数学の勉強を始める前の心構え
数学の勉強法を求めてこの記事にたどり着いてくれた皆さん。ありがとうございます。
早速勉強法を知りたいところだとは思いますが、一旦立ち止まって、まずどんな心意気で数学と向き合えば良いのかをお話ししようと思います。
その1 「モチベーション」
数学をやる上でまず大事なのは
モチベーション
です。
どんなことでもそうですが、「なんのために勉強をするの」かというのは「やる気」に直結します。自分に問いかけてみてください。「僕・私はなぜ数学をできるようになりたいのか」と。
僕の場合は単純でした。
数学で点がとりたいから
皆さんはどうですか?高校や中学、学校で学んでいる人たち、資格を取りたい人たちなど、世の中にはいろんな理由で数学をできるようになりたい人がいると思いますが、やはり最初に来るのはこの理由ではないでしょうか。
それで良いのです。それがモチベーションです。
そのモチベーションにある「目標」を達成するために
できることを探して、考えて、取り組んでいくこと
がこの先重要になりますから。
ちなみに僕はその後、モチベーションはこんな風に移り変わっていきました。
数学で点がとりたい → 大学入試の問題が解けるようになりたい → 難しい・面白い問題を解けるようになりたい → 自分の数学の知識で「数学ができるようになった」という人を増やしたい(いまココ)
もちろん移り変わってはいるものの、それぞれのモチベーションは全て自分の中に残っています。上書きというよりは更新されている感じです。
その2 「自分は数学ができるんだという意識」
そして大事なことは必ず
自分は数学ができる
という潜在意識を持つようにすることです。
数学が苦手だからと言ってそれを自分に言い聞かせてしまうと、人間は本当にそうなってしまいます。不思議なもので人間は「できない」と思うことはどう頑張っても「できなくなってしまう」のです。
例えばプロスポーツ選手が自分のやっている競技を最初から「苦手だな」と思いながらやっていたとは思えませんよね。そういう人がプロになるのは相当なセンスがあって、苦手と思っていてもできてしまうごく一部でしょう。
「自分はできるんだ」と思いながらやることで潜在意識(無意識)上で「自分はできる」と思うようになります。そうすると実は行動や思考回路・言葉などが自然と変わってくるのです。
これはジークムント・フロイトという人が最初に発見し、今でも多くの研究がなされている精神分析学の分野で言われていることです。
特に、この潜在意識を世の中に広めたのはジョセフ・マーフィーという牧師さんです。彼は潜在意識に願望をすりこむことで、それを実現することができるということを端的に説明し、多くの人の心を掴みました。
もし気になる人がいたら
この本たちがおすすめです。自己啓発っぽくて少し高校生には読みづらいかもしれませんが、読むと「人生を考えるきっかけ」をつかめるかもしれません。
ここまで潜在意識について話してきましたが、もちろんできると思うだけでは何も変わりません。そのモチベーションにある目標の達成には努力は不可欠です。その具体的な勉強法は後半で解説します。
というわけで何事もまずは気持ちから。自分は努力すれば必ず数学ができると信じてください。それが数学をやる上での1番の特効薬になります。
その3 「継続」
そして大事なのが
継続
です。嫌というほど聞いてきたかもしれませんが、特に数学は
論理的思考力
を必要としますから、まずはその方法に慣れる必要があります。
「論理的思考」と聞いて難しいと思った人、いると思います。心配しないでください。必ずできます。
簡単に言えば論理的思考力とは
なぜ?を常に考えられるか
です。ある問題に対して、
「こうだからこの問題はこう解ける」
と言えれば、論理的思考はできています。逆に論理的思考じゃないものは
「よくわかんないけどこうやったらできた」
みたいな感じでしょうか。数学は厳密さが重要な学問です。そのような学問の中で「多分」とか「よくわかんないけど」とかを使うのは言語道断ですよね。
もちろん
「もしかしたらこうすればできるんじゃない?」
などの「発想」や「閃き」は、その段階では確かなものではないですが、その後に論理的な思考をする上での手助けになり得ますからとても重要です。
そういうわけで数学をやることは論理的思考力を鍛えることになるわけですが、最初は論理的思考ができなくても大丈夫です。それをできるようになるために数学をやるわけですから。
話がそれましたが、その
論理的思考に慣れる
というのは1日では絶対にできません。皆さんもスポーツやゲーム、趣味などなど、どんなことでも慣れるためにはある程度の時間が必要ですよね。
ですから数学に慣れるためにも一日一回は必ず数学と触れ合ってみてください。それが数学と友達になる第一歩です。
心構えのまとめ
ここまでをまとめると
・まずはモチベーション。なんで数学をできるようになりたいかを明確にしよう。
・「自分は数学ができる」と思おう。潜在意識を変える!!
・「継続」は力なり。論理的思考に慣れることが数学ができるようになるための一歩!
です。
いったん広告の時間です。
数学の勉強法は自分に合ったものを選ぼう
数学の勉強法は一つではありません。さらに、人によって合う合わないも様々だと思います。そこで本記事ではいくつか僕の実践していた&実践してもらって効果が出た方法を伝授しようと思います。
数学の勉強法その1 学校の教科書を使った方法
一つ目は学校の教科書を使い倒す方法です。
ここでは高校数学をメインにしているので高校数学に焦点を当てて話しますが、高校では基本的に教科書がもらえますよね。
その教科書、使ってますか?
教科書は高校数学の教育課程で必要なものを全て詰め込んでいるので実は「コスパ最高の参考書」でもあります。
ただ、皆さんが教科書を毛嫌いするのはおそらく
「説明が分かりにくい」
「淡白で面白くない」
などの理由なのではないでしょうか。ですが、それを逆手にとって勉強をする方法があります。それは
「教科書に説明を付け足す」
という方法です。確かに教科書は使いにくい参考書かもしれません。ですが、例題や応用例題、節や章の最後にある問題などはとてもよく練られているのです。
これらを有効に使うためにも、教科書の説明をどんどん噛み砕いて自分だけの参考書に仕上げるのです。
説明が分かりにくい時は数学のWebサイトなどを使えば分かりやすい解説がどんどん出てきます。最近だとYoutubeにも良い説明動画が上がっています。もちろんこのサイトを参考にしていただいても構いません。
どちらにしても、紙面の都合でどうしても省略してしまうため分かりづらい(教科書を作ってくださっている方々には頭が上がりませんが)説明を自分の言葉で補うことで、理解度がグッと上がります。
例えばこんな風に説明に自分で学んだことを付け加えてみたり
例題に対して「なんでそんな風に解いたのか」や、「何を使ったのか」を書き込んでみたり
するとどんどん自分だけの教科書兼ノートが出来上がっていきます。
そうすると自分で問題演習をした際もどこに注目すれば良いのかが見えてきますし、復習する際に教科書だけを見れば良いので効率的です。
これを繰り返しながら、最終的に何をするかというと
教科書を完璧に理解する
のです。例題、節末問題、章末問題含め、全ての問題を自分のものにします。
教科書は先ほども言った通り高校数学の実行教育課程に準じて作られていますから
必ずできて欲しい問題
を載せているのです。それらをまずはクリアすることでしっかりと基礎力をつけるのが狙いです。
というと
なんかこれだけできても本当に数学をできるようになるの?
と思いがちですが、センター試験(今後は共通試験)の問題は教科書の例題にあるような問題が多数出ています。
個別試験も同様で、教科書の内容ができていれば解ける問題は多くありますし、難関大を目指すのであれば、教科書レベルの問題を完璧にしておくことは難関大入試レベルを突破するために必須です。
というわけで教科書を使うメリットを紹介したところで、次に勉強法のステップを示していきます。
- 分野を決めて(例えば「三角比」とか)教科書の説明を読む
まずは教科書を開いて、最初から読んでみましょう。わからないところがあればそのままにせず、とりあえず調べてみます。その説明でわかったら自分なりにまとめて、教科書に書き込みます。鉛筆でも構いませんし、ペンでも構いません。
ちなみに僕は蛍光ペンを二本と赤・青のボールペンを使ってました。細めが好きだったので0.38や0.5辺りのものを使用していました。安くて、長く使えるこちらがおすすめ。uni-ballさんに感謝。
自分が分かればそれでOKです。何度調べてもわからない場合は一旦保留でも良いです。進めていくうちにわかってくるかもしれないので。あまり気にせずスイスイと進むのがポイントです。
わからないところは調べる!深追いはしすぎないこと!
- 例題を見る&答えを隠して解く
次のステップは例題です。例題をまずは見て、どんな風に解いていくのかを見てみましょう。ここで重要なことは
どんな公式をどのタイミングで使ってるのか
なぜその公式や考え方を使ったのか
ということです。必ず、例題の前で学んだことを利用して問題を解いていくはずなので、何を使っているのか・どんなタイミングで?・そして「なぜ」その公式なり考え方を使ったのかを分析してください。これが論理的思考の最初のステップです。
理由が明確なものもあれば、「こういう問題に対してはこうすればうまくいく」と言ったいわゆる「パターン」みたいなものもあります。
パターンは覚えれば良いかもしれませんが、そのパターンについても
どんな時にそのパターンは使うの?
といったことを必ずチェックしておいてください。数学は「知識のパズル」であると僕はよく言いますが、そのパターンにどうやったら持っていけるかを考えることも「論理的思考」です。
パターンをパターンで終わらせてしまうのは非常にもったいないです。その先の新しい知識への扉を自分で閉めてしまっているのですから。
というわけで、こんな風にして例題をしっかりと理解したら、次は実際に自分で解いてみます。もちろん答えは隠してください。
ここで理解度を測ります。理解したと思ってもいざやってみるとできないことってよくありますよね。それが「わかった」と「できる」の違いです。
理解する = できる
だと思っているので、できるまでしっかりと復習し、考えてください。
例題を「自力でできる」までやる!問題を解く時の理由を明確にしよう。
- 節末問題・章末問題で応用的な問題も
例題を解いたらその節、章のまとめです。節末問題や章末問題を解いて応用的な使い方を学びます。
基本的に節末問題や章末問題は例題よりも難しくできていますので、一筋縄ではいかないでしょう。自力で解くのは結構大変かもしれません。
でもまずは挑戦です。どうやったら解けるかをじっくり考えてみてください。
考えたけどわからない・・・という場合はずっと考え続けるのはやめて、調べるなり先生、友達などに聞くなりして答えを探しましょう。ネットに転がっていることもあります。
それで解法を知ることができたら、2でやった例題と同じく、自力でできるようにします。理由、公式、パターン。いろんな要素がありますから、一つずつクリアしていってください。
ここまでできれば後は通して問題を解いてみます。
節末問題・章末問題を自力で解ければ完璧です。次の分野・章に進みましょう!!
そして教科書を自分の最強の参考書にしてください!!
数学の勉強法その2 問題集を使い倒せ 解説から学ぶ数学
2つ目は問題集をじっくり使っていく勉強法です。
ある程度勉強した気がするけどなかなか点数が伸び悩んでいる人や、公式は覚えているけどなかなか問題が解けないという人に合っているのではないかと思います。
まず初めにやることは
自分の愛用問題集を「1冊」決める
ことです。一冊を強調したのはいうまでもありません。一冊にしたほうがいいからです。
あなたは
問題集をたくさん買ったはいいけどそのまま虫食いのようにやってそのままにしてしまう
そんな「問題集収集屋」さんになっていませんか。それは一番意味のない問題集の使い方&もったいないお金の使い方です。
問題集は自分の力を伸ばすために買うものです。持っていたら偉くなるものではありません。高級車やブランドものも、別に持っていれば偉いってわけではないですよね?
一冊を一途に使ってあげてください。信じて使い続けるのです。そうすれば必ずあなたの力になってくれるはずです。すぐ気持ちが変わる人と一緒にいたくないですよね。人間と同じです。
例えが長くなりましたがこれにはちゃんとした理由があります。それは
問題集は一冊で完結している
からです。複数の問題集を買う人の多くは
この問題集では補えない部分をこの問題集で・・・
といった考え方に陥りがちです。でもそれは間違っています。正しくは
一冊完璧にした後に、自分に足りない部分は何かをわかった上でそれを補える問題集を次に買う
です。まだ全部やっていないのに補う部分がどこかなんてわかりません。ましてやその補うべき・・・と考えているところって本当に今あなたにとって必要なんでしょうか。
ほとんどの問題集は必ず一冊で、その分野なり科目なりを説明し切ってくれます。程度の差こそあれ、どんな問題集も一冊でひとまず完結しているのです。
ですから足りない部分を補うのは一冊やってからで全く遅くありません。まずは一冊使い切る。そして次にいきましょう。それが大前提です。
ではその一冊は何を買えばいいのか?という疑問が湧いてくると思います。数学を始めたての人向けの僕のおすすめは
大学入試までしっかり考えたい人は「黄色チャート」
基礎の基礎から学びたい人は「白チャート」
難関大合格までじっくり問題集を使いたい人は「Focus Gold」
ですかね。ひとまずここでは「網羅型」の問題集をあげています。これから始めたい人向けだと思うので、ニッチな物は参考になりづらいでしょうから。
と、おすすめはしましたが、正直に行って
自分が面白そう・できそうと思う問題集を一冊
で良いと思います。チャート式が全てではないですし、自分で見てみないと合うかどうかなんてわかりませんから。本屋さんに行って一度手に取ってみるのがいいでしょう。
もちろんそこで買わなくても今はネットで本が買える時代ですから、家でゆっくりと選べますもの。
とりあえずここには「よく話題になる参考書」をおいておきますので参考にしてみてください。
一言付け加えておくとすると、問題集選びのコツは
「解説が丁寧かどうか」
です。
1対1対応はとても有名ですね。一冊しっかりとやり切れば相当な力が尽きます。
問題集を買ったらもちろん解いていくのですが、そこで意識して欲しいことは
解答を死ぬほど見る
ことです。例題付き(チャートなどの網羅型はよく付いてます)であればその例題の解説を事細かにみていきましょう。
そして大事なことは「その1」でもお話しした通り
その公式をしっかりと覚えていたか
その公式をなんで使ったのか
という点を確認することです。一問に対して徹底的にこれを繰り返していきます。
やり方としては
- 問題を解く
まずは問題を解きましょう。何も見ずに解いてください。
- 問題の解答を見る
ここからが本番です。実際に解答・解説を見て丸付けをします。丸付けをする際に大事なことは
その解答に「一言」自分の言葉を付け加える
ことです。解答に書いてあったらいいのですが、なぜその公式なり考え方を使ったかを明記しましょう。解説がわかりづらければ付け足してください。とにかく自分がわかるようにするのです。
その後に解答全体を見て「どんな流れ」になっているかを確認しましょう。論理展開を把握します。
例えば2次関数の問題であれば
最大値と最小値を求めたい
↓
グラフが書きたい
↓
平方完成
↓
定義域の確認
↓
関数の場所と定義域の場所の関係にいろんなパターンがある
↓
場合わけ
↓
一つ目
↓
二つ目
↓
答え
みたいな感じですね。イメージしたのは文字が入った二次関数の最大最小の問題です。
これができれば後はその中の計算ができれば解答通りに答えを導けたはずです。ここまでできれば後はもう少し。
- もう一度問題を「自力で」解く
最後に「わかった」と思っても自力で問題をもう一度解きます。何度も言っているように「わかっている」と「できる」は全然違います。
テストで問われるのは「できる」かどうか
です。つまりテストで点数をとりたければ「できなくてはならない」のですから、練習でそれをやっておかないと本番ではできません。
という理由で大変ではありますが、一問に対してここまで多くの過程を踏んでいくのです。
- 1〜3を2・3回・・・と繰り返し、やっぱりできないところをチェックする
3までやっても、実は後からもう一度やってみるとできなかったりします。人間の記憶力なんてたかが知れていますし、忘れて当然なのです。
ですからできないところを見つけて、それを退治していく過程に入ります。
できたところはやらなくてOK。とにかくできないところに印をつけてわかるようにしておきましょう。
というわけで図解するとこんな感じですね。
これを繰り返して、その問題集でできない問題は1個もないという状態にできたらその問題集は終了です。もうあなたに解けない問題はありません。ミッションコンプリートです。
これには本当に根気が必要です。ですが、一つ一つのことをしっかりとやっていけば必ず成果が現れます。努力は裏切りません。ゆっくりコツコツと進む亀でいいのです。あなたならできます!!
いったん広告の時間です。
数学の勉強はどこから始めれば良いの?
こちらに関してはこの記事に詳しくまとめてありますので詳細は省きますが、
結論から言えば
基本的な計算(展開・因数分解など)
関数系:二次関数
図形系:三角比 図形の性質
です。数学Ⅰの内容ですが、なぜこれが重要かというと
数学Ⅱ・Bの分野のほぼ全てにつながる
からです。数学は積み重ねの学問であることは言うまでもないかもしれませんが、特に数学Ⅱは数学Ⅰがどれだけわかっているかによって理解度が段違いに違います。ですからとにかく数学ができるようになりたければまずは
計算・二次関数
をやりましょう。図形分野であれば
三角比・図形の性質
です。
まとめ
超長文になりましたがここまで読んでくれた方々本当にありがとうございます。数学ができるようになりたい人を少しでも助けたいという思いで当サイトを運営しております。この中で少しでもお役に立てる情報があれば幸いです。モチベーションを上げて、自分を信じて勉強しましょう!最後に僕の好きな言葉を書いてまとめとしたいと思います。
人間はやり通す力が
あるかないかによってのみ、
称賛または非難に値する。
-レオナルド・ダ・ヴィンチ-
ではまた
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