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関数の極限計算をしてみる〜その1〜(因数分解・有理化編)

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関数の極限は数列の極限と同じ?違う?

さて、関数の極限に関する一番最初の記事

 

関数における極限とは(イントロ)
関数で極限を考える これまでは「数列」において極限を考えてきました。数列の場合は 無限まで項数を考えたら最終的にどうなるか を考えるのでしたね。今回考えるのは「関数」の極限です。これは何に対して極限をとるのかというと 変...

 

では

「関数の極限はこれまでとは一味違うけど、最初の方は数列の極限と同じなんです」

と言いました。ここではまずその「最初の方」をやっていきたいと思います。

これからやる問題は基本的に「数列の極限」何ら変わりません。本当に。ですので数列の極限をマスターしたここにいる人なら必ずできます。

もし不安であればぜひ数列の極限を勉強してから戻ってきてください。僕の書いている記事でもいいですし、教科書・参考書などで確認するのも良いでしょう。

では早速説明していきます。数列の極限と計算は同じと言いましたが、明らかに違うところが一つだけあります。それは

 

極限が無限大だけではない

 

ということです。イントロの繰り返しになりますが、関数の極限では例えば

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(x^2+2x+5)\)

 

のような極限を考えます。つまり

 

変数 \(x\) をある値に限りなく近づけるとその式の値はどうなるか

 

を考えることになるわけです。ですがこの一点が違うだけであとは全て同じなんです。

僕たちは数列の極限を計算するときの鉄則として

 

「不定形が出てきたらそれを避ける」

 

という大原則がありました。そのために

 

「変形・置き換え(・はさみうちの原理)」

 

などを駆使して計算を可能にしてきたのです。これは関数の極限でも全く同じです。つまり

 

極限をとったときに不定形だったら変形・置き換えをせよ

 

これにつきます。そして実は

 

関数の極限での「最初の計算」の変形は数列の極限と全く同じ

 

なのです。かなり気が楽になりましたね。つまり数列の極限ができていれば関数の極限は

 

\(n\) が \(x\) に変わって、無限大の極限を取るだけではなくなっただけ

 

と考えればいいのです。

さて長々と話してきましたが問題をやってみないことには自信が持てないので早速やってみましょう。3問だけです。

1問目 代入するだけの簡単な極限

最初は数学Ⅱの微分でもやったような「代入するだけ」の問題です。やる必要もないかもしれませんが一応確認です。

先ほども例として挙げた

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(x^2+2x+5)\)

 

を解いてみましょう。これは代入しても全く不定形にはならないですね。一応不定形の確認をしておくと

 

 

Focus

極限計算における不定形

 

\(\displaystyle \infty -\infty\)

 

\(\displaystyle \frac{\infty}{\infty}\)

 

\(\displaystyle \frac{数字}{0}\)

 

が不定形の形でしたね。最後の不定形は 「\(0\) で割る」ということがダメでした。

これが出てきたときは必ず工夫しなくてはなりません。

 

しかしながら今回はそうはならなさそうなのでそのまま代入してしまいましょう!

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 2}(x^2+2x+5)=2^2+2\cdot 2 +5=4+4+5=13\)

 

終了です。ああ、これはらくらくですね。

2問目 不定形をどう避ける?①

ここからが本番です。この問題はどうでしょうか。

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x^2+x-2}{x^2-4x+3}\)

 

これは先ほどのように簡単にはいきませんね。なぜなら実際に \(\displaystyle x=1\) を代入してみると

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x^2+x-2}{x^2-4x+3}=\frac{1+1-2}{1-4+3}=\frac{0}{0}\)

 

となるので不定形でした。これはもちろん答えではありません。

 

ではどうすればいいか。・・・変形・・・そうです。因数分解」です。

このように不定形になってしまう場合に一番最初に考えるべきは「因数分解」なのです。つまり狙うのは

 

分母分子での約分

 

です。これができれば不定形を避けることができるかもしれないからですね。では早速。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x^2+x-2}{x^2-4x+3}=\lim_{x\to 1}\frac{(x+2)(x-1)}{x+3)(x-1)}=\lim_{x\to 1}\frac{x+2}{x+3}\)

 

やはり狙い通り約分ができました。こうなれば後は代入すればいいだけですね。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x+2}{x+3}=\frac{1+2}{1+3}=\frac{3}{4}\)

 

ときれいに極限が計算できました。というわけでここで思い出してほしいのは不定形を避ける一つの手段は

 

因数分解

 

だったということです。

3問目  不定形をどう避ける?②

さて今回の最後の問題もすぐには答えが出ない問題です。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x-1}\)

 

ルートが出てきました。もちろんこれも普通に代入してしまうと不定形です。一応確認しますね。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x-1}=\frac{\sqrt{1+3}-2}{1-1}=\frac{2-2}{1-1}=\frac{0}{0}\)

 

これはどうしましょうか。ルートが出てきたときは何を考えるのでしたでしょうか。

 

ルートといえば・・・・そうです「有理化」ですね。

 

有利化は分母・分子どちらに対しても行うことがあるのでした。今回でいえば分母をルートのない形にしたいので「分母の有理化」ですね。

実際にやってみましょう。有理化をするときは符号の変えたものを分母分子にかけるのでしたから、

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x-1}=\lim_{x\to 1}{(\sqrt{x+3}-2)(\sqrt{x+3}+2)}{(x-1)(\sqrt{x+3}+2)}=\lim_{x\to 1}\frac{(\sqrt{x+3})^2-4}{(x-1)(\sqrt{x+3}+2)}=\lim_{x\to 1}\frac{x+3-4}{(x-1)(\sqrt{x+3}+2)}\)

 

分子はあえて計算しなかったのですがなぜかわかりますか?

それは、おそらく途中で不定形の原因が消えてくれると思っているからです。不定形の原因は \((x-1)\) ですからこれがどこかで約分されるはず・・・。

ひとまず計算を続けてみます。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x+3-4}{(x-1)(\sqrt{x+3}+2)}=\lim_{x\to 1}\frac{x-1}{(x-1)(\sqrt{x+3}+2)}\)

 

ほら、やっぱり出てきましたよね。これで晴れて約分できて、不定形脱出です。

 

\(\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x-1}{(x-1)(\sqrt{x+3}-2)}=\lim_{x\to 1}\frac{1}{\sqrt{x+3}+2}=\frac{1}{\sqrt{1+3}+2}=\frac{1}{2+2}=\frac{1}{4}\)

 

これで極限計算ができました。めでたしですね。ここでのポイントは

 

ルートは有理化せよ

 

ですね。これも数列の極限でやっていたことです。全く同じであることをしっかりと頭に刻み込んでください。

まとめ

関数の極限は最初はとっつきにくいですが、まずは計算をしっかりとおさえてください。その後で関数の極限が何を意味するのかを理解すれば全く問題ありません。「関数」という部分が色濃く現れてくるのは次のパートからです。不定形をどう避けるか。避けられない場合はどうやって考えればいいのかを学んでいきましょう。

ではまた。

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関数と極限
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コメント

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