ベクトルの内積とは何か 意味と使い方

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内積って何?

ベクトルの学習で欠かせないのがベクトルの内積です。多くの人は内積をなんとなく使っているのではないでしょうか。もちろん定義がありますので決められたものであることは事実なのですが、なぜあんな定義になっているのかを不思議に思う人も中にはいるはず(いて欲しい)です。

そこでまずは内積について少し考えてみることにして、そのあと実際の計算方法などを説明したいと思います。

内積とはいわば

ベクトルの掛け算

です。一言で言うとこれにつきます。なぜ掛け算だけ特殊かと言うと、ベクトルには方向もあるからです。

皆さんはベクトル同士の掛け算を想像できますでしょうか。大きさだけならまだしも方向もあるのでかけたらどうなるかなんて想像もできません。

ベクトルの掛け算は特殊ゆえに変な計算方法を取らなくてはなりません。

それがこの定義です。

$$\vec{OA}\cdot \vec{OB}=|\vec{OA}||\vec{OB}|\cos\theta$$

コサインが出てくるのが今の時点ではよくわからないですが定義はこうなりますす。ではなぜこうなったかを説明しましょう。

ベクトルには方向があるから掛け算がよくわからないと先ほどお話ししました。ですので偉大な昔の数学者は考えました。どうにかして掛け算を定義できないだろうかと。

そこでこんなことを思いついたわけです。

「方向が違うからいけないわけで、方向を同じにしてしまえばいいじゃないか」

頭がいいです。ベクトルはたしかに同じ方向を向いていれば大きさだけでベクトルのかけ算を計算できそうですね。ではベクトルの向きを揃えるためにはどうしたらよいでしょうか。

その時に頭のいい数学者は三角比を思いついたのです。このようにベクトルの間の角度さえわかっていれば向きを揃えることができます。

直角三角形を作れば \(\cos\) の定義式から \(\vec{OA}\) の方向に \(\vec{OB}\) の長さを移すことができます。これを多くの内積を解説している人は「射影する」と読んでいるのです。その理由は”揃える”ためにあるのですね。

計算はこんな感じ。三角比の定義から、三角形OACに注目して

$$\cos\theta=\frac{OC}{OB}$$

より、線分OCは

$$OC=OB\cos\theta$$

そうするとかけ算をしたかったら大きさどうしをかけ算すればいい気がしますよね。というわけで長さはベクトルの絶対値(\(|\vec{OA}|\)という記号)で書けばいいので

$$OA\times OC=|\vec{OA}|\times|\vec{OB}|\cos\theta$$

これでベクトルどうしのかけ算になります。これが内積の定義になっているのです。

すなわちベクトル同士の掛け算を内積(\(\cdot\))で書くことにすれば、

$$\vec{OA}\cdot\vec{OB}=|\vec{OA}|\times|\vec{OB}|\cos\theta$$

と内積が定義されるわけですね。

内積の記号は”\(\cdot\)”です。”\(\times\)” が使われない理由はベクトルのかけ算にはもう一種類あり、そちらで ”\(\times\)” の記号を使っているからです。ちなみに \(\times\) の方のかけ算は「外積」と呼ばれます。

外積は置いておいて、ひとまずベクトルのかけ算の基本である内積がなぜ

$$\vec{OA}\cdot\vec{OB}=|\vec{OA}|\times|\vec{OB}|\cos\theta$$

なのかは理解できたでしょうか。今詳しくわからなくても大丈夫です。使って内積の計算に慣れてからもう一度その意味について考えてみるといいでしょう。

成分表示の時の内積

成分表示でベクトルがあらわされているときはどのような計算になるのでしょうか。

詳しい計算は以下の記事

 

ベクトルの内積 成分表示での公式の証明
ベクトルの成分表示での内積 ここではベクトルで出てくる成分表示での内積の公式をじっくりと証明していきます。 ちなみにベクトルの成分表示での内積はこのように計算できました。 上の図において \(\vec{OA}=(a,b)\...

 

で解説していますのでここでは計算方法だけに触れたいと思います。

例えば2つのベクトル\(\vec{OA}\ ,\ \vec{OB}\) が

$$\vec{OA}=(2,3)\ ,\ \vec{OB}=(1,4)$$

と成分表示されているときに内積 \(\vec{OA}\cdot\vec{OB}\) はどのようになるかというと

$$\vec{OA}\cdot\vec{OB}=(2,3)\cdot(1,4)=2\times 1+3\times 4=14$$

となります。要するに、

\(x\) 座標どうし、\(y\) 座標どうしをそれぞれかけて足す

だけです。座標がマイナスであっても何もやることは変わりません。先ほど確認した定義よりもはるかに簡単ですね。\(\cos\) が出てきませんし、それぞれかけて足すだけで内積が計算できてしまいます。

これが成分表示での内積の計算方法です。まとめますと、

 

\(\vec{OA}=(a,b)\ ,\ \vec{OB}=(c,d)\) の時、その内積は

$$\vec{OA}\cdot\vec{OB}=(a,b)\cdot (c,d)=ac+bd$$

である。

 

覚えてたくさん使いましょう!

 

まとめ

ここでは内積について学習しました。内積の定義まで踏み込んだ問題はほとんどありませんが、計算としては必ず押さえなければいけない必須事項です。どのように使うかはまた別の機会になりますが、まずはその定義と計算方法をしっかりと押さえてください。

ではまた。

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