位置ベクトルはただの点
ベクトルの学習者を混乱させる一つの要因はこの位置ベクトルの存在でしょう。
これまでベクトルを散々考えてきたのにまた新しい概念が出てきた、、、
と勘違いさせてしまう書き方のものが多いのでそのような感覚を持ってしまうのです。それをここでは払拭できればそれ以上の喜びはありません。
ではいきましょう。
位置ベクトルは一言で言うと
点
です。点?意味がわからないですね。もう少し詳しく言いましょう。位置ベクトルは
自分の位置(始点)からその点を表す時のベクトル
です。点はただ空間に置かれても位置は決められません。なぜなら位置とは誰かから見たものだからです。
ベクトルの最初の記事でもお話しした通り、ベクトルは方向と大きさを持つものです。ある点の位置を表す時に自分の位置を始点にすることで、その点の位置を決めることができます。
これが位置ベクトルです。要するに
ベクトルを使って点の位置を定めることが可能
で、それが位置ベクトルと呼ばれているのです。
ここで大事なのは始点によって位置ベクトルは変化することです。もちろん自分以外の人から見れば明らかにその点の位置ベクトルは方向もその大きさも違いますよね。
ただ、私たちは問題を解く際にいろいろな人が出てくるわけではありません。始点を一つに決めることが当たり前ですし、問題を考える人が自分の始点を押さえておけば問題ありません。
ですので
位置ベクトルの始点は自由
です。その点の位置ベクトルを考えたければ自分で適当に始点を作りましょう。その始点からある点まで伸ばしたベクトルが位置ベクトルです。
これで位置ベクトルは点であることが理解できたでしょうか。これを理解すれば、その後の内分の公式やベクトル方程式などの意味がわかってくるはずです。
ここで位置ベクトルの表記方法について少し説明しつつ、図形的なイメージを付けてもらおうと思います。
位置ベクトルは次のようにしばしば表記されます。
この点の横にベクトルで書いてあるのはこの点の位置ベクトルです。
例えば適当に始点を決めてあげてその点までベクトルを考えた
これが位置ベクトルです。なのでベクトルとしては \(\vec{OA}\) なのですが、位置ベクトルとして表記すると \(\vec{a}\) なのですね。ややこしい・・・。
もちろん始点はどこでも構いません。
自分で決めれば基本的に自由です。
位置ベクトルは上の例の通り始点の場所の取り方で変わります。ただ、位置ベクトルで \(\vec{a}\) と表せば誰もがその点を表すベクトルをイメージできます。ですので位置ベクトルは重要なのです。
今まで散々位置ベクトルを説明してきましたが、考えるときは慣れるまで必ず始点を自分でおいてください。そして視覚的に位置ベクトルが見えるようにしてから考えるようにしましょう。
いったん広告の時間です。
まとめ
ここでは位置ベクトルについて詳しく説明してきました。位置ベクトルだけ全く別の概念に見えていた人は
位置ベクトルは点を表すあくまでもベクトルである
ことを理解できればいうことは何もありません。
これを踏まえた上で今後のベクトルの内容を学習すれば先行きは明るいはずです。
ではまた。
コメント