す・引く 私たちはこれまでで無限級数が収束するか・発散するかを調べることができるようになりました。 計算としては部分和を求めて、その極限を計算する、これだけですね。 この手順を踏んで収束することが確認できた数列を2つ ...

にあるような無限級数の性質を使った極限の計算もあります。

ですがひとまず、無限級数を計算できるようにするには「数列の和」「極限」の2つを理解していないといけないのです。

練習問題をやっていくとそれがよく分かるので早速取り組んでみましょう。

問題1

最初はこちら

 

\(\frac{1}{2\cdot 4}+\frac{1}{3\cdot 5}+\cdots +\frac{1}{(n+1)(n+3)}+\cdots\)
まずはこれを見て無限級数であることがすぐにわかればOKです。これを
 
\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(n+1)(n+3)}\)
 
 
と書ければちゃんと無限級数をわかっている証拠でしょう。和の記号の意味もしっかり理解できています。
 
無限級数の計算はもちろん
 
 
部分和
 
 
を求めることが先決です。部分和さえ求められればあとはその極限を考えるだけですね。
 
では部分和はどうなるでしょうか。部分和 \(S_{n}\) は
 
 
\(S_{n}=\frac{1}{2\cdot 4}+\frac{1}{3\cdot 5}+\cdots +\frac{1}{(n+1)(n+3)}\)
 
 
ですよね。間違っても
 
 
\(\frac{1}{(n+1)(n+3)}\)
 
 
が部分和ですとは言わないように。これはあくまで数列の一般項です。部分和ではありません
 
ですので僕たちはこんな計算をしなくてはなりません。
 

\(S_{n}=\frac{1}{2\cdot 4}+\frac{1}{3\cdot 5}+\cdots +\frac{1}{(n+1)(n+3)}\)

 

さて、これはどうやれば計算できるでしょうか。

これは数学Bの数列でやりましたね。そう、「部分分数分解」です。分母が掛け算の時は疑うのでしたよね。

この時点で数列の知識が必要であることがわかります。無限級数と言いつつもまずやらなければいけないのは数列の和の計算なのです。

部分分数分解はまず

 

\(\frac{1}{(n+1)(n+3)}\rightarrow \frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+3}\)

 

となるのではないかと仮定して、右の式を左の式の形にしてみるのでした。やってみると

 

\(\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+3}=\frac{(n+3)-(n+1)}{(n+1)(n+3)}=\frac{2}{(n+1)(n+3)}\)

 

となるのでつまり元の式は

 

\(\frac{1}{(n+1)(n+3)}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+3}\right)\)

 

とできるわけです。覚えていますでしょうか。

 

特殊な和の求め方その1(部分分数分解編)
  こんにちは。 da Vinch (@mathsouko_vinch)です。   今までに無い和の形 これまで私たちは和の公式を2つ覚え、和の記号シグマを使えばある程度機械的に和を求められるようにな...

 

ここに詳しく書いてありますが、ひとまずできたとして続けていきましょう。もちろんこの後は元の式が

 

\(S_{n}=\frac{1}{2\cdot 4}+\frac{1}{3\cdot 5}+\cdots +\frac{1}{(n+1)(n+3)}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{4}\right)+\frac{1}{2}\left(\frac{1}{3}-\frac{1}{5}\right)+\frac{1}{2}\left(\frac{1}{4}-\frac{1}{6}\right)\cdots +\frac{1}{2}\left(\frac{1}{n-1}-\frac{1}{n+1}\right)+\frac{1}{2}\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+2}\right)+\frac{1}{2}\left(\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+3}\right)\)

ですので少し複雑ですが、たくさん消えて残るのは

 

\(S_{n}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{n+2}-\frac{1}{n+3}\right)\)

 

しかありませんね。計算を続けると

 

\(S_{n}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{n+2}-\frac{1}{n+3}\right)=\frac{1}{2}\left(\frac{5}{6}-\frac{1}{n+2}-\frac{1}{n+3}\right)\)

 

とここまで計算できますね。これで部分和を求めることができたので、後はこの極限をとれば無限級数を求めることになるのでしたね。つまり

 

\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(n+1)(n+3)}=\lim_{n\to\infty}\frac{1}{2}\left(\frac{5}{6}-\frac{1}{n+2}-\frac{1}{n+3}\right)\)

 

より

 

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{2}\left(\frac{5}{6}-\frac{1}{n+2}-\frac{1}{n+3}\right)=\lim_{n\to\infty}S_{n}=\frac{1}{2}\left(\frac{5}{6}-\frac{1}{\infty}-\frac{1}{\infty}\right)=\frac{1}{2}\left(\frac{5}{6}-0-0\right)=\frac{5}{12}\)

 

です。ここまででわかる通りやはり無限級数の計算は

 

数列の和 + 極限

 

ですよね。新しいことはなんらないわけです。次も同じですのでやってみましょう。見通しが良くなるはずです。

 

問題2

お次はこの問題

 

\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1}}\)
 
これももちろん無限級数です。ですのでまずは「部分和」からです。
 
この無限級数は書き下せば
 

\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1}}=\frac{1}{\sqrt{1}+\sqrt{3}}+\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{5}}+\cdots +\frac{1}{\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1}}+\cdots\)

 
ですから、繰り返しになりますが、部分和は
 
 
\(\displaystyle S_{n}=\frac{1}{\sqrt{1}+\sqrt{3}}+\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{5}}+\cdots +\frac{1}{\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1}}\)
 
 
ですね。これはどう計算できるでしょうか。
 
これも実は数学Bの数列の分野でやっています。分母にルートが来た時は「分母の有理化」をしてみるのでしたね。
 
つまり
 
\(\frac{1}{\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1}}=\frac{\sqrt{2n-1}-\sqrt{2n+1}}{(\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1})(\sqrt{2n-1}-\sqrt{2n+1})}=\frac{\sqrt{2n-1}-\sqrt{2n+1}}{(2n-1)-(2n+1)}=\frac{\sqrt{2n-1}-\sqrt{2n+1}}{-2}=-\frac{1}{2}\left(\sqrt{2n-1}-\sqrt{2n+1}\right)\)
 
 
少し長いですが、単純に有理化しただけです。そうすると何やら起こりそうな予感がしてきます
 
実際にこの表記で部分和を書くと
 
 
\(S_{n}=-\frac{1}{2}(\sqrt{1}-\sqrt{3})-\frac{1}{2}(\sqrt{3}-\sqrt{5})-\frac{1}{2}(\sqrt{5}-\sqrt{7})-\cdots -\frac{1}{2}(\sqrt{2n-3}-\sqrt{2n-1})-\frac{1}{2}(\sqrt{2n-1}-\sqrt{2n+1})\)
 
 
見てお分かりの通り、隣同士がどんどん消えていきますね。最終的に残るのは
 
 
\(S_{n}=-\frac{1}{2}\sqrt{1}-\frac{1}{2}(-\sqrt{2n+1})=-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{2n+1}}{2}\)
 
 
ですね。ものすごく簡単になりました。
 
ここまでくればもう答えはすぐそこです。これの極限が欲しい無限級数になるのでしたから
 
 
\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{2n-1}+\sqrt{2n+1}}=\lim_{n\to\infty}S_{n}=\lim_{n\to\infty}\left(-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{2n+1}}{2}\right)=-\frac{1}{2}-\frac{\infty}{2}=-\infty\)
 
で結局発散してしまいましたね。無限級数は発散することは不思議なことではありませんから答えには自信を持ってください。
 

まとめ

無限級数を学習したらやはり計算練習をしなければなりませんが、題名で僕が示した「無限級数に新しいことはない」という意味が分かれば、計算練習として何をすべきかは明確ですね。そうです、「数列」と「極限」の練習です。これらがただ組み合わさったもの、それが「無限級数」であることがここまで読んだ皆さんはわかったはずです。無限級数は理解すればあとは計算。その計算も全て「数列」と「極限」です。数学はうまくできています。下からコツコツやれば必ずできるようになりますから戻ることを恐れずに勉強を続けましょう!

 

ではまた。

 
 
スポンサーリンク
関数と極限
スポンサーリンク
高校数学の知識庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました