直線の方程式は \(y=ax+b\) じゃない?
ここでは直線の方程式について学習します。
なんだ中学校でやったじゃないかと思った人はたしかにそうです。
だって直線の方程式は
$$y=ax+b$$
ですものね。ですが、今後のことを考えると上の式では見通しが悪い場合があります。
その例をここであげません。後々そういう時がやってきてしまうはずです。
必ず中学校の時に習った
$$y=ax+b$$
では壁に当たる日が来ます。ですので直線に関してもう少し深く考察し、直線の方程式をしっかりと学習することをここでは目標としています。では行きましょう。
いったん広告の時間です。
直線を決めているのは傾きと通る点
直線は主に2つの特徴で説明できます。
式において
一つ目は
傾き
です。 \(y=ax+b\) という表式では \(a\) で表されています。これはその名の通り直線が \(x\) 軸からどれくらい傾いているかを示しています。なぜなら直線を考えた時に、直線上の点から \(x\) 軸に \(1\) だけもし動いたら傾きの分だけ \(y\) 軸方向に進みます。
この値が大きければ大きいほど急になりますよね。ですのでこの \(a\) は傾きと呼ばれています。
2つ目は
切片
です。 \(y=ax+b\) でいうと \(b\) です。これは \(x=0\) の時の \(y\) の値に対応しますから、直線と \(y\) 軸との交点を意味しています。
難しくありませんね。ですが実は直線を形作るために必要なものは
傾きと直線を通る点
で良いのです。
切片は通る点の1つにすぎません。ですからもっと一般的には通る点がわかれば直線は決まるのです。
例えば傾きが \(2\) の直線を考えると、いくらでも作ることができます。
ですが直線がある点 \((a,b)\) を通るとすると、その瞬間に直線は1通りに決まります。
ですから直線を決めているのは \(x\) 軸からの傾き具合を表す傾きとその直線が通る点であると言えます。
そうやって考えた直線を考えた結果として、切片と名付けた \(y\) 軸との交点が最終的な式の形に出てくるわけです。
では、通る点と傾きが分かっている時に直線の式はどう書けるでしょうか。
直線がその点を通るということは、その直線の式に値を代入したら成り立たなくてはなりません。ですから通る点を \((x_{1},y_{1})\) とすると、式の中に
$$x-x_{1}\ ,\ y-y_{1}$$
が入っていなくてはなりません。\(x=x_{1}\ ,\ y=y_{1}\) を代入するとどちらの値も \(0\) ですからね。
あとは傾きです。傾きはみなさんの知っての通り最終的に \(ax\) という形で出てきます。なので
$$a\times x$$
という形が出てくることはたしかです。これで準備は万端。実は直線の式は
$$y-y_{1}=a(x-x_{1})$$
とできるのです。たしかに \(x_{1}\ , y_{1}\) を代入するとこの等式がちゃんと成り立ちますし、展開すると
$$y-y_{1}=ax-ax_{1}$$
$$y=ax-ax_{1}+y_{1}$$
の形が出てきます。これは \(-ax_{1}+y_{1}\) の部分はただの数字(\(x\ ,\ y\) が入っていない)なので \(b\) とおけば
$$y=ax+b$$
となり私たちに馴染み深い直線の方程式そのものです。
このように直線の方程式は傾きと通る点を使って
$$y-y_{1}=a(x-x_{1})$$
と表せることがわかりました。まとめると
直線の傾きを \(a\) 通る点を \((x_{1},y_{1})\) とすると直線の方程式は
$$y-y_{1}=a(x-x_{1})$$
となる。
では実際に2つの式を使って直線の方程式を求めてみましょう。
まずは中学校でもやったやり方で求めてみましょう。傾きが \(2\) なので
$$y=2x+b$$
と置くことができます。これが \((-2,3)\) を通るので代入して \(b\) を出せば良いです。
$$3=2\times(-2)+b$$
$$3=-4+b$$
$$b=7$$
より直線の方程式は
$$y=2x+7$$
です。OKですね。では次は今回学んだやり方で出してみます。式は
$$y-y_{1}=a(x-x_{1})$$
ですが、注意しなくてはならないのは通る点の符号です。代入するときに間違えないようにしてくださいね。やってみると、傾きは \(2\) 通る点は \((-2,3)\) なので
$$y-3=2(x+2)$$
です。特に\(x+2\) の部分に注意です。これを展開すれば
$$y-3=2x+4$$
$$y=2x+7$$
となって同じ式が得られましたね。ちゃんと今回学んだ式も直線の式になっていることが確認できると思います。こちらのやり方を今後は多用していきますのでここでマスターしてしまいましょう。
まとめ
直線の式を今回の記事で2パターンで作れるようになりました。もちろんどちらも大事ですが、特に今回学んだ表式は図形と方程式の分野だけでなく、微分などでも威力を発揮しますので覚えておいて損はありません。ぜひここで慣れてください。
ではまた
コメント